14.粛清の日
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黙って進む斎藤の踵を夢主は必死に追いかけた。
涙がこぼれないよう口を一文字にきつく結び、堪えて歩いた。
「泣くな、お前は今、新選組の隊士だ」
「はいっ……」
微かに震える声で、だがしっかりと応えてみせた。
島原に着くと、角屋の回りには見知った顔が幾つかあった。
まだ時間が早く隊士はほとんど集まっていない。
「永倉さん!原田さん!」
「よぉ!って、やけに可愛らしい恰好してるじゃねぇか」
「ぉおぅ、これはこれで似合ってるな」
二人は笑顔で迎えて夢主の頭を髪が乱れそうなほど強く撫でた。
「もうすぐ気の早い奴らが集まってくるだろうからな、早いとこお前の部屋に案内するぜ」
そう言って皆で角屋に揚がった。
一階にある大広間に新選組の幹部から平隊士まで一同に集まる予定だ。
土方が今日は貸し切ると言っていたそうだが本当だろうか。こんな広い場所を貸し切るなんて……夢主は歩きながら角屋の中を見回した。
「松の間で酒宴を開く。お前は松の間から少し離れたここに隠れていろ。角屋の人間には誰も近付けるなと話がついてるから、大人しくしていれば大丈夫だ。後で食事と茶を運んでもらう」
茶と言いながら斎藤は少し笑った。角屋まで来て茶とは……と思ったのだ。
斎藤に促されて入った部屋は一人で待つには十分すぎる広さだった。
「長い事待たせちまうと思うが、辛抱しろよ」
「斎藤と新八が来るまで頑張れよ」
永倉と原田も気遣いの言葉をくれた。
夢主はゆっくり頷いて部屋から出て行く三人を見送った。
これから斎藤や沖田を含めた、近藤一派の大勝負が始まるのだ。
そわそわせずにいられない。
斎藤達の身の安全と作戦の成功を願いつつも、お梅を想い悲しみを募らせた。
涙がこぼれないよう口を一文字にきつく結び、堪えて歩いた。
「泣くな、お前は今、新選組の隊士だ」
「はいっ……」
微かに震える声で、だがしっかりと応えてみせた。
島原に着くと、角屋の回りには見知った顔が幾つかあった。
まだ時間が早く隊士はほとんど集まっていない。
「永倉さん!原田さん!」
「よぉ!って、やけに可愛らしい恰好してるじゃねぇか」
「ぉおぅ、これはこれで似合ってるな」
二人は笑顔で迎えて夢主の頭を髪が乱れそうなほど強く撫でた。
「もうすぐ気の早い奴らが集まってくるだろうからな、早いとこお前の部屋に案内するぜ」
そう言って皆で角屋に揚がった。
一階にある大広間に新選組の幹部から平隊士まで一同に集まる予定だ。
土方が今日は貸し切ると言っていたそうだが本当だろうか。こんな広い場所を貸し切るなんて……夢主は歩きながら角屋の中を見回した。
「松の間で酒宴を開く。お前は松の間から少し離れたここに隠れていろ。角屋の人間には誰も近付けるなと話がついてるから、大人しくしていれば大丈夫だ。後で食事と茶を運んでもらう」
茶と言いながら斎藤は少し笑った。角屋まで来て茶とは……と思ったのだ。
斎藤に促されて入った部屋は一人で待つには十分すぎる広さだった。
「長い事待たせちまうと思うが、辛抱しろよ」
「斎藤と新八が来るまで頑張れよ」
永倉と原田も気遣いの言葉をくれた。
夢主はゆっくり頷いて部屋から出て行く三人を見送った。
これから斎藤や沖田を含めた、近藤一派の大勝負が始まるのだ。
そわそわせずにいられない。
斎藤達の身の安全と作戦の成功を願いつつも、お梅を想い悲しみを募らせた。