12.二人の朝
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呑み干した直後、熱いものが体中を駆け巡る。
見えないものに体を持ち上げられる浮遊感を感じた。
……ぉさけは……やっぱり……だめかなぁ……
倒れてしまいそうな体で、なんとか膳に猪口を戻した。
……ぁ……さいとぉさんとおなじのに……くちつけちゃったぁ……どうしよ……
現代で育った夢主には大した事ではないかもしれないが、感覚が幕末に染まってきたのか、一度気付くと気になってしまう。
戸惑いながら、ふわふわした意識の中、斎藤に肌掛けを掛けると、そのままもたれて眠ってしまった。
そばで聞こえる穏やかな寝息に、斎藤はそっと目を開けた。
「やれやれ……人の酒を呑みやがって」
苦笑いして、己に身をゆだねる夢主の安らかな寝顔を眺めた。
――大事な人を……大切にしたいだけ……
ふと斎藤の頭の中に沖田の言葉が蘇る。
大切なものを、大切に。
「……このままにしておくか」
斎藤は夢主を布団に運ぶのをやめ、朝を待つことにした。
寝やすいように二の腕に凭れた夢主の頭をそっと動かし、自分の腿の上に乗せる。
「……ぅふふ……」
寝ぼけて微笑む夢主に満足し、斎藤はそっと髪を撫でた。
「阿呆ぅが……」
フッと笑みをこぼした後、斎藤も再び浅い寝息を立て始めた。
夢主が目覚めると、布団の中から窓際で眠る斎藤の姿が見えた。
白い朝の光の中、斎藤の姿が美しく映えている。
昨夜の記憶が飛んでいた。
確かに斎藤に肌掛けを掛けようとした、そこまでは覚えている。
酒を一口含んだのも僅かに覚えている。だがその後は……。
綺麗に記憶が飛んでいた。
……自分で布団まで戻れたのかな……なんとなく、温かい夢を見ていた気がする……
斎藤も既に起きていたらしく、肌掛けを肩から落としなが夢主に顔を向けた。
「よぉ、お目覚めか」
夢主を見る斎藤は、朝日のおかげか何時に無く清々しい顔に見えた。
見えないものに体を持ち上げられる浮遊感を感じた。
……ぉさけは……やっぱり……だめかなぁ……
倒れてしまいそうな体で、なんとか膳に猪口を戻した。
……ぁ……さいとぉさんとおなじのに……くちつけちゃったぁ……どうしよ……
現代で育った夢主には大した事ではないかもしれないが、感覚が幕末に染まってきたのか、一度気付くと気になってしまう。
戸惑いながら、ふわふわした意識の中、斎藤に肌掛けを掛けると、そのままもたれて眠ってしまった。
そばで聞こえる穏やかな寝息に、斎藤はそっと目を開けた。
「やれやれ……人の酒を呑みやがって」
苦笑いして、己に身をゆだねる夢主の安らかな寝顔を眺めた。
――大事な人を……大切にしたいだけ……
ふと斎藤の頭の中に沖田の言葉が蘇る。
大切なものを、大切に。
「……このままにしておくか」
斎藤は夢主を布団に運ぶのをやめ、朝を待つことにした。
寝やすいように二の腕に凭れた夢主の頭をそっと動かし、自分の腿の上に乗せる。
「……ぅふふ……」
寝ぼけて微笑む夢主に満足し、斎藤はそっと髪を撫でた。
「阿呆ぅが……」
フッと笑みをこぼした後、斎藤も再び浅い寝息を立て始めた。
夢主が目覚めると、布団の中から窓際で眠る斎藤の姿が見えた。
白い朝の光の中、斎藤の姿が美しく映えている。
昨夜の記憶が飛んでいた。
確かに斎藤に肌掛けを掛けようとした、そこまでは覚えている。
酒を一口含んだのも僅かに覚えている。だがその後は……。
綺麗に記憶が飛んでいた。
……自分で布団まで戻れたのかな……なんとなく、温かい夢を見ていた気がする……
斎藤も既に起きていたらしく、肌掛けを肩から落としなが夢主に顔を向けた。
「よぉ、お目覚めか」
夢主を見る斎藤は、朝日のおかげか何時に無く清々しい顔に見えた。