7.お盆の上の真実(まこと)
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夕暮れ時、巡察に出ていた斎藤と沖田らが帰ってきた。
部屋から覗いた夢主は「あっ」と声を上げた。
男達の姿が浅黄色に染まっていたのだ。
部屋を出て行く際には着ていなかった、見覚えのある揃いのだんだら模様の羽織り。
「本当に着てたんだ!」
遠くから見ているだけで気分が高揚する。
目を引く大きな白い三角の並び。動きに合わせ、はためいて翻る大きな袖と裾。
背の高い斎藤は頭一つ飛び出ており、夢主はすぐに姿を見つけた。
傍には仲良さげにくっついている沖田も見える。綺麗な浅黄色が二人にとても良く似合っていた。
斎藤はだんだらの羽織りを若い隊士に渡して、こちらへやってきた。
「おかえりなさい」
この時が待ち遠しくて仕方なかった。
縫い物は区切りをつけて片付けてある。夢主は頃合いを見計らって、いつでも斎藤を出迎えられるよう支度をしていた。
己の部屋、裁縫道具の傍で微笑む女が帰りを喜んでいる……
出迎えられた斎藤はそんな状況に一瞬固まり、誰にも悟られぬほど微かにはにかんだ。
「ただいま!」
夢主の出迎えに応えたのは沖田だった。
はにかんだ斎藤の後ろからひょっこり現れて笑顔を見せた。
「聞きましたよ、夢主ちゃん!お裁縫、凄いですね!僕のも~……」
「俺の、袴の後だ」
すかさず斎藤が口を挟んだ。
力を込めた短い言葉で順番を主張する姿が何とも可笑しい。
……どうしてこんなに張り合うんだろう、本当に仲がいいんだろうな……
夢主はくすっと笑い、睨み合う二人の縁を密かに納得して頷いた。
「これから沖田さんは……」
「沖田君は用事がある。そうだろう」
沖田も共に行動するのか気になって訊ねると、斎藤の言葉は本当なのか沖田は渋い顔で頷いた。
「うん……なんか最近呼び出しが多くて嫌になっちゃうよ」
本当は皆と一緒にいるのは大好きだ。
だか夢主が絡んでくると事情は変わる。
「明日は僕も斎藤さんも非番だから。一緒に過ごそうよ」
誘うと満足したのか、夢主の答えを待たずに去っていった。
沖田が行った後、夢主は視線を戻して斎藤を見上げた。これからどうすれば良いのだろう。自分から言いだし辛いがお腹が空いている。
……夕御飯って、どこかに出かけるのかな……外に出られないよね、皆のお座敷に行くのかな……
あれこれ考える間に斎藤は部屋の奥で二、三の荷物を置き、袴を外して楽な着流しに変わっていた。
「さて。おい、ついて来い」
「は、はい」
慌てて立ち上がって後に続いた。
歩みの速い斎藤について行く。着物で慣れない足取りながらも懸命に歩いた。
着いたのは幹部の集まる座敷ではなく屯所の勝手元、いわゆる台所だった。
部屋から覗いた夢主は「あっ」と声を上げた。
男達の姿が浅黄色に染まっていたのだ。
部屋を出て行く際には着ていなかった、見覚えのある揃いのだんだら模様の羽織り。
「本当に着てたんだ!」
遠くから見ているだけで気分が高揚する。
目を引く大きな白い三角の並び。動きに合わせ、はためいて翻る大きな袖と裾。
背の高い斎藤は頭一つ飛び出ており、夢主はすぐに姿を見つけた。
傍には仲良さげにくっついている沖田も見える。綺麗な浅黄色が二人にとても良く似合っていた。
斎藤はだんだらの羽織りを若い隊士に渡して、こちらへやってきた。
「おかえりなさい」
この時が待ち遠しくて仕方なかった。
縫い物は区切りをつけて片付けてある。夢主は頃合いを見計らって、いつでも斎藤を出迎えられるよう支度をしていた。
己の部屋、裁縫道具の傍で微笑む女が帰りを喜んでいる……
出迎えられた斎藤はそんな状況に一瞬固まり、誰にも悟られぬほど微かにはにかんだ。
「ただいま!」
夢主の出迎えに応えたのは沖田だった。
はにかんだ斎藤の後ろからひょっこり現れて笑顔を見せた。
「聞きましたよ、夢主ちゃん!お裁縫、凄いですね!僕のも~……」
「俺の、袴の後だ」
すかさず斎藤が口を挟んだ。
力を込めた短い言葉で順番を主張する姿が何とも可笑しい。
……どうしてこんなに張り合うんだろう、本当に仲がいいんだろうな……
夢主はくすっと笑い、睨み合う二人の縁を密かに納得して頷いた。
「これから沖田さんは……」
「沖田君は用事がある。そうだろう」
沖田も共に行動するのか気になって訊ねると、斎藤の言葉は本当なのか沖田は渋い顔で頷いた。
「うん……なんか最近呼び出しが多くて嫌になっちゃうよ」
本当は皆と一緒にいるのは大好きだ。
だか夢主が絡んでくると事情は変わる。
「明日は僕も斎藤さんも非番だから。一緒に過ごそうよ」
誘うと満足したのか、夢主の答えを待たずに去っていった。
沖田が行った後、夢主は視線を戻して斎藤を見上げた。これからどうすれば良いのだろう。自分から言いだし辛いがお腹が空いている。
……夕御飯って、どこかに出かけるのかな……外に出られないよね、皆のお座敷に行くのかな……
あれこれ考える間に斎藤は部屋の奥で二、三の荷物を置き、袴を外して楽な着流しに変わっていた。
「さて。おい、ついて来い」
「は、はい」
慌てて立ち上がって後に続いた。
歩みの速い斎藤について行く。着物で慣れない足取りながらも懸命に歩いた。
着いたのは幹部の集まる座敷ではなく屯所の勝手元、いわゆる台所だった。