91.心構え
夢主名前設定
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夜になると夢主の苦言に従い、斎藤は帰ってきた。
再び門限を破って泊りこむのではと心配していた夢主は喜んで出迎えた。
「おかえりなさい、ほっとしました。ちゃんと帰って来たんですね」
「フン、たいした話は何も無かったな」
すっかり笑顔で、昼間の淋しさを微塵も感じさせない顏に斎藤もどこかほっとしている。
「今日とっても素敵なことがあったんですよ!」
「ほぅ、何だ」
「原田さんがお子さんを連れて来たんです。とぉっっても可愛かったですよ!ほっぺも真ん丸で柔らかかったです」
「ふん……前も連れて来ていたな。触れたのか」
「抱っこさせてもらったんです!温かかったです」
「そうか」
ふっと斎藤の顔がほころんだが、気付かず話を続けた。
「赤ちゃんがお口ぱくぱくさせて可愛かったんですよ、でも原田さんがもう一度抱っこしたら急に泣き出しちゃって……」
「あぁ、あれか。前は隊士の指を掴んでしていたな」
「へぇ……隊士さんの指を……」
「ははっ笑うぞ、乳が欲しい時の仕草だそうだ」
「えぇっ、お乳っ……」
途端に顔が真っ赤になり上気する夢主を斎藤は可笑しそうに眺めていた。
「抱かれた感触が母親に似ていたのか、匂いが似ていたか……腹が減った赤子はお前の乳が飲めると喜んだんだろう」
「っ……出ませんよ……」
何も知らぬ赤ん坊を責められないと、恥ずかしい勘違いに照れながら斎藤を軽く睨んで済ませる。
自分から離され、父親である原田の腕に戻ったのにぐずり始めた理由が分かると、赤ん坊の可愛い欲求に、夢主の顔はにこやかに戻った。
「斎藤さんは赤ちゃん抱っこしたことあるんですか」
「無いな、言われてみれば」
「そうなんですね……原田さんまたきっとお子さん連れてきますよ、斎藤さんも抱かせていただいたらいかがですか」
夢主がクスクスと似合わない姿を思い浮かべながら勧めるので、斎藤はぴくりと僅かに眉を動かした。
「フン、そんなに子が欲しいなら」
「わぁっ!今、斎藤さん厭らしいことを言おうとしましたね!」
「ほぅ、厭らしいとはどんなことだ、言ってみろ」
自分の言葉を止めた夢主を軽くなぶると斎藤はニッと澄ました。
「まぁ今はそれどころでは無いか」
「え……」
「フフン、その気があるならいつでも相手してやるさ」
低く呟いた言葉が耳に届かず聞き返した夢主にふざけた一言を返し、斎藤は帯を解き始めた。
再び門限を破って泊りこむのではと心配していた夢主は喜んで出迎えた。
「おかえりなさい、ほっとしました。ちゃんと帰って来たんですね」
「フン、たいした話は何も無かったな」
すっかり笑顔で、昼間の淋しさを微塵も感じさせない顏に斎藤もどこかほっとしている。
「今日とっても素敵なことがあったんですよ!」
「ほぅ、何だ」
「原田さんがお子さんを連れて来たんです。とぉっっても可愛かったですよ!ほっぺも真ん丸で柔らかかったです」
「ふん……前も連れて来ていたな。触れたのか」
「抱っこさせてもらったんです!温かかったです」
「そうか」
ふっと斎藤の顔がほころんだが、気付かず話を続けた。
「赤ちゃんがお口ぱくぱくさせて可愛かったんですよ、でも原田さんがもう一度抱っこしたら急に泣き出しちゃって……」
「あぁ、あれか。前は隊士の指を掴んでしていたな」
「へぇ……隊士さんの指を……」
「ははっ笑うぞ、乳が欲しい時の仕草だそうだ」
「えぇっ、お乳っ……」
途端に顔が真っ赤になり上気する夢主を斎藤は可笑しそうに眺めていた。
「抱かれた感触が母親に似ていたのか、匂いが似ていたか……腹が減った赤子はお前の乳が飲めると喜んだんだろう」
「っ……出ませんよ……」
何も知らぬ赤ん坊を責められないと、恥ずかしい勘違いに照れながら斎藤を軽く睨んで済ませる。
自分から離され、父親である原田の腕に戻ったのにぐずり始めた理由が分かると、赤ん坊の可愛い欲求に、夢主の顔はにこやかに戻った。
「斎藤さんは赤ちゃん抱っこしたことあるんですか」
「無いな、言われてみれば」
「そうなんですね……原田さんまたきっとお子さん連れてきますよ、斎藤さんも抱かせていただいたらいかがですか」
夢主がクスクスと似合わない姿を思い浮かべながら勧めるので、斎藤はぴくりと僅かに眉を動かした。
「フン、そんなに子が欲しいなら」
「わぁっ!今、斎藤さん厭らしいことを言おうとしましたね!」
「ほぅ、厭らしいとはどんなことだ、言ってみろ」
自分の言葉を止めた夢主を軽くなぶると斎藤はニッと澄ました。
「まぁ今はそれどころでは無いか」
「え……」
「フフン、その気があるならいつでも相手してやるさ」
低く呟いた言葉が耳に届かず聞き返した夢主にふざけた一言を返し、斎藤は帯を解き始めた。