80.静かな部屋
夢主名前設定
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夢主の足で、現在の屯所である西本願寺から壬生の辺りまで四判刻も掛からない。
男達は夢主に合わせ、普段よりのんびりと足を進めた。
「原田さん達は前川さんのお宅や八木さんのお家にお顔出したりするんですか」
「そうだなぁ、俺達はあまり行かねぇかなぁ」
「島原に向かっちまうからな」
「大事な方が出来ても変わらないんですね」
素直な疑問に原田と永倉はハハッと笑った。
夢主の中で島原と結びついているものが自分達と違うようだと、困った顔を見せる。
「酒を呑みに行くだけだぜ」
「そういうことさ」
「ふふっ、そうなんですね」
嘘ではなさそうな誠実な二人の笑顔、夢主もにこりと笑った。
「総司は相変わらず華やかな場所には行かねぇんだな」
「だって僕はそういう場は苦手ですから。それにお金がもったい無いじゃありませんか」
「総司が銭の話するなんてよ!」
沖田から飛び出した言葉に原田と永倉は大袈裟に驚いた。
武士はそもそも金の話を嫌ううえ、物事に無頓着に見える沖田が金について考えているとは。
「僕だって色々と考えているんですよ」
「ほぉ~……総司がなぁ」
「悪いですか」
「いやぁ、いいじゃねぇか!俺もようやく所帯を持てたしよ。お前も頑張れよ」
ぐっと沖田の肩に腕を回し顔を寄せると原田は耳元で応援した。
蓄財の目的は婚姻ではないのだが、ほのめかされて顔が緩んだ。
「ははっ……手強い敵が居ますからねぇ……」
「えっ敵っ?!どこですかっ」
励まされた沖田はちらりと夢主を見て溜息を吐いた。
その呟きに慌てて辺りを見回す夢主を原田と永倉は大きな声で笑った。
「大丈夫だよ嬢ちゃんっ!」
「あぁそうじゃねぇよ」
「えっ……大丈夫なんですか、それなら良かった……」
胸を撫で下ろして首を振るのを止めると、沖田が苦笑している姿が目に留まる。
「沖田さん?」
「はははっ、何でもありませんよ!さぁもうすぐですね、この道も懐かしいなぁ……」
あまり歩かなくなった道に、夢主以外の三人の顔にも懐かしむ気持ちが浮かんでいた。
男達は夢主に合わせ、普段よりのんびりと足を進めた。
「原田さん達は前川さんのお宅や八木さんのお家にお顔出したりするんですか」
「そうだなぁ、俺達はあまり行かねぇかなぁ」
「島原に向かっちまうからな」
「大事な方が出来ても変わらないんですね」
素直な疑問に原田と永倉はハハッと笑った。
夢主の中で島原と結びついているものが自分達と違うようだと、困った顔を見せる。
「酒を呑みに行くだけだぜ」
「そういうことさ」
「ふふっ、そうなんですね」
嘘ではなさそうな誠実な二人の笑顔、夢主もにこりと笑った。
「総司は相変わらず華やかな場所には行かねぇんだな」
「だって僕はそういう場は苦手ですから。それにお金がもったい無いじゃありませんか」
「総司が銭の話するなんてよ!」
沖田から飛び出した言葉に原田と永倉は大袈裟に驚いた。
武士はそもそも金の話を嫌ううえ、物事に無頓着に見える沖田が金について考えているとは。
「僕だって色々と考えているんですよ」
「ほぉ~……総司がなぁ」
「悪いですか」
「いやぁ、いいじゃねぇか!俺もようやく所帯を持てたしよ。お前も頑張れよ」
ぐっと沖田の肩に腕を回し顔を寄せると原田は耳元で応援した。
蓄財の目的は婚姻ではないのだが、ほのめかされて顔が緩んだ。
「ははっ……手強い敵が居ますからねぇ……」
「えっ敵っ?!どこですかっ」
励まされた沖田はちらりと夢主を見て溜息を吐いた。
その呟きに慌てて辺りを見回す夢主を原田と永倉は大きな声で笑った。
「大丈夫だよ嬢ちゃんっ!」
「あぁそうじゃねぇよ」
「えっ……大丈夫なんですか、それなら良かった……」
胸を撫で下ろして首を振るのを止めると、沖田が苦笑している姿が目に留まる。
「沖田さん?」
「はははっ、何でもありませんよ!さぁもうすぐですね、この道も懐かしいなぁ……」
あまり歩かなくなった道に、夢主以外の三人の顔にも懐かしむ気持ちが浮かんでいた。