68.余儀なき酒席
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「斎藤さん、ただの世話役ではないのでしょう」
「おせわ……さいろーさんには、ほんとぉ……にぃ、おせわになって……いまふ……」
そう言うと伊東に向かって大きく頭を下げた。
斎藤に頭を下げているつもりなのだ。
「あらあらっ」
「さいろーさん、夢主にもおせわ、させてほしいんれすよぉ……もぉおっ……と」
「そうなのね、でも大変じゃないの、女の身で男の世話なんて。普通は……」
伊東はよろめき始めた夢主の背中を擦り、話を聞いた。
……世話ってやはり夜の世話は入っていないのね、あの人ったら意外と初心なのかしら……まさか、きっと本気なのね……斎藤一、使えるかもしれない……
伊東が短い時間で考えを纏めようとする間も、夢主は続けた。
「いぃんれすよぉ~たいへんれもぉ、もぉっとおやくに……たちたいれす……」
「そう……じゃぁもし、斎藤さんに命の危険が迫っていたら、助ける為なら何でもするのかしら」
「うぅ~~ん……おびょうきならぁ……ぉたすけしますけどぉ……そぉじゃなかったら夢主は、なぁあんにもぉーしませぇん……」
「えっ……どうして、貴女が来れば助けるって言われたらどうするの。貴女の話が貴重な情報なのは知っているのよ」
意外な反応に驚いて、さらりと秘密を知っていると告げた伊東だが、酔った夢主は聞き逃していた。
「うふふふぅ~……らってぇ、夢主がいってもぉ、さいろぉさんのぉあしれまといに……なるらけれすからぁ……いないほぉが、さいろーさんは、ひとりでなんとかしますよぉ……すごぉいんですからぁ……」
「ちょっ……夢主さん、随分と薄情じゃないかしら」
企みと違う答えが返ってきた。
自分がいなくとも斎藤は自力で窮地を脱することが出来る、夢主はそう信じていると伊東は理解した。
「うふふ~いいんれすぅーさいろぉさんつよぉいもぉおん……」
「ッチ……」
伊東は小さく舌打をして夢主から膳に目を移した。
残っていた酒をぐっと一口で流し込むと、再び夢主と向き合った。
……斎藤一を使ってこの娘を手なずけるのが早いのかしら……それとも強引に……
「貴女どこまでご存知なの、私のこと」
「え、いとぉさんのぉ……?どこまでってぇ……えぇっ……とぉ……?」
なかなか言葉が続かない夢主に伊東も苛立っていた。
「そうよ、何か知っているのでしょう!」
「えぇっと……いとぉさんは……おさけがおすきれすかぁ……うぅん……ひじかたさんと、けんかしちゃいますぅ……ぅふふふっ……」
けらけらと楽しげに笑い出す夢主、伊東はそんなこと誰だって分かるわよ!と顔に出した。
「おせわ……さいろーさんには、ほんとぉ……にぃ、おせわになって……いまふ……」
そう言うと伊東に向かって大きく頭を下げた。
斎藤に頭を下げているつもりなのだ。
「あらあらっ」
「さいろーさん、夢主にもおせわ、させてほしいんれすよぉ……もぉおっ……と」
「そうなのね、でも大変じゃないの、女の身で男の世話なんて。普通は……」
伊東はよろめき始めた夢主の背中を擦り、話を聞いた。
……世話ってやはり夜の世話は入っていないのね、あの人ったら意外と初心なのかしら……まさか、きっと本気なのね……斎藤一、使えるかもしれない……
伊東が短い時間で考えを纏めようとする間も、夢主は続けた。
「いぃんれすよぉ~たいへんれもぉ、もぉっとおやくに……たちたいれす……」
「そう……じゃぁもし、斎藤さんに命の危険が迫っていたら、助ける為なら何でもするのかしら」
「うぅ~~ん……おびょうきならぁ……ぉたすけしますけどぉ……そぉじゃなかったら夢主は、なぁあんにもぉーしませぇん……」
「えっ……どうして、貴女が来れば助けるって言われたらどうするの。貴女の話が貴重な情報なのは知っているのよ」
意外な反応に驚いて、さらりと秘密を知っていると告げた伊東だが、酔った夢主は聞き逃していた。
「うふふふぅ~……らってぇ、夢主がいってもぉ、さいろぉさんのぉあしれまといに……なるらけれすからぁ……いないほぉが、さいろーさんは、ひとりでなんとかしますよぉ……すごぉいんですからぁ……」
「ちょっ……夢主さん、随分と薄情じゃないかしら」
企みと違う答えが返ってきた。
自分がいなくとも斎藤は自力で窮地を脱することが出来る、夢主はそう信じていると伊東は理解した。
「うふふ~いいんれすぅーさいろぉさんつよぉいもぉおん……」
「ッチ……」
伊東は小さく舌打をして夢主から膳に目を移した。
残っていた酒をぐっと一口で流し込むと、再び夢主と向き合った。
……斎藤一を使ってこの娘を手なずけるのが早いのかしら……それとも強引に……
「貴女どこまでご存知なの、私のこと」
「え、いとぉさんのぉ……?どこまでってぇ……えぇっ……とぉ……?」
なかなか言葉が続かない夢主に伊東も苛立っていた。
「そうよ、何か知っているのでしょう!」
「えぇっと……いとぉさんは……おさけがおすきれすかぁ……うぅん……ひじかたさんと、けんかしちゃいますぅ……ぅふふふっ……」
けらけらと楽しげに笑い出す夢主、伊東はそんなこと誰だって分かるわよ!と顔に出した。