89.熱燗の熱
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「すくなぃれす……もっとはいりますよぉ……」
「はは……溢さないかなぁ」
器八分目に注いだ沖田に対し夢主が不貞腐れ、恨めしそうな目を向けた。
困った沖田は僅かに注ぎ足すが夢主は満足しなかった。
「もぉっとぉ~~」
「参ったなぁ……」
「もーーーぉ!」
「おい叫ぶな、土方さんが来ちまうぞ」
ただでさえ昼酒に引っかかっていた土方が、うるさいと怒りに来るのでは。
夢主をたしなめるが、ついと顔を逸らして一口に呑み干してしまった。
「ひじからさんもいっしょに、のめばいいんれす……」
「いやぁ、土方さんは屯所では呑まないって決めてると思いますよ……ね、斎藤さん」
「あぁ、土方さんが呑むわけがない」
「あぁご名答だ」
「わっ、本当に来たっ!」
部屋の外から聞こえた声に沖田が反応して体を仰け反らせると同時に障子が開き、不機嫌に顔を歪める土方が見えた。
「真っ昼間っから何騒いでんだ」
「非番の過ごし方くらい好きにさせていただきたいのですが」
「ほぉ~お前が口答えするとは珍しいな斎藤、相当入ってるな」
「はははっ、違うんですよ、慣れない熱燗に調子が狂っちゃって、僕も体が熱くなっちゃいました。ほら夢主ちゃんも……」
騒ぎを起こした張本人に目を向けた男三人は、その場で固まった。
いや、土方だけは咄嗟の判断で障子を後ろ手に勢いよく閉めてから固まった。
「おいてめぇ!なんて格好してやがる、それに……」
「何て顔を……」
「へ……」
夢主は悪びれもせず、みんな何を怒っているのかと小首を傾げた。
濡れた唇を僅かに開いて、耳まで染めた赤い顔と対照的に、酔いで艶々と潤んだ黒い瞳が輝きながら揺れている。
ぱちぱちと瞬く度に長い睫が扇のように動き、艶やかに舞って男達に魅せた。
「らって……ぁつくて……どんどん、かららがあつくなって……ほてるんれすかね……おさけ……」
崩して座る夢主の足元で着物の裾は開き、膝からしなやかな曲線を辿って、つま先までがはっきりと晒されている。
暑い暑いと引っ張る胸元は緩み、中に控えるべき膨らみがほんのり覗いていた。
顔だけではなく、その胸の膨らみまでもが桜色に染まっている。
「阿呆がっ、何酔ってやがる!」
我に返った斎藤は、慌てて夢主の後ろに脱ぎ捨てられた半纏を被せた。
「あついんれすぅ、いらないれすっ」
「ド阿呆っ、そんなに襲われたいか!男三人誘惑するに過ぎる格好なんだよ、お前」
「えぇっ……」
掛けられた半纏からはみ出た足、覗き見える胸元の膨らみに、男達は尚も目を奪われていた。
そんなことを言われてはと、夢主は視線に気付いてさすがに恥じらった。
両膝を擦り合わせる仕草がとてつもなく男達には魅惑的だ。
込み上げるものを抑える為に飲み込んだ生唾の音が、大きく響いた。
「さっ……酒は終いだ、続きは夜になってから呑みやがれ!おい夢主、少し休め!暑いんなら自分の部屋に籠もって着替えろよ、いいな!総司、斎藤、お前らは、ちょっと、来い」
「えぇっ」
「いいから来い!」
体が火照った男達をあられもない姿の夢主と残して行くわけにはいかない。
土方は有無を言わさず部屋の外に連れ出した。
「はは……溢さないかなぁ」
器八分目に注いだ沖田に対し夢主が不貞腐れ、恨めしそうな目を向けた。
困った沖田は僅かに注ぎ足すが夢主は満足しなかった。
「もぉっとぉ~~」
「参ったなぁ……」
「もーーーぉ!」
「おい叫ぶな、土方さんが来ちまうぞ」
ただでさえ昼酒に引っかかっていた土方が、うるさいと怒りに来るのでは。
夢主をたしなめるが、ついと顔を逸らして一口に呑み干してしまった。
「ひじからさんもいっしょに、のめばいいんれす……」
「いやぁ、土方さんは屯所では呑まないって決めてると思いますよ……ね、斎藤さん」
「あぁ、土方さんが呑むわけがない」
「あぁご名答だ」
「わっ、本当に来たっ!」
部屋の外から聞こえた声に沖田が反応して体を仰け反らせると同時に障子が開き、不機嫌に顔を歪める土方が見えた。
「真っ昼間っから何騒いでんだ」
「非番の過ごし方くらい好きにさせていただきたいのですが」
「ほぉ~お前が口答えするとは珍しいな斎藤、相当入ってるな」
「はははっ、違うんですよ、慣れない熱燗に調子が狂っちゃって、僕も体が熱くなっちゃいました。ほら夢主ちゃんも……」
騒ぎを起こした張本人に目を向けた男三人は、その場で固まった。
いや、土方だけは咄嗟の判断で障子を後ろ手に勢いよく閉めてから固まった。
「おいてめぇ!なんて格好してやがる、それに……」
「何て顔を……」
「へ……」
夢主は悪びれもせず、みんな何を怒っているのかと小首を傾げた。
濡れた唇を僅かに開いて、耳まで染めた赤い顔と対照的に、酔いで艶々と潤んだ黒い瞳が輝きながら揺れている。
ぱちぱちと瞬く度に長い睫が扇のように動き、艶やかに舞って男達に魅せた。
「らって……ぁつくて……どんどん、かららがあつくなって……ほてるんれすかね……おさけ……」
崩して座る夢主の足元で着物の裾は開き、膝からしなやかな曲線を辿って、つま先までがはっきりと晒されている。
暑い暑いと引っ張る胸元は緩み、中に控えるべき膨らみがほんのり覗いていた。
顔だけではなく、その胸の膨らみまでもが桜色に染まっている。
「阿呆がっ、何酔ってやがる!」
我に返った斎藤は、慌てて夢主の後ろに脱ぎ捨てられた半纏を被せた。
「あついんれすぅ、いらないれすっ」
「ド阿呆っ、そんなに襲われたいか!男三人誘惑するに過ぎる格好なんだよ、お前」
「えぇっ……」
掛けられた半纏からはみ出た足、覗き見える胸元の膨らみに、男達は尚も目を奪われていた。
そんなことを言われてはと、夢主は視線に気付いてさすがに恥じらった。
両膝を擦り合わせる仕草がとてつもなく男達には魅惑的だ。
込み上げるものを抑える為に飲み込んだ生唾の音が、大きく響いた。
「さっ……酒は終いだ、続きは夜になってから呑みやがれ!おい夢主、少し休め!暑いんなら自分の部屋に籠もって着替えろよ、いいな!総司、斎藤、お前らは、ちょっと、来い」
「えぇっ」
「いいから来い!」
体が火照った男達をあられもない姿の夢主と残して行くわけにはいかない。
土方は有無を言わさず部屋の外に連れ出した。