76.露見
夢主名前設定
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休息所に上がり込むと、途中で手に入れた酒肴を広げた。
酒と盃も揃っている。
「聞きましたよ斎藤さん、抜刀斎と遭遇したそうですね、是非詳しく聞かせてくださいよ」
「あぁ、聞いたか」
「えぇもちろん。せっかく賭けに勝ったのに無駄になっちゃいましたね、僕がいない時に出くわすなんて。あははっ」
「フン、ならば次に鉢合わせた時に譲ってもらおうか」
「嫌ですよー!だってあれはもし僕と斎藤さんの隊が一緒に巡察中に最初に遭遇したら~の話でしょう」
「そうだったか」
「そうですよー!最初の遭遇を済ませちゃったんですから、もう賭けの結果は無しですね!」
それから斎藤は愉しむように緋村抜刀斎との夜を語った。
闘いの始まり、抜刀の疾さから体のしなやかさ、読みの速さ、反応速度の素晴らしさ。
惜しみもせず一太刀ずつ、どう動いたらどう返ってきたか、刃を重ねた時の感触、押し合いの力の具合、思い出せる限り一挙手一投足漏らさず話した。
「うぅーん興味深い!是非是非お手合わせ願いたいですね!斎藤さん羨ましいなー!!」
「フン、悪いがあいつの首を取るのは俺だぜ」
「随分な自信ですね、貴方が仕留めてしまうのは困りますが、力みすぎて殺られちゃわないで下さいよ」
「やられるかよ」
「はははっ、やっぱり自信家だ。夢主ちゃんは緋村さんのこと何か話していましたか」
「あいつか……抜刀斎の話は……していないな」
「してないんですか、だったら一緒に連れて来てお話聞けば良かったですね~~!」
「聞く必要はない、実際に戦ってこそ面白いってもんだ」
「そうですけど、夢主ちゃんが聞いたら面白い話かもしれないですよ」
「面白くないだろう、心配させるだけだ」
「そっかぁ……」
「夢主と酒が呑みたいだけじゃないのか」
「まぁね、だって可愛いもの、お酒の入った夢主ちゃん」
「フン……」
小さく笑うと視線を遠くに投げた斎藤、沖田は「おや」と首を傾げた。
「どうかしましたか」
「いや……君に一つ伝えねばならんことが」
「……なんでしょう、変に改まって。何か嫌なお話ですか」
「そうだな、言っておくが君と喧嘩はしたくない」
「喧嘩って、」
そう言われては思いつくのは夢主のことしかないではないか。
苦い顔を見せる沖田、盃の酒を全て喉の奥に流し込んだ。
「どうぞ」
「っ……」
据わった目で言われ、斎藤は思わず口元を拭い、参ったな……と顔にした。
酒と盃も揃っている。
「聞きましたよ斎藤さん、抜刀斎と遭遇したそうですね、是非詳しく聞かせてくださいよ」
「あぁ、聞いたか」
「えぇもちろん。せっかく賭けに勝ったのに無駄になっちゃいましたね、僕がいない時に出くわすなんて。あははっ」
「フン、ならば次に鉢合わせた時に譲ってもらおうか」
「嫌ですよー!だってあれはもし僕と斎藤さんの隊が一緒に巡察中に最初に遭遇したら~の話でしょう」
「そうだったか」
「そうですよー!最初の遭遇を済ませちゃったんですから、もう賭けの結果は無しですね!」
それから斎藤は愉しむように緋村抜刀斎との夜を語った。
闘いの始まり、抜刀の疾さから体のしなやかさ、読みの速さ、反応速度の素晴らしさ。
惜しみもせず一太刀ずつ、どう動いたらどう返ってきたか、刃を重ねた時の感触、押し合いの力の具合、思い出せる限り一挙手一投足漏らさず話した。
「うぅーん興味深い!是非是非お手合わせ願いたいですね!斎藤さん羨ましいなー!!」
「フン、悪いがあいつの首を取るのは俺だぜ」
「随分な自信ですね、貴方が仕留めてしまうのは困りますが、力みすぎて殺られちゃわないで下さいよ」
「やられるかよ」
「はははっ、やっぱり自信家だ。夢主ちゃんは緋村さんのこと何か話していましたか」
「あいつか……抜刀斎の話は……していないな」
「してないんですか、だったら一緒に連れて来てお話聞けば良かったですね~~!」
「聞く必要はない、実際に戦ってこそ面白いってもんだ」
「そうですけど、夢主ちゃんが聞いたら面白い話かもしれないですよ」
「面白くないだろう、心配させるだけだ」
「そっかぁ……」
「夢主と酒が呑みたいだけじゃないのか」
「まぁね、だって可愛いもの、お酒の入った夢主ちゃん」
「フン……」
小さく笑うと視線を遠くに投げた斎藤、沖田は「おや」と首を傾げた。
「どうかしましたか」
「いや……君に一つ伝えねばならんことが」
「……なんでしょう、変に改まって。何か嫌なお話ですか」
「そうだな、言っておくが君と喧嘩はしたくない」
「喧嘩って、」
そう言われては思いつくのは夢主のことしかないではないか。
苦い顔を見せる沖田、盃の酒を全て喉の奥に流し込んだ。
「どうぞ」
「っ……」
据わった目で言われ、斎藤は思わず口元を拭い、参ったな……と顔にした。