8.若狼
夢主名前設定
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「最初は気を失っていたからな、仕方ないかもしれんが。二度目は流石に覚えているだろう」
「ぁ……」
夢主の体が楽になるよう布団に降ろしながら、斎藤は少しだけ気まずそうな顔をした。
体を調べられた後の事だ。客間まで抱えられた。
土方、永倉との出来事が大きく心を占め、斎藤の仕打ちを忘れていた。
取り調べ、立場上は不可避だった行為。
しかし確かに辱めと言える弄りを受けた。
「ぁ……ぁああっ」
思い出した途端に夢主は急に顔から火が出たように真っ赤になり、体を縮こまらせた。
受けた扱いを体が勝手に思い出し、疼き始めるのを感じる。
「ぁあれは……だって、さ、斎藤さん!」
「俺はてっきりお前に恨まれていると思っていたんだがな。何やら様子が違うので、こうして話してはいるが……」
斎藤は観察するように夢主を見た。
「まさか、本当に忘れていたのか……」
流石の斎藤も苦笑いだ。
穴があったら入りたいとは今の状況だろう、夢主は必死に顔を隠して俯いた。
体の熱も誤魔化そうと着物の中で太腿をきつく閉じていた。
「フン、まぁいい。ちょっと盆を片付けて来るから休んでろ」
そう言うと斎藤はそそくさと立ち去ってしまった。
澄ました顔をしていても、気まずさを抱えていた。
夢主は忘れていた自分が情けなく、思い出してしまうと今度は恥ずかしさで体中が熱くなってしまった。
「……もぅ、斎藤さんの馬鹿ぁ」
忘れていてくれたら良かったのにと、太腿を擦り合わせながら八つ当たり染みた言葉を呟いた。
暫くして戻った斎藤は、さっぱりと何事もなかったような顔付きに戻っている。
夢主は姿勢を正して待っていた。
抜けていた腰は落ち着きを取り戻り、おかしな熱も消えていた。
斎藤は部屋に入るが座らず夢主を見据えた。
鋭い眼差しで背丈ある男に無言で見下ろされるとそれだけで威圧感を感じる。
「あの……斎藤さん、先程のお話……正直忘れてました。だって土方さんと永倉さんの事が大きくて……斎藤さん、お気遣いくださったから」
夢主は半分不貞腐れもじもじと俯いていたが、斎藤の様子を窺おうとそっと顔を上げた。
感情を抑えて細かい瞬きを繰り返す夢主の目は、意思とは関係なく上目に見える。
恥ずかしさで染まり、少し悔しくて膨れた頬には今にも涙が流れそうだった。
黙って見下ろしていた斎藤が静かに一つ、短い溜息を吐いた。
「お前は、隙だらけだな」
「ぁ……」
夢主の体が楽になるよう布団に降ろしながら、斎藤は少しだけ気まずそうな顔をした。
体を調べられた後の事だ。客間まで抱えられた。
土方、永倉との出来事が大きく心を占め、斎藤の仕打ちを忘れていた。
取り調べ、立場上は不可避だった行為。
しかし確かに辱めと言える弄りを受けた。
「ぁ……ぁああっ」
思い出した途端に夢主は急に顔から火が出たように真っ赤になり、体を縮こまらせた。
受けた扱いを体が勝手に思い出し、疼き始めるのを感じる。
「ぁあれは……だって、さ、斎藤さん!」
「俺はてっきりお前に恨まれていると思っていたんだがな。何やら様子が違うので、こうして話してはいるが……」
斎藤は観察するように夢主を見た。
「まさか、本当に忘れていたのか……」
流石の斎藤も苦笑いだ。
穴があったら入りたいとは今の状況だろう、夢主は必死に顔を隠して俯いた。
体の熱も誤魔化そうと着物の中で太腿をきつく閉じていた。
「フン、まぁいい。ちょっと盆を片付けて来るから休んでろ」
そう言うと斎藤はそそくさと立ち去ってしまった。
澄ました顔をしていても、気まずさを抱えていた。
夢主は忘れていた自分が情けなく、思い出してしまうと今度は恥ずかしさで体中が熱くなってしまった。
「……もぅ、斎藤さんの馬鹿ぁ」
忘れていてくれたら良かったのにと、太腿を擦り合わせながら八つ当たり染みた言葉を呟いた。
暫くして戻った斎藤は、さっぱりと何事もなかったような顔付きに戻っている。
夢主は姿勢を正して待っていた。
抜けていた腰は落ち着きを取り戻り、おかしな熱も消えていた。
斎藤は部屋に入るが座らず夢主を見据えた。
鋭い眼差しで背丈ある男に無言で見下ろされるとそれだけで威圧感を感じる。
「あの……斎藤さん、先程のお話……正直忘れてました。だって土方さんと永倉さんの事が大きくて……斎藤さん、お気遣いくださったから」
夢主は半分不貞腐れもじもじと俯いていたが、斎藤の様子を窺おうとそっと顔を上げた。
感情を抑えて細かい瞬きを繰り返す夢主の目は、意思とは関係なく上目に見える。
恥ずかしさで染まり、少し悔しくて膨れた頬には今にも涙が流れそうだった。
黙って見下ろしていた斎藤が静かに一つ、短い溜息を吐いた。
「お前は、隙だらけだな」