77.俺の初めてをくれてやる
夢主名前設定
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沖田の行きつけの甘味処に辿り着き、腰を下ろした二人は対照的な表情をしていた。
「夢主ちゃん、折角なんだから素直に甘えて、気持ち切り替えて楽しみましょうよ~ほら、美味しいですよー!!」
「はぃ……お団子は美味しいです……でも、やっぱりなんだか申し訳なくて……」
「斎藤さんも言っていたでしょう、お坊さん達にじろじろ見られるよりいいですから!少し遅れていきましょうっ」
「そんなこと言って、本当は沖田さん引越しのお片付けするのが嫌なんじゃ……大掃除の時も沖田さん嫌がっていましたよねっ」
「うっ、そんなことはっ……」
図星をつかれた沖田は苦笑いを浮かべ、団子を持ったまま、反対の空いた手で頭を掻いた。
「やっぱり……」
「あははっ、それが全てじゃありませんよっ、夢主ちゃんを守る為ですよ」
「本当ですかぁ」
白い目を向ける夢主に沖田はたじたじと困った顔を向ける。
何か良い言い訳は無いか、気を逸せないかと、咄嗟に思い付いた案を口にした。
「どたばたして埃っぽいですし、いっそ湯屋にでも寄って行きませんか」
「湯屋ですか……それは嬉しいですけど……湯屋に行くなら私、行きたい所があります」
「行きたい所、どこでしょう」
沖田は首を傾げた。
「お忘れですか、私が人を探しているの……」
「あぁ!酒屋さんでしたっけ」
本当に失念していた様子で大きく驚いた沖田に、夢主は失笑しながら頷いた。
「もぅ、沖田さんたら」
「あはははっ、すみません!いいですよ、酒屋さん巡りましょう!ただし単独行動ですのであまり遠くへは連れて行けませんから、二、三軒も回れませんがいいですか」
「はぃっ、お願いします」
機嫌を取り直した夢主は、一つだけ食べて止まっていた残りの団子を順に頬張った。
「ふふっ……美味しいですっ」
沖田は幸せそうに食べる笑顔を眺めながら、夢主が信頼の置ける人物とは一体どんな男なのだろうかと考えを巡らせた。
見つけてどうする気なのか、嫌でも気になった。
「ご馳走様でしたーっ!」
沖田が元気に団子屋のおばちゃんに挨拶をすると、待ってましたとばかりに寄って来て背中をバシンと叩く。
見た目ほど華奢ではないが、細い背中がのけ反った。
「あんた、やるじゃないの!ついにあの背の高い人抜きで連れてくるなんて!」
「あっ、斎藤さんのことですか、あはは~いやぁ本当、やっとですねー!」
いつも斎藤と一緒に夢主を連れてくる沖田が、今日は二人きりで訪れた。
団子屋のおばちゃんは気になって仕方がないようだ。
続いて夢主の耳元に顔を寄せてこっそり囁いた。
「あたしゃてっきり、背の高い方だと思っていたんだよ、あたしの読みが外れるとはねぇ、いよいよヤキが回ったかいねぇ」
「えっ、いやっ、その、そんなんじゃないんですよっ!沖田さんと二人で来たのは……」
慌てて弁明する夢主の向かいで、沖田がにこにこと二人の会話が終わるのを待っている。
「それじゃぁなんだね、やっぱりその斎藤さんてお方かね」
「あぁっ、その……もう行かないとっ」
顔を赤くして立ち上がる夢主を、団子屋のおばちゃんは歯を見せて笑った。
「まぁいいわぃ、またおいでよっ!!」
「はぃ、ありがとうございます。お団子とっても美味しかったです」
赤い顔のままお辞儀をし、沖田にお待たせしましたと会釈した。
「何話してたんですか」
「き、聞こえていたんじゃありませんか、沖田さん耳いいでしょう……」
「あぁ~どぅかなーっ、あはははっ」
沖田は誤魔化して笑うと歩き始めた。
「夢主ちゃん、折角なんだから素直に甘えて、気持ち切り替えて楽しみましょうよ~ほら、美味しいですよー!!」
「はぃ……お団子は美味しいです……でも、やっぱりなんだか申し訳なくて……」
「斎藤さんも言っていたでしょう、お坊さん達にじろじろ見られるよりいいですから!少し遅れていきましょうっ」
「そんなこと言って、本当は沖田さん引越しのお片付けするのが嫌なんじゃ……大掃除の時も沖田さん嫌がっていましたよねっ」
「うっ、そんなことはっ……」
図星をつかれた沖田は苦笑いを浮かべ、団子を持ったまま、反対の空いた手で頭を掻いた。
「やっぱり……」
「あははっ、それが全てじゃありませんよっ、夢主ちゃんを守る為ですよ」
「本当ですかぁ」
白い目を向ける夢主に沖田はたじたじと困った顔を向ける。
何か良い言い訳は無いか、気を逸せないかと、咄嗟に思い付いた案を口にした。
「どたばたして埃っぽいですし、いっそ湯屋にでも寄って行きませんか」
「湯屋ですか……それは嬉しいですけど……湯屋に行くなら私、行きたい所があります」
「行きたい所、どこでしょう」
沖田は首を傾げた。
「お忘れですか、私が人を探しているの……」
「あぁ!酒屋さんでしたっけ」
本当に失念していた様子で大きく驚いた沖田に、夢主は失笑しながら頷いた。
「もぅ、沖田さんたら」
「あはははっ、すみません!いいですよ、酒屋さん巡りましょう!ただし単独行動ですのであまり遠くへは連れて行けませんから、二、三軒も回れませんがいいですか」
「はぃっ、お願いします」
機嫌を取り直した夢主は、一つだけ食べて止まっていた残りの団子を順に頬張った。
「ふふっ……美味しいですっ」
沖田は幸せそうに食べる笑顔を眺めながら、夢主が信頼の置ける人物とは一体どんな男なのだろうかと考えを巡らせた。
見つけてどうする気なのか、嫌でも気になった。
「ご馳走様でしたーっ!」
沖田が元気に団子屋のおばちゃんに挨拶をすると、待ってましたとばかりに寄って来て背中をバシンと叩く。
見た目ほど華奢ではないが、細い背中がのけ反った。
「あんた、やるじゃないの!ついにあの背の高い人抜きで連れてくるなんて!」
「あっ、斎藤さんのことですか、あはは~いやぁ本当、やっとですねー!」
いつも斎藤と一緒に夢主を連れてくる沖田が、今日は二人きりで訪れた。
団子屋のおばちゃんは気になって仕方がないようだ。
続いて夢主の耳元に顔を寄せてこっそり囁いた。
「あたしゃてっきり、背の高い方だと思っていたんだよ、あたしの読みが外れるとはねぇ、いよいよヤキが回ったかいねぇ」
「えっ、いやっ、その、そんなんじゃないんですよっ!沖田さんと二人で来たのは……」
慌てて弁明する夢主の向かいで、沖田がにこにこと二人の会話が終わるのを待っている。
「それじゃぁなんだね、やっぱりその斎藤さんてお方かね」
「あぁっ、その……もう行かないとっ」
顔を赤くして立ち上がる夢主を、団子屋のおばちゃんは歯を見せて笑った。
「まぁいいわぃ、またおいでよっ!!」
「はぃ、ありがとうございます。お団子とっても美味しかったです」
赤い顔のままお辞儀をし、沖田にお待たせしましたと会釈した。
「何話してたんですか」
「き、聞こえていたんじゃありませんか、沖田さん耳いいでしょう……」
「あぁ~どぅかなーっ、あはははっ」
沖田は誤魔化して笑うと歩き始めた。