73.籤吉凶
夢主名前設定
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先回りしていた沖田に促されて部屋に入ると、すぐに原田達が荷物を持ってやって来た。
「夢主ちゃん、ゆっくり休んでくださいね、大吉引いて風邪なんてついてなかったですね」
「えへっ……本当に……」
「きっとすぐに良くなりますよ!」
「布団、真ん中に敷くぜ」
「着替えはここ……っと。手拭いも置いておくぞ。あとは鉄之助に頼めよ、あいつは気が利くからな、面倒見てくれるだろうよ」
「すみません、ゎ」
「どれ……あぁ熱っぽいな」
最後の確認とばかりにおでこをくっつけて熱を見る原田。恥ずかしさで顔がどんどん熱くなっていく。
原田は確かめ終えると顔を離し、頭をぽんぽんとした。
「また様子見に来るからな、大人しく寝てろよ」
「はぃ」
夢主が布団に入ろうとしていると、部屋の入り口から元気な若い声が響き渡った。
「さぁ、先生方、お部屋から出てくださいっ!私は土方先生の言いつけを守りますよ!」
小さな体で大きな男達に堂々と言ってのけた鉄之助の手には、夢主の朝ご飯が用意されていた。
「夢主さん、食べられますか……」
「はい」
急に変わって小さな声で訊ねる鉄之助にくすくすと笑いながら頷いた。
心から心配しているのだ。
「夢主、寒くは無いか」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます……」
最後まで夢主を気に掛けつつ、斎藤達は部屋を出て行った。
「やれやれ……大吉もあてにならんな」
「えー夢主ちゃんの大吉は本当ですよ!」
「ほぉ、では何が違うのかな」
「うっ……」
「大凶か……実際、引いたという話を聞いたことが無いな」
「あはは~面白いと思ったんですけど……本当は凶です、凶」
「ほぅ」
「……凶って言うのはね……僕の御神籤なんですよ」
「ほぉぅ」
興味深げに改めて沖田を見る斎藤。
嘘をついたということは、それほど気にしているのか。
「だって、斎藤さんは勝手に占われるのとか嫌いでしょう、だからしてないんです。良かったですねー斎藤さん!今年の運勢は不明です!」
「あぁ、それで構わん」
「あはははっ!いや~参っちゃうよ、だって大事なものを失うってさ……洒落になりませんよね」
「たかが籤だろう」
「ですよね……」
沖田はにこにこ歩くが、気掛かりを表情に出していた。
斎藤は自らの籤ではないと分った途端、慰めに回った。
無意識なのだが、しょげた沖田を見たくなかった。
「夢主ちゃん、ゆっくり休んでくださいね、大吉引いて風邪なんてついてなかったですね」
「えへっ……本当に……」
「きっとすぐに良くなりますよ!」
「布団、真ん中に敷くぜ」
「着替えはここ……っと。手拭いも置いておくぞ。あとは鉄之助に頼めよ、あいつは気が利くからな、面倒見てくれるだろうよ」
「すみません、ゎ」
「どれ……あぁ熱っぽいな」
最後の確認とばかりにおでこをくっつけて熱を見る原田。恥ずかしさで顔がどんどん熱くなっていく。
原田は確かめ終えると顔を離し、頭をぽんぽんとした。
「また様子見に来るからな、大人しく寝てろよ」
「はぃ」
夢主が布団に入ろうとしていると、部屋の入り口から元気な若い声が響き渡った。
「さぁ、先生方、お部屋から出てくださいっ!私は土方先生の言いつけを守りますよ!」
小さな体で大きな男達に堂々と言ってのけた鉄之助の手には、夢主の朝ご飯が用意されていた。
「夢主さん、食べられますか……」
「はい」
急に変わって小さな声で訊ねる鉄之助にくすくすと笑いながら頷いた。
心から心配しているのだ。
「夢主、寒くは無いか」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます……」
最後まで夢主を気に掛けつつ、斎藤達は部屋を出て行った。
「やれやれ……大吉もあてにならんな」
「えー夢主ちゃんの大吉は本当ですよ!」
「ほぉ、では何が違うのかな」
「うっ……」
「大凶か……実際、引いたという話を聞いたことが無いな」
「あはは~面白いと思ったんですけど……本当は凶です、凶」
「ほぅ」
「……凶って言うのはね……僕の御神籤なんですよ」
「ほぉぅ」
興味深げに改めて沖田を見る斎藤。
嘘をついたということは、それほど気にしているのか。
「だって、斎藤さんは勝手に占われるのとか嫌いでしょう、だからしてないんです。良かったですねー斎藤さん!今年の運勢は不明です!」
「あぁ、それで構わん」
「あはははっ!いや~参っちゃうよ、だって大事なものを失うってさ……洒落になりませんよね」
「たかが籤だろう」
「ですよね……」
沖田はにこにこ歩くが、気掛かりを表情に出していた。
斎藤は自らの籤ではないと分った途端、慰めに回った。
無意識なのだが、しょげた沖田を見たくなかった。