101.新月の光
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぁっ……」
「言わんこっちゃ無い」
夢中で背伸びをして斎藤を覗き込む夢主はよろめいて転びそうになり、構えていた斎藤の腕一本に支えられて難を逃れた。
「すみません……でも、少し見えてきました……」
「ほぅ、それで」
瞳を見つめるので自ずと目が合う二人、斎藤は夢主に覗かせる為、大人しく顔を向けて動かない。
瞳の色にのみ気を取られている夢主は、もう一度背伸びをし斎藤の瞳に近付いた。
……近いな……
「うぅん……見えるけど……見えません、明かりが無いとやっぱり見えないんですね……」
当たり前のことを不思議がって言葉にする夢主を笑わないよう、斎藤は堪えて見つめ返し続けた。
「しいて言うなら黒でしょうか……ほんのり……見える瞳が……っぁ」
気付けば斎藤は夢主に自ら顔を近づけていた。
おでこをくすぐる斎藤の前髪と温かい息で夢主は気付いたのだ。
あまりの至近距離に慌てて背伸びを止めて顔を離すと、今度は恥ずかしくて目を合わせられなくなってしまった。
暗がりの中、目が合ったところでたいして見えないのだが、目前に感じた斎藤に恥じらっていた。
「フッ、見えたのか」
「はっ、はぃ多分……でも、よくわかりませんでした……」
「そうか。ではもう一度見ろ」
「んっ」
斎藤は夢主の顎に手を掛け、己に顔を向けさせた。
武骨なようで滑らかな指の感触に触れられた場所が痺れるが、斎藤の顔が良く見えないおかげで夢主は抵抗出来た。
「でも、もうこれ以上は……」
手から逃れて言い返す夢主の口に、斎藤は指を立て「しぃ……」と言葉を封じてしまった。
「ぁ……」
夢主の唇に立てた指を少し離すと、斎藤はもう一度夢主の顎に手を掛けた。
もし明かりが灯っていたならば、斎藤の瞳の妖しい色付きに、夢主は体が動かせなくなっていただろう。
「っ!」
斎藤の考えを余所に、ハッと何か思い出した夢主は目の前の腕を思いきり掴んだ。
自らの体を引きながら腕をねじり込み、大きな斎藤の体を転がした。
流れのままに転がった斎藤、さほど大きな音も立てずにひっくり返り、夢主に投げられた事実に驚き細い目を見開いている。
当の夢主は手を離すと嬉しそうに声を弾ませた。
「どうですかっ!上手でしたか!」
「……クククッ」
「斎藤さん?」
「フフ……フ……フハハハハッ!!」
「斎藤さん……」
「ハハハッ!!いや、すまん、新津の所に行かせたのは、確かに無駄では無かったようだな、フフ……クククッ」
全くもって油断していたとは言え見事に転がされた斎藤は、板張りの床の冷たさを気にもせず座り込んで、どこか嬉しそうに笑っていた。
笑い声が響き、暗闇の中を刀を差した沖田が灯りを手に歩いてきた。
外に出ていたのだが、戻ると真っ暗な部屋の前で声を張って斎藤が笑っている。珍しいと近寄ってきたのだ。
「どうしたんですか、随分と楽しそうに」
「ハハッ、なんでもないさ」
座り込み頭を抱えて笑う斎藤を沖田は訝しげに眺めた。
「灯りも付けないで。怪我しないで下さいよ、僕はちょっと近藤さんのもとへ行ってきますから」
「あぁ、大丈夫だ」
沖田は二人の様子を確認するとそのまま去って行った。
「言わんこっちゃ無い」
夢中で背伸びをして斎藤を覗き込む夢主はよろめいて転びそうになり、構えていた斎藤の腕一本に支えられて難を逃れた。
「すみません……でも、少し見えてきました……」
「ほぅ、それで」
瞳を見つめるので自ずと目が合う二人、斎藤は夢主に覗かせる為、大人しく顔を向けて動かない。
瞳の色にのみ気を取られている夢主は、もう一度背伸びをし斎藤の瞳に近付いた。
……近いな……
「うぅん……見えるけど……見えません、明かりが無いとやっぱり見えないんですね……」
当たり前のことを不思議がって言葉にする夢主を笑わないよう、斎藤は堪えて見つめ返し続けた。
「しいて言うなら黒でしょうか……ほんのり……見える瞳が……っぁ」
気付けば斎藤は夢主に自ら顔を近づけていた。
おでこをくすぐる斎藤の前髪と温かい息で夢主は気付いたのだ。
あまりの至近距離に慌てて背伸びを止めて顔を離すと、今度は恥ずかしくて目を合わせられなくなってしまった。
暗がりの中、目が合ったところでたいして見えないのだが、目前に感じた斎藤に恥じらっていた。
「フッ、見えたのか」
「はっ、はぃ多分……でも、よくわかりませんでした……」
「そうか。ではもう一度見ろ」
「んっ」
斎藤は夢主の顎に手を掛け、己に顔を向けさせた。
武骨なようで滑らかな指の感触に触れられた場所が痺れるが、斎藤の顔が良く見えないおかげで夢主は抵抗出来た。
「でも、もうこれ以上は……」
手から逃れて言い返す夢主の口に、斎藤は指を立て「しぃ……」と言葉を封じてしまった。
「ぁ……」
夢主の唇に立てた指を少し離すと、斎藤はもう一度夢主の顎に手を掛けた。
もし明かりが灯っていたならば、斎藤の瞳の妖しい色付きに、夢主は体が動かせなくなっていただろう。
「っ!」
斎藤の考えを余所に、ハッと何か思い出した夢主は目の前の腕を思いきり掴んだ。
自らの体を引きながら腕をねじり込み、大きな斎藤の体を転がした。
流れのままに転がった斎藤、さほど大きな音も立てずにひっくり返り、夢主に投げられた事実に驚き細い目を見開いている。
当の夢主は手を離すと嬉しそうに声を弾ませた。
「どうですかっ!上手でしたか!」
「……クククッ」
「斎藤さん?」
「フフ……フ……フハハハハッ!!」
「斎藤さん……」
「ハハハッ!!いや、すまん、新津の所に行かせたのは、確かに無駄では無かったようだな、フフ……クククッ」
全くもって油断していたとは言え見事に転がされた斎藤は、板張りの床の冷たさを気にもせず座り込んで、どこか嬉しそうに笑っていた。
笑い声が響き、暗闇の中を刀を差した沖田が灯りを手に歩いてきた。
外に出ていたのだが、戻ると真っ暗な部屋の前で声を張って斎藤が笑っている。珍しいと近寄ってきたのだ。
「どうしたんですか、随分と楽しそうに」
「ハハッ、なんでもないさ」
座り込み頭を抱えて笑う斎藤を沖田は訝しげに眺めた。
「灯りも付けないで。怪我しないで下さいよ、僕はちょっと近藤さんのもとへ行ってきますから」
「あぁ、大丈夫だ」
沖田は二人の様子を確認するとそのまま去って行った。