68.余儀なき酒席
夢主名前設定
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「私は何か大きな仕事を成すのかしら」
「しごとぉ……そぉれすねぇ、いとぉさんはとぉっても、かしこぉぉい……おかたれすのれ、じぶんのしんせんぐみをぉ、つくっちゃいますよぉ、え?しんせんぐみぃ……あれぇ……」
自分の新選組を作る。
伊東は新選組を割って出て行くのだが、酔った夢主には御陵衛士の名が出てこなかった。
「おぉっ、それは、それは本当なのねっ!あぁ夢主さん、貴女ってとても素敵なお方ねぇ!」
「ぁああっ……あのぉ」
自らが成功すると確信し舞い上がった伊東、背中を擦る手を止めると勢いあまり夢主を後ろから抱きしめた。
「あらら、御免なさいね昂ぶってしまって私ったらつい!ねぇ夢主さん……斎藤さんのお部屋から私のお部屋に移っていらっしゃいよ」
「え……それはぁ……いやれすよぉ……れきません」
体を離した伊東を更に押し離そうとする夢主だが、伊東に触れた手に力は入らず、ただ添えているだけだった。
「私だって強いわよ、ちゃんと守ってあげるわ。それに私なら、淋しい想いはさせないわよ……」
「さみしぃ……」
「えぇそうよ。斎藤さんと貴女、何の進展も無いのでしょう、男と女の。淋しくないの貴女。応えてくれない男なんてそばにいて何が楽しいの、甲斐性なしじゃない」
伊東は微かに顔を歪めて微笑んだ。
後ろから抱きしめたまま夢主の耳元で話している。
くすぐったそうに夢主が肩をすくめる姿を伊東は「可愛らしいじゃない」と見つめた。
夢主は酔っているうえ、自分が仕込み飲ませた物も手伝って記憶は残らないだろう。
そう判断した伊東はひとつ賭けに出た。
夢主が慕う斎藤を貶してみたのだ。
……さぁ、どう出るの。泣くの、怒るの……
「たのしぃ……ですよぉ、ふふっ。そばにいるだけで……それだけで、いいんれす……さいろぉさんには、たいせつなひとがいますから……」
「えっ、斎藤一に……大切な人……知らないわよ、私」
「ふふっ、さいろぉーさんも、しらないれす」
夢主は、にこにこと伊東に微笑み掛けた。
そう、斎藤本人も知らないのだ。誰も知るはずが無い。
伊東は眉間に皺を寄せていた。
「ほんとぉは、いますぐにでも……さいろぉさんに……だきしめられたいれす……ぎゅぅって……してほしぃれすよ……」
夢主は本音を少しずつ漏らし始めた。
「夢主さん……」
……この娘ったら……
伊東は夢主の真剣さを感じ取っていた。
きっと斎藤本人も知らない秘密をもとに、自分の気持ちを抑えている。
そう読み取った伊東はもう一度夢主の体を包み込んだ。
「健気じゃないの」
「いとぉさん……?だめなんれすよ……おんなのひとに、こんなことしちゃぁ……」
「えぇ、知っていますよ。でも貴女……可哀相ね」
「そう……れすか……夢主はかわいそう、なんれすか……」
伊東は黙って頷くと夢主の体をこちらに向け、細い顎に手を掛けた。
「私のものに、お成りなさいよ」
「しごとぉ……そぉれすねぇ、いとぉさんはとぉっても、かしこぉぉい……おかたれすのれ、じぶんのしんせんぐみをぉ、つくっちゃいますよぉ、え?しんせんぐみぃ……あれぇ……」
自分の新選組を作る。
伊東は新選組を割って出て行くのだが、酔った夢主には御陵衛士の名が出てこなかった。
「おぉっ、それは、それは本当なのねっ!あぁ夢主さん、貴女ってとても素敵なお方ねぇ!」
「ぁああっ……あのぉ」
自らが成功すると確信し舞い上がった伊東、背中を擦る手を止めると勢いあまり夢主を後ろから抱きしめた。
「あらら、御免なさいね昂ぶってしまって私ったらつい!ねぇ夢主さん……斎藤さんのお部屋から私のお部屋に移っていらっしゃいよ」
「え……それはぁ……いやれすよぉ……れきません」
体を離した伊東を更に押し離そうとする夢主だが、伊東に触れた手に力は入らず、ただ添えているだけだった。
「私だって強いわよ、ちゃんと守ってあげるわ。それに私なら、淋しい想いはさせないわよ……」
「さみしぃ……」
「えぇそうよ。斎藤さんと貴女、何の進展も無いのでしょう、男と女の。淋しくないの貴女。応えてくれない男なんてそばにいて何が楽しいの、甲斐性なしじゃない」
伊東は微かに顔を歪めて微笑んだ。
後ろから抱きしめたまま夢主の耳元で話している。
くすぐったそうに夢主が肩をすくめる姿を伊東は「可愛らしいじゃない」と見つめた。
夢主は酔っているうえ、自分が仕込み飲ませた物も手伝って記憶は残らないだろう。
そう判断した伊東はひとつ賭けに出た。
夢主が慕う斎藤を貶してみたのだ。
……さぁ、どう出るの。泣くの、怒るの……
「たのしぃ……ですよぉ、ふふっ。そばにいるだけで……それだけで、いいんれす……さいろぉさんには、たいせつなひとがいますから……」
「えっ、斎藤一に……大切な人……知らないわよ、私」
「ふふっ、さいろぉーさんも、しらないれす」
夢主は、にこにこと伊東に微笑み掛けた。
そう、斎藤本人も知らないのだ。誰も知るはずが無い。
伊東は眉間に皺を寄せていた。
「ほんとぉは、いますぐにでも……さいろぉさんに……だきしめられたいれす……ぎゅぅって……してほしぃれすよ……」
夢主は本音を少しずつ漏らし始めた。
「夢主さん……」
……この娘ったら……
伊東は夢主の真剣さを感じ取っていた。
きっと斎藤本人も知らない秘密をもとに、自分の気持ちを抑えている。
そう読み取った伊東はもう一度夢主の体を包み込んだ。
「健気じゃないの」
「いとぉさん……?だめなんれすよ……おんなのひとに、こんなことしちゃぁ……」
「えぇ、知っていますよ。でも貴女……可哀相ね」
「そう……れすか……夢主はかわいそう、なんれすか……」
伊東は黙って頷くと夢主の体をこちらに向け、細い顎に手を掛けた。
「私のものに、お成りなさいよ」