11.祝杯
夢主名前設定
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「フフン、流石の沖田君も困り顔か」
斎藤は面白そうに言って酒を続けている。
「斎藤さん、ちょっと手伝ってくださいよ~!」
寄り掛かってくる夢主が自分に触れないよう必死に支えていた。
これ以上触れられては、こちらも酒が入っているのだ。保障が出来ない。
「やれやれ。沖田君はこういう事には初心だな」
夢主の体を起こす為、斎藤は鼻で笑いながら立ち上がった。
「はいはい、好きに言って下さいよ!僕は大事な人を大切にしたいだけなんです!惚れたらすぐ手だしちゃう斎藤さん達と違うだけですよ」
「フン、俺だって手は出していないだろう」
何気ない言葉だが沖田は斎藤の顔を見上げた。
「……それって……手を出したい気持ちはあるって事ですか」
思わぬ一言に斎藤の体が不自然に止まった。
「そんな事は言っていない」
夢主の肩を掴んだまま沖田は怪訝な顔をした。
「斎藤さんも気があるんじゃないですか」
「馬鹿な。ほら、布団に運ぶぞ」
斎藤が手を掛けようとした途端、夢主の目が薄っすら開き、ゆっくり立ち上がろうとした。
「大丈夫ですか」
「おい……」
「んん……」
一歩進もうと足を出すが、ぐらりと傾いてしまう。
傾いた体は斎藤の大きな胸に助けられた。
「ほら、無理だろう。布団に行け」
そう言うと夢主の背中に手を回して体を支えた。
「いっしょが……い……」
「!!!」
二人が驚くと夢主は小さな声で笑った。
「じょぉだん……です……ぅ」
そのまま目を閉じて斎藤に体を委ねてしまった。
「おい、ったく」
すやすやと気持ちの良さそうな小さな寝息が聞こえてきた。
衝立の向こうの布団に寝かしてやると、斎藤は夢主のおでこを優しく小突いた。
「この阿呆ぅが……」
「大人しく寝ちゃいましたね……こんなに弱いとは思いませんでしたよ、可愛いですね、ふふ」
額を小突かれても反応一つない。
斎藤も沖田も酔いつぶれた夢主に苦笑いだ。
「これでは他の連中とは呑ませられんな」
「全くです」
布団から離れ、二人で向かい合い呑み直しだ。残りの酒を二人で空ける。
「二人きりで呑むなんて初めてかもしれないですね……」
「そうだな」
「…………斎藤さんもやっぱり気になるんじゃありませんか、夢主ちゃんの事……惚れていますか」
唐突に、だがはっきりと訊ねた。
「……さぁな。俺にも分からん」
「僕は好きですからね」
「そうか」
無視しても良い問いを濁して答えた斎藤は、沖田の宣言に短く相槌をした。
それから男二人、静かに酒を呑みふけった。
斎藤は面白そうに言って酒を続けている。
「斎藤さん、ちょっと手伝ってくださいよ~!」
寄り掛かってくる夢主が自分に触れないよう必死に支えていた。
これ以上触れられては、こちらも酒が入っているのだ。保障が出来ない。
「やれやれ。沖田君はこういう事には初心だな」
夢主の体を起こす為、斎藤は鼻で笑いながら立ち上がった。
「はいはい、好きに言って下さいよ!僕は大事な人を大切にしたいだけなんです!惚れたらすぐ手だしちゃう斎藤さん達と違うだけですよ」
「フン、俺だって手は出していないだろう」
何気ない言葉だが沖田は斎藤の顔を見上げた。
「……それって……手を出したい気持ちはあるって事ですか」
思わぬ一言に斎藤の体が不自然に止まった。
「そんな事は言っていない」
夢主の肩を掴んだまま沖田は怪訝な顔をした。
「斎藤さんも気があるんじゃないですか」
「馬鹿な。ほら、布団に運ぶぞ」
斎藤が手を掛けようとした途端、夢主の目が薄っすら開き、ゆっくり立ち上がろうとした。
「大丈夫ですか」
「おい……」
「んん……」
一歩進もうと足を出すが、ぐらりと傾いてしまう。
傾いた体は斎藤の大きな胸に助けられた。
「ほら、無理だろう。布団に行け」
そう言うと夢主の背中に手を回して体を支えた。
「いっしょが……い……」
「!!!」
二人が驚くと夢主は小さな声で笑った。
「じょぉだん……です……ぅ」
そのまま目を閉じて斎藤に体を委ねてしまった。
「おい、ったく」
すやすやと気持ちの良さそうな小さな寝息が聞こえてきた。
衝立の向こうの布団に寝かしてやると、斎藤は夢主のおでこを優しく小突いた。
「この阿呆ぅが……」
「大人しく寝ちゃいましたね……こんなに弱いとは思いませんでしたよ、可愛いですね、ふふ」
額を小突かれても反応一つない。
斎藤も沖田も酔いつぶれた夢主に苦笑いだ。
「これでは他の連中とは呑ませられんな」
「全くです」
布団から離れ、二人で向かい合い呑み直しだ。残りの酒を二人で空ける。
「二人きりで呑むなんて初めてかもしれないですね……」
「そうだな」
「…………斎藤さんもやっぱり気になるんじゃありませんか、夢主ちゃんの事……惚れていますか」
唐突に、だがはっきりと訊ねた。
「……さぁな。俺にも分からん」
「僕は好きですからね」
「そうか」
無視しても良い問いを濁して答えた斎藤は、沖田の宣言に短く相槌をした。
それから男二人、静かに酒を呑みふけった。