77.俺の初めてをくれてやる
夢主名前設定
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暫く庭と言うべきか境内というべきか、広い敷地を眺めていると土方が戻ってきた。
夢主と沖田を引き連れている。戻った二人を案内していた。
「おぉ斎藤、片付け終わったのか。やはり早いな」
「いえ、荷物自体、多くありませんから」
「そうか、ほら総司!お前は斎藤の部屋の隣だ。荷物は運び入れてあるからお前も早く片付けろ」
「分かりました、ありがとうございます」
斎藤の隣とは都合が良いと沖田はニコニコ頷いた。
だが部屋に入るなり、斎藤同様に以前より一畳半は狭くなった空間に気付き、遠慮なく不満の声を上げた。
「ちょっと土方さん!なんで狭くなってるんですかー!屯所は広くなったんでしょう、広くしろとは言いませんけど、これじゃあなんだか息苦しいなぁ」
「まぁ、お前ら夢主の為に少し我慢してやれよ」
「えっ、夢主ちゃんの為にですか」
「土方さん、そろそろ教えてもらえますか」
「おぅよ、なかなか上手いと思うんだがな」
そう言いながら斎藤の部屋に踏み入った土方、沖田の部屋へ通じる部屋境の襖を開いて見せた。
「あっ……」
現れた空間に三人揃い短い声を上げた。
「どうだ、上手いだろ」
「わぁ……土方さん、ここは」
「あぁ、お前の部屋だ」
「成る程、外から見れば俺と沖田君の部屋が並んでいるように見えるが、実の所、間に夢主の部屋があると言う訳か」
外から見る限り部屋の仕切りの柱は一つ、だが中は絶妙な具合で三つの空間に区切られていた。
夢主の部屋と呼べる空間は斎藤と沖田のものに比べれば狭く、布団を引く程度の広さしかない。
「夢主の部屋に通じる部分の障子は外からは開かない。門落としみてぇな木棒をつけてあるから、そいつを抜けば中からは出られるって訳だ。出る時に外してもいいし、今まで通り出入りは斎藤の部屋からってのもいい」
「私のお部屋……ありがとうございます、土方さん!」
「いいってことよ。これで着替えの気遣いは無用だろう。それに寝る時も襖を閉めておけば気にならねぇだろう。開けたたままがいいなら衝立も用意してやるよ」
土方の気遣いを夢主は素直に喜んだ。
衝立をどうするか、咄嗟に答えは出なかった。
部屋を繋げておきたいのが本音だが、部屋があるのにわざわざ開け放しておくのもおかしいだろうかと言い出し難い。
「これなら寺から文句が出ても言い訳が出来るし、それにこれで……」
声を潜めると斎藤と沖田の肩を引き寄せ、土方は悪戯な顔で夢主を見ながら囁いた。
その声が届かない夢主は目を瞬きながら見ているしかない。
「夜這い出来るのはお前ら二人しかいねぇってことになるぜ」
「フッ、土方さん」
「なっ、何を言うんですかっ!」
赤い顔で怒る沖田と愉快そうににやける斎藤、そして笑いを噛み殺している土方を、夢主は首を傾げて眺めていた。
「まぁ衝立は運んでやるよ。日中閉めっぱなしじゃ流石に狭苦しいだろう」
「じゃぁ僕の部屋に運んでください、僕の部屋と繋げましょう!」
「阿呆ぅ、今までと同じがこいつも一番落ち着くだろうよ」
「えぇっ、でも斎藤さん前科があるからなぁ」
斎藤も土方も咄嗟に沖田に顔を向けた。
今更蒸し返してやるなと土方も苦い顔をしている。
夢主と沖田を引き連れている。戻った二人を案内していた。
「おぉ斎藤、片付け終わったのか。やはり早いな」
「いえ、荷物自体、多くありませんから」
「そうか、ほら総司!お前は斎藤の部屋の隣だ。荷物は運び入れてあるからお前も早く片付けろ」
「分かりました、ありがとうございます」
斎藤の隣とは都合が良いと沖田はニコニコ頷いた。
だが部屋に入るなり、斎藤同様に以前より一畳半は狭くなった空間に気付き、遠慮なく不満の声を上げた。
「ちょっと土方さん!なんで狭くなってるんですかー!屯所は広くなったんでしょう、広くしろとは言いませんけど、これじゃあなんだか息苦しいなぁ」
「まぁ、お前ら夢主の為に少し我慢してやれよ」
「えっ、夢主ちゃんの為にですか」
「土方さん、そろそろ教えてもらえますか」
「おぅよ、なかなか上手いと思うんだがな」
そう言いながら斎藤の部屋に踏み入った土方、沖田の部屋へ通じる部屋境の襖を開いて見せた。
「あっ……」
現れた空間に三人揃い短い声を上げた。
「どうだ、上手いだろ」
「わぁ……土方さん、ここは」
「あぁ、お前の部屋だ」
「成る程、外から見れば俺と沖田君の部屋が並んでいるように見えるが、実の所、間に夢主の部屋があると言う訳か」
外から見る限り部屋の仕切りの柱は一つ、だが中は絶妙な具合で三つの空間に区切られていた。
夢主の部屋と呼べる空間は斎藤と沖田のものに比べれば狭く、布団を引く程度の広さしかない。
「夢主の部屋に通じる部分の障子は外からは開かない。門落としみてぇな木棒をつけてあるから、そいつを抜けば中からは出られるって訳だ。出る時に外してもいいし、今まで通り出入りは斎藤の部屋からってのもいい」
「私のお部屋……ありがとうございます、土方さん!」
「いいってことよ。これで着替えの気遣いは無用だろう。それに寝る時も襖を閉めておけば気にならねぇだろう。開けたたままがいいなら衝立も用意してやるよ」
土方の気遣いを夢主は素直に喜んだ。
衝立をどうするか、咄嗟に答えは出なかった。
部屋を繋げておきたいのが本音だが、部屋があるのにわざわざ開け放しておくのもおかしいだろうかと言い出し難い。
「これなら寺から文句が出ても言い訳が出来るし、それにこれで……」
声を潜めると斎藤と沖田の肩を引き寄せ、土方は悪戯な顔で夢主を見ながら囁いた。
その声が届かない夢主は目を瞬きながら見ているしかない。
「夜這い出来るのはお前ら二人しかいねぇってことになるぜ」
「フッ、土方さん」
「なっ、何を言うんですかっ!」
赤い顔で怒る沖田と愉快そうににやける斎藤、そして笑いを噛み殺している土方を、夢主は首を傾げて眺めていた。
「まぁ衝立は運んでやるよ。日中閉めっぱなしじゃ流石に狭苦しいだろう」
「じゃぁ僕の部屋に運んでください、僕の部屋と繋げましょう!」
「阿呆ぅ、今までと同じがこいつも一番落ち着くだろうよ」
「えぇっ、でも斎藤さん前科があるからなぁ」
斎藤も土方も咄嗟に沖田に顔を向けた。
今更蒸し返してやるなと土方も苦い顔をしている。