14.粛清の日
夢主名前設定
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「ありがとう……見せてくれて」
静かに礼を言った沖田、笑顔に力がない。
「痛そうだね……ごめんね。肝心な時にいつも傍にいられなくて……」
近藤土方に次いで上の立場にいるのだから忙しくて当然だ。
それでも自分を責めている。自らの膝の上で拳がきつく握られていた。
「僕……夢主ちゃんの事、守ってあげたいんだ……なのに、大事な時にいつも僕は……」
「沖田さん……大丈夫です。そのお気持ちだけで!私は……本来いない存在なんです。だから、そんなに気に掛けないで下さい……ふふっ、沖田さんが気に掛けるべきは新選組の隊務なんです」
沖田を苦しめぬよう夢主は優しく微笑みかけた。
述べた言葉も気休めではない。確かな事実だ。見えない存在として扱ってくれて構わない。
今は迷惑を掛けてばかりだが、自分の身の振りはどうにかしてみせる。頼ってばかりはいられない。
「本当ですね、あははっ。夢主ちゃんに一本取られたな!明日、みんなで角屋に行きます。この意味分かりますか。それで新選組は前に進みます。一緒について来て下さい。僕達、新選組に」
沖田は力強く訴え、夢主は覚悟を持って頷いた。
斎藤はその様子を黙って見守っている。
「お休み前にごめんなさい。傷、無理しないで……。明日は僕、土方さん達と行動を共にするので斎藤さん、宜しく頼みます」
斎藤が大きく頷くのを見て、沖田は立ち上がった。
自分の任務に集中する間、貴方なら安心して任せられる、そんな信頼が見える。
「おやすみなさい」
いつもより凛々しい笑顔で言うと沖田は部屋へ戻っていった。
完全に惚れているな……斎藤は感じた。
「明日は俺と永倉さんが付き添う。いいな」
「はい」
夢主は斎藤の目をしっかりと見つめ返した。
俺の存在はお前の拠り所になれるか、明日一日で構わんから頼れと言いたげな瞳。無理ばかりしようとする夢主を宥めて諭しているようだ。
「斎藤さん……よろしくお願いします」
夢主は全てを委ねる覚悟で頭を下げた。
それぞれの布団でそれぞれの思いを胸に夜を越え、朝を迎えた。
静かに礼を言った沖田、笑顔に力がない。
「痛そうだね……ごめんね。肝心な時にいつも傍にいられなくて……」
近藤土方に次いで上の立場にいるのだから忙しくて当然だ。
それでも自分を責めている。自らの膝の上で拳がきつく握られていた。
「僕……夢主ちゃんの事、守ってあげたいんだ……なのに、大事な時にいつも僕は……」
「沖田さん……大丈夫です。そのお気持ちだけで!私は……本来いない存在なんです。だから、そんなに気に掛けないで下さい……ふふっ、沖田さんが気に掛けるべきは新選組の隊務なんです」
沖田を苦しめぬよう夢主は優しく微笑みかけた。
述べた言葉も気休めではない。確かな事実だ。見えない存在として扱ってくれて構わない。
今は迷惑を掛けてばかりだが、自分の身の振りはどうにかしてみせる。頼ってばかりはいられない。
「本当ですね、あははっ。夢主ちゃんに一本取られたな!明日、みんなで角屋に行きます。この意味分かりますか。それで新選組は前に進みます。一緒について来て下さい。僕達、新選組に」
沖田は力強く訴え、夢主は覚悟を持って頷いた。
斎藤はその様子を黙って見守っている。
「お休み前にごめんなさい。傷、無理しないで……。明日は僕、土方さん達と行動を共にするので斎藤さん、宜しく頼みます」
斎藤が大きく頷くのを見て、沖田は立ち上がった。
自分の任務に集中する間、貴方なら安心して任せられる、そんな信頼が見える。
「おやすみなさい」
いつもより凛々しい笑顔で言うと沖田は部屋へ戻っていった。
完全に惚れているな……斎藤は感じた。
「明日は俺と永倉さんが付き添う。いいな」
「はい」
夢主は斎藤の目をしっかりと見つめ返した。
俺の存在はお前の拠り所になれるか、明日一日で構わんから頼れと言いたげな瞳。無理ばかりしようとする夢主を宥めて諭しているようだ。
「斎藤さん……よろしくお願いします」
夢主は全てを委ねる覚悟で頭を下げた。
それぞれの布団でそれぞれの思いを胸に夜を越え、朝を迎えた。