73.籤吉凶
夢主名前設定
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がやがやと騒がしく夢主を寝かせる為に部屋を整えていると、騒々しさに引かれ土方が顔を出した。
「おい、新年早々何騒いでやがる」
「土方さん」
目が合うなり夢主の変化に気付いた土方は、静かに部屋の中に分け入った。
一直線に夢主のもとへ進み、そっと額に触れる。
いつでも一目で女の変化に気付くのかこの人は……男達は半ば呆れた目で土方を見つめた。
「熱か……目も充血してるぜ。参ったな」
「風邪じゃぁ……ひっ」
俄かに抵抗して見せるが土方にきつく見据えられ言葉を飲み込んだ。
「じゃぁ何だ、男が欲しくて体が火照ってんのか、違うだろう。じゃあ熱だろうよ。おい」
文句が言えないよう夢主を揶揄うように戒め、立ち上がると部屋にいる面々を見回して指示を始めた。
「総司、お前の部屋を貸してやれ、お前は斎藤の部屋に。斎藤、夢主が落ち着くまで総司の部屋で療養させる、いいな。原田と永倉は布団と着替えだ」
「はっ……はぁあああっ?!ちょっと土方さん!部屋を貸すのは大歓迎ですけど何で僕がこの部屋にっ」
「こっちの台詞だ」
食ってかかる二人だが、落ち着いた冷たい視線で土方は続けた。
「お前らに風邪がうつったら困る。それだけだ。世話は鉄にでも頼む……移動が終わったらお前ら、治るまでそっとしておけよ。夢主……」
「はぃ」
「早く治せよ」
土方に優しく言われ、夢主は目を丸くして頷いた。
「やれやれ、嬢ちゃん正月早々風邪とはよ」
「あぁ、ついてないよな」
沖田は斎藤の部屋で過ごすなんて。
むすっとしながらも部屋の片付けに向かい、原田達は布団を運ぼうと動き出した。
「ふらついていたのは気のせいじゃなかったな、すまん。外は寒かったか」
年末詣出の外出、随分と長い時間つき合わせてしまった。
斎藤は最後にもう一度と夢主の熱を確認した。
「上がっているな……ゆっくり休め」
短い時間に上がった熱、動けなくなる前に早く横になれと促した。
「沖田君の部屋まで付き添う」
「大丈夫ですよ……」
「ふっ、運んで欲しいか」
「いえっ!」
熱を帯びた顔が益々赤くなるのを見て、斎藤はしまったと揶揄った自分を責めた。
「行くぞ」
斎藤はそっと背中を押し、寝巻姿のままの夢主を連れ出した。
並んで歩くと、心なしか荒い息遣いが伝わってくる。
「おい、新年早々何騒いでやがる」
「土方さん」
目が合うなり夢主の変化に気付いた土方は、静かに部屋の中に分け入った。
一直線に夢主のもとへ進み、そっと額に触れる。
いつでも一目で女の変化に気付くのかこの人は……男達は半ば呆れた目で土方を見つめた。
「熱か……目も充血してるぜ。参ったな」
「風邪じゃぁ……ひっ」
俄かに抵抗して見せるが土方にきつく見据えられ言葉を飲み込んだ。
「じゃぁ何だ、男が欲しくて体が火照ってんのか、違うだろう。じゃあ熱だろうよ。おい」
文句が言えないよう夢主を揶揄うように戒め、立ち上がると部屋にいる面々を見回して指示を始めた。
「総司、お前の部屋を貸してやれ、お前は斎藤の部屋に。斎藤、夢主が落ち着くまで総司の部屋で療養させる、いいな。原田と永倉は布団と着替えだ」
「はっ……はぁあああっ?!ちょっと土方さん!部屋を貸すのは大歓迎ですけど何で僕がこの部屋にっ」
「こっちの台詞だ」
食ってかかる二人だが、落ち着いた冷たい視線で土方は続けた。
「お前らに風邪がうつったら困る。それだけだ。世話は鉄にでも頼む……移動が終わったらお前ら、治るまでそっとしておけよ。夢主……」
「はぃ」
「早く治せよ」
土方に優しく言われ、夢主は目を丸くして頷いた。
「やれやれ、嬢ちゃん正月早々風邪とはよ」
「あぁ、ついてないよな」
沖田は斎藤の部屋で過ごすなんて。
むすっとしながらも部屋の片付けに向かい、原田達は布団を運ぼうと動き出した。
「ふらついていたのは気のせいじゃなかったな、すまん。外は寒かったか」
年末詣出の外出、随分と長い時間つき合わせてしまった。
斎藤は最後にもう一度と夢主の熱を確認した。
「上がっているな……ゆっくり休め」
短い時間に上がった熱、動けなくなる前に早く横になれと促した。
「沖田君の部屋まで付き添う」
「大丈夫ですよ……」
「ふっ、運んで欲しいか」
「いえっ!」
熱を帯びた顔が益々赤くなるのを見て、斎藤はしまったと揶揄った自分を責めた。
「行くぞ」
斎藤はそっと背中を押し、寝巻姿のままの夢主を連れ出した。
並んで歩くと、心なしか荒い息遣いが伝わってくる。