14.粛清の日
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降り出した雨のせいで元より外は暗かったが、日が落ちると辺りは真っ暗になった。視界が悪く、足元はぬかるんでいる。
芹沢は己が信頼を置く平山、平間を伴い角屋に現れた。
近藤、土方達は既に勢揃いしている。
誰からとも無く酒宴が始まり、皆がご機嫌に杯を酌み交わしていた。
「ささっ、芹沢先生もう一杯、いやぁ流石の呑みっぷりですな!!」
調子良く酒をどんどん注いでいく。
普段芹沢に媚を売らない土方さえも温和な顔で近付き酒を注いだ。
「今日はやけにご機嫌じゃないか!はっはっは!!」
策略を知ってか知らずか、芹沢は大笑いして酌を受け続けた。
相変わらずバシバシと鉄扇を鳴らしながら酒を呑んでいる。
「芹沢先生……少しお控えになられては……」
呑み過ぎて醜態を晒せば何が起こるか分からない。平間が芹沢を窘めた。
「まぁまぁまぁ、平間さんも!もっと呑みましょう、久しぶりじゃありませんか!!」
「ほらほら、ぐぐっと!!」
「おほおおっ!!いいですねー!流石の呑みっぷり!!」
藤堂や原田、永倉も加わり酌を重ねて酒を進めていった。
沖田は平隊士に人気で、代わる代わる隊士が寄って、全く動けずにいた。
すっかり酒が回った頃、流石に平間と平山が芹沢を連れ出そうとした。
異様な空気を感じていた。限界だと判断したのだ。
そんな二人に土方が声を掛けた。酒がしっかり入っているのを確認し、頃合を見極めた。
「雨も酷いですし、酔っていては足元が危険だ!お顔の知れた芹沢先生が不貞浪士に見つかって斬りかかられては大変です!籠を呼びますから、そちらでお帰り下さい」
「左様か……かたじけない」
芹沢は平間と平山を伴って用意された籠に乗り、八木邸へと帰って行った。
土方の計らいで芹沢達から比較的信頼がある沖田と藤堂が付き添った。土方と近藤は密かにその後を追う。
はなから一人で呑んでいた斎藤はすっと立ち上がり、皆に絡まれていた永倉は平隊士を上手くかわして、夢主の待つ部屋へ向かった。
一晩を三人で過ごすのだ。
二人が座敷に入ると、夢主は自分の膳の料理を綺麗に食べ終え、一人で茶を啜っていた。
「斎藤さん、永倉さん。お待ちしておりました」
にこり、男装ながら微笑むと女らしさが際立つのが不思議だ。
一瞬固まった永倉を斎藤は横目で捉えた。
「待たせたな」
「おぉ……ひ、ひとりで大丈夫だったかい」
「はぃ」
二人との合流が嬉しい夢主は静かに笑んだ。
間もなく酒が部屋に届けられた。斎藤達はしっかり呑み直すつもりなのだ。
「みなさんお酒が楽しそうで……羨ましいです」
夢主は徳利を手にすると順に酌をした。
「お前すげぇ弱いんだってな。斎藤に聞いたぜ。総司も、絶対に呑ませるな!ってうるさかったぜ」
笑って永倉は一口で呑み干した。
競う気はないが、斎藤も続いて呑み干した。すぐに二杯目の酌を受ける。
「こいつの弱さは驚異的ですね。恐ろしいほどに弱い」
「へーそいつは見てみてぇなぁ!どんな酔い方するんだ」
聞かれても記憶が無いので夢主は苦笑いするしかない。
「呑んですぐ記憶が飛んじまうのか。女の酔い方にしちゃあぶねーな」
そうなんですと、夢主は小刻みに何度も頷いた。
それから暫く、二人が美味しそうに酒を進めているのを羨ましく眺めていた。
芹沢は己が信頼を置く平山、平間を伴い角屋に現れた。
近藤、土方達は既に勢揃いしている。
誰からとも無く酒宴が始まり、皆がご機嫌に杯を酌み交わしていた。
「ささっ、芹沢先生もう一杯、いやぁ流石の呑みっぷりですな!!」
調子良く酒をどんどん注いでいく。
普段芹沢に媚を売らない土方さえも温和な顔で近付き酒を注いだ。
「今日はやけにご機嫌じゃないか!はっはっは!!」
策略を知ってか知らずか、芹沢は大笑いして酌を受け続けた。
相変わらずバシバシと鉄扇を鳴らしながら酒を呑んでいる。
「芹沢先生……少しお控えになられては……」
呑み過ぎて醜態を晒せば何が起こるか分からない。平間が芹沢を窘めた。
「まぁまぁまぁ、平間さんも!もっと呑みましょう、久しぶりじゃありませんか!!」
「ほらほら、ぐぐっと!!」
「おほおおっ!!いいですねー!流石の呑みっぷり!!」
藤堂や原田、永倉も加わり酌を重ねて酒を進めていった。
沖田は平隊士に人気で、代わる代わる隊士が寄って、全く動けずにいた。
すっかり酒が回った頃、流石に平間と平山が芹沢を連れ出そうとした。
異様な空気を感じていた。限界だと判断したのだ。
そんな二人に土方が声を掛けた。酒がしっかり入っているのを確認し、頃合を見極めた。
「雨も酷いですし、酔っていては足元が危険だ!お顔の知れた芹沢先生が不貞浪士に見つかって斬りかかられては大変です!籠を呼びますから、そちらでお帰り下さい」
「左様か……かたじけない」
芹沢は平間と平山を伴って用意された籠に乗り、八木邸へと帰って行った。
土方の計らいで芹沢達から比較的信頼がある沖田と藤堂が付き添った。土方と近藤は密かにその後を追う。
はなから一人で呑んでいた斎藤はすっと立ち上がり、皆に絡まれていた永倉は平隊士を上手くかわして、夢主の待つ部屋へ向かった。
一晩を三人で過ごすのだ。
二人が座敷に入ると、夢主は自分の膳の料理を綺麗に食べ終え、一人で茶を啜っていた。
「斎藤さん、永倉さん。お待ちしておりました」
にこり、男装ながら微笑むと女らしさが際立つのが不思議だ。
一瞬固まった永倉を斎藤は横目で捉えた。
「待たせたな」
「おぉ……ひ、ひとりで大丈夫だったかい」
「はぃ」
二人との合流が嬉しい夢主は静かに笑んだ。
間もなく酒が部屋に届けられた。斎藤達はしっかり呑み直すつもりなのだ。
「みなさんお酒が楽しそうで……羨ましいです」
夢主は徳利を手にすると順に酌をした。
「お前すげぇ弱いんだってな。斎藤に聞いたぜ。総司も、絶対に呑ませるな!ってうるさかったぜ」
笑って永倉は一口で呑み干した。
競う気はないが、斎藤も続いて呑み干した。すぐに二杯目の酌を受ける。
「こいつの弱さは驚異的ですね。恐ろしいほどに弱い」
「へーそいつは見てみてぇなぁ!どんな酔い方するんだ」
聞かれても記憶が無いので夢主は苦笑いするしかない。
「呑んですぐ記憶が飛んじまうのか。女の酔い方にしちゃあぶねーな」
そうなんですと、夢主は小刻みに何度も頷いた。
それから暫く、二人が美味しそうに酒を進めているのを羨ましく眺めていた。