8.若狼
夢主名前設定
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斎藤は夢主が食べ終えるのを待ち、両の肩を軽く掴んで体の向きを変えて姿勢を整えさせた。
「真っ直ぐ座って俺に向け。しっかり気を持てよ」
「……はぃ」
夢主は何が起こるのか分からぬまま指示に従った。
居住まいを正され、体を真っ直ぐ斎藤に向け、自分に向けられる視線を見つめ返す。
そして斎藤は小さく息を吸い、短く気を吐いた。
「ハッ!」
「ぁ……」
瞬間、夢主は体が固まり、鳥肌が全身を駆け巡った。
冷たい夜の空気に全身が支配されるような不思議な感覚。
驚いて瞬きをしようとするが、瞼がふるふるとするだけで動かない。
「大丈夫か」
「は、はぃ……」
ぞわり、背中から首筋にかけて走る何かを感じた。
しかし体はすぐに解れ、瞼も動く事を許してくれた。
「軽くしたつもりなんだが……すまなかったな」
「ぃえ……」
……これが……斎藤さんの剣気………
夢主は仄かに上気した。
体を穿つように駆け抜けた感覚は、痺れのような刺激を残していた。
「ぁ……腰が……」
動けるようにはなったが軽く腰が抜けてしまっていた。
これには斎藤も驚いた。
「本当に……ごめんなさい……」
斎藤が軽く試した剣気で腰が抜けてしまうとは、あまりにも情けない。
「すみません、すぐ元に戻ると思います……」
それから間もなく、照れながら謝罪を繰り返す夢主は斎藤に抱えられていた。
部屋前なのが幸いだ。
「やれやれだな、全く。お前を運ぶのはこれで何度目だ……」
「え」
「お前、まさか綺麗さっぱり忘れているのか。なかなかお目出度い奴だな」
記憶にない夢主が首を傾げると、斎藤は呆れながら言った。
「真っ直ぐ座って俺に向け。しっかり気を持てよ」
「……はぃ」
夢主は何が起こるのか分からぬまま指示に従った。
居住まいを正され、体を真っ直ぐ斎藤に向け、自分に向けられる視線を見つめ返す。
そして斎藤は小さく息を吸い、短く気を吐いた。
「ハッ!」
「ぁ……」
瞬間、夢主は体が固まり、鳥肌が全身を駆け巡った。
冷たい夜の空気に全身が支配されるような不思議な感覚。
驚いて瞬きをしようとするが、瞼がふるふるとするだけで動かない。
「大丈夫か」
「は、はぃ……」
ぞわり、背中から首筋にかけて走る何かを感じた。
しかし体はすぐに解れ、瞼も動く事を許してくれた。
「軽くしたつもりなんだが……すまなかったな」
「ぃえ……」
……これが……斎藤さんの剣気………
夢主は仄かに上気した。
体を穿つように駆け抜けた感覚は、痺れのような刺激を残していた。
「ぁ……腰が……」
動けるようにはなったが軽く腰が抜けてしまっていた。
これには斎藤も驚いた。
「本当に……ごめんなさい……」
斎藤が軽く試した剣気で腰が抜けてしまうとは、あまりにも情けない。
「すみません、すぐ元に戻ると思います……」
それから間もなく、照れながら謝罪を繰り返す夢主は斎藤に抱えられていた。
部屋前なのが幸いだ。
「やれやれだな、全く。お前を運ぶのはこれで何度目だ……」
「え」
「お前、まさか綺麗さっぱり忘れているのか。なかなかお目出度い奴だな」
記憶にない夢主が首を傾げると、斎藤は呆れながら言った。