80.静かな部屋
夢主名前設定
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「もぉ!ま、真面目なお話なんですっ」
耳まで紅潮して真剣に訴える姿に、原田が笑顔で何度も頷く。
「ははっ、安心しろ、ずっと抱きしめてるよ」
「そっ……そうですかっ、じゃぁっ、それからっ……あんまり毎日頑張るより、少し日を空けたほうがいいとか……女の人がそんな気分の時は懐妊しやすいとか……」
もじもじと小さな声で上目に話す夢主の頭を、原田はよしよしと二、三度撫でた。
それ以上の無理はいらないと優しさを込めた仕草だ。
「そこまで気に掛けてくれるのか、恥ずかしいのにありがとうな。大丈夫だぜ、忙しいから毎日は会えねぇし、淋しそうにしてたら、たっぷり可愛がってやるからな」
原田の言葉に夢主の顔の赤みは更に増し、言葉を失い、見上げる瞳はどこか落ち着かない。
妙に生々しく感じてしまう言葉は、それだけ愛しい者への感情が込められているのだろう。
「あっ……ぁ、そうですよね……そぅ……あぁぁ……」
「くくっ、悪かったな恥ずかしい思いさせちまって」
首を振る真っ赤な夢主の顔色が落ち着くまで待って、原田は話を続けた。
「俺達の心配は要らないぜ、ありがとう、夢主」
原田は頷く夢主にニッと微笑んでから、必死にこちらを見ている沖田に目を向けた。
自分が惚れた女と結ばれた原田は、夢主が結ばれる相手を誰なのかと考え、頬を緩めて沖田を見ていた。
「総司は心底お前に惚れてるみてぇだな」
「……なので……しょうか」
痛いほど知っている沖田の気持ちだが、原田に確認するように言葉を濁した。
原田はフッと苦笑いで首を傾げ、再び離れて座る沖田を見つめた。
「だろうよ?でもよぉ、総司が幾ら親身になってくれようが、お前を想ってくれようが、お前はお前の選んだ男と添い遂げろ。その想いだけは譲らなくていいものだ」
「原田さん……」
夢主を振り返った原田の顔は頼もしく力強くも、例えようもない艶やかな色気を湛えていた。
……これが、愛する人を守っている男の人の……姿なんだ……
吸い込まれそうになって見惚れていると、原田はクッと笑い顔を傾けておどけて見せた。
「愛おしくて堪らない男に抱かれている女ってのは、どうしようもなく可愛いもんだぜ」
「ぇえっ」
またもや真っ赤になってしまった。
原田は「すまんすまん」と謝り、夢主の気を静めようと話を続けた。
「お前は幸せになれる」
「ありがとうございます……原田さんの奥さんこそ本当に幸せだと思います、ふふっ」
「そうか、お前に言われると嬉しいな」
ひたすら顔を赤くしていた夢主が落ち着くと、原田はよしっと頷いた。
縁側では沖田と永倉が、楽しそうに笑う二人の姿を不思議そうに眺め、もどかしそうに戻るのを待っていた。
「ま、たまには総司にも想いを届ける機会を与えてやれよ」
夢主が気まずく頷くと、原田が沖田達のもとへ歩き出したので、慌てて後に続いた。
気付けばいつの間にか茶が運ばれていた。
「よぉ、待たせたな。新八、もう行こうぜ!」
そう言うと湯呑みを手に取り、まだ湯気の見えるお茶を一気に流し込んだ。
「行くのか?俺はいいが」
「あぁ。またゆっくり来ようぜ」
「そうですか……」
「総司、夢主を頼んだぜ。夢主、また屯所でな!」
何を話していたか分からない沖田だが素直に了承して、夢主と共に二人を送り出した。
耳まで紅潮して真剣に訴える姿に、原田が笑顔で何度も頷く。
「ははっ、安心しろ、ずっと抱きしめてるよ」
「そっ……そうですかっ、じゃぁっ、それからっ……あんまり毎日頑張るより、少し日を空けたほうがいいとか……女の人がそんな気分の時は懐妊しやすいとか……」
もじもじと小さな声で上目に話す夢主の頭を、原田はよしよしと二、三度撫でた。
それ以上の無理はいらないと優しさを込めた仕草だ。
「そこまで気に掛けてくれるのか、恥ずかしいのにありがとうな。大丈夫だぜ、忙しいから毎日は会えねぇし、淋しそうにしてたら、たっぷり可愛がってやるからな」
原田の言葉に夢主の顔の赤みは更に増し、言葉を失い、見上げる瞳はどこか落ち着かない。
妙に生々しく感じてしまう言葉は、それだけ愛しい者への感情が込められているのだろう。
「あっ……ぁ、そうですよね……そぅ……あぁぁ……」
「くくっ、悪かったな恥ずかしい思いさせちまって」
首を振る真っ赤な夢主の顔色が落ち着くまで待って、原田は話を続けた。
「俺達の心配は要らないぜ、ありがとう、夢主」
原田は頷く夢主にニッと微笑んでから、必死にこちらを見ている沖田に目を向けた。
自分が惚れた女と結ばれた原田は、夢主が結ばれる相手を誰なのかと考え、頬を緩めて沖田を見ていた。
「総司は心底お前に惚れてるみてぇだな」
「……なので……しょうか」
痛いほど知っている沖田の気持ちだが、原田に確認するように言葉を濁した。
原田はフッと苦笑いで首を傾げ、再び離れて座る沖田を見つめた。
「だろうよ?でもよぉ、総司が幾ら親身になってくれようが、お前を想ってくれようが、お前はお前の選んだ男と添い遂げろ。その想いだけは譲らなくていいものだ」
「原田さん……」
夢主を振り返った原田の顔は頼もしく力強くも、例えようもない艶やかな色気を湛えていた。
……これが、愛する人を守っている男の人の……姿なんだ……
吸い込まれそうになって見惚れていると、原田はクッと笑い顔を傾けておどけて見せた。
「愛おしくて堪らない男に抱かれている女ってのは、どうしようもなく可愛いもんだぜ」
「ぇえっ」
またもや真っ赤になってしまった。
原田は「すまんすまん」と謝り、夢主の気を静めようと話を続けた。
「お前は幸せになれる」
「ありがとうございます……原田さんの奥さんこそ本当に幸せだと思います、ふふっ」
「そうか、お前に言われると嬉しいな」
ひたすら顔を赤くしていた夢主が落ち着くと、原田はよしっと頷いた。
縁側では沖田と永倉が、楽しそうに笑う二人の姿を不思議そうに眺め、もどかしそうに戻るのを待っていた。
「ま、たまには総司にも想いを届ける機会を与えてやれよ」
夢主が気まずく頷くと、原田が沖田達のもとへ歩き出したので、慌てて後に続いた。
気付けばいつの間にか茶が運ばれていた。
「よぉ、待たせたな。新八、もう行こうぜ!」
そう言うと湯呑みを手に取り、まだ湯気の見えるお茶を一気に流し込んだ。
「行くのか?俺はいいが」
「あぁ。またゆっくり来ようぜ」
「そうですか……」
「総司、夢主を頼んだぜ。夢主、また屯所でな!」
何を話していたか分からない沖田だが素直に了承して、夢主と共に二人を送り出した。