58.休息の時
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夢主は勝手元へ行き、寝ている二人の夕餉を断って、皆への給仕を手伝った。
外に出ている者も多い。
座敷と勝手元を往復して、必要な膳の数の確認が必要だった。
途中で出くわした藤堂。
斎藤と沖田が寝ていると知るや珍しいと喜び、部屋を訪ねようと盛り上がるのを必死に止めた。
幸い土方が現れて協力してくれた為、二人の安眠は守られた。
夢主は自らの食事を短く済ませ、部屋へ戻った。
戻ると変わらず眠る二人の男がいる。
「ふふっ……お疲れさまでした。……これからも……」
寝息を立てる斎藤と沖田に囁き、暫く寝顔を見つめた。
これからもずっと、長い戦いの日々が続く。
気が休まる時はどれ程あるのだろうか。
夢主は寝顔を眺めるうち、瞼を閉じた顔に触れたくなり、手が動いていた。
触れては眠りから引き戻してしまう。
小さく我慢をして、寝顔に微笑みかけた。
いつもならば人の目を感じると斎藤はすぐに起きてしまう。
今はただ目を閉じて横たわっている。
屯所の中、自分の目の前でだけでも……安らぎの一時を……
夢主は寝顔を見つめられる幸せな時を噛み締めていた。
「斎藤さん、ずっと見守っています……」
呟くと、これから斎藤の身に起こるだろう出来事に思いを馳せた。
抜刀斎との対峙……今の斎藤がきっと一番望むもの。
それから伊東甲子太郎が加入して、御陵衛士への同行……鳥羽伏見での戦い。
会津への転戦……出逢い……別れ……そして敗北と新時代。
斎藤はどんな思いで乗り越えていくのだろう。
夢主は全てを打ち明けたい気持ちで一杯だった。
「私は……夢主は斎藤さんの全てを……受け入れますから、どうか生きてください……」
それから沖田に視線を移す。
病が気に掛かる。やはり行く末を心配してしまった。
病が治まれば、沖田は一体どこまで戦うのだろう。
土方について箱館まで行ってしまうのか。近藤を守ろうと命を投げ出すのか。
沖田の未来を考えると、斎藤とは違う戸惑いが生まれる。
二人を見つめていた夢主は扇を取り出して、そっと扇ぎ始めた。
自分が眠るまで、優しい風を送り続けた。
外に出ている者も多い。
座敷と勝手元を往復して、必要な膳の数の確認が必要だった。
途中で出くわした藤堂。
斎藤と沖田が寝ていると知るや珍しいと喜び、部屋を訪ねようと盛り上がるのを必死に止めた。
幸い土方が現れて協力してくれた為、二人の安眠は守られた。
夢主は自らの食事を短く済ませ、部屋へ戻った。
戻ると変わらず眠る二人の男がいる。
「ふふっ……お疲れさまでした。……これからも……」
寝息を立てる斎藤と沖田に囁き、暫く寝顔を見つめた。
これからもずっと、長い戦いの日々が続く。
気が休まる時はどれ程あるのだろうか。
夢主は寝顔を眺めるうち、瞼を閉じた顔に触れたくなり、手が動いていた。
触れては眠りから引き戻してしまう。
小さく我慢をして、寝顔に微笑みかけた。
いつもならば人の目を感じると斎藤はすぐに起きてしまう。
今はただ目を閉じて横たわっている。
屯所の中、自分の目の前でだけでも……安らぎの一時を……
夢主は寝顔を見つめられる幸せな時を噛み締めていた。
「斎藤さん、ずっと見守っています……」
呟くと、これから斎藤の身に起こるだろう出来事に思いを馳せた。
抜刀斎との対峙……今の斎藤がきっと一番望むもの。
それから伊東甲子太郎が加入して、御陵衛士への同行……鳥羽伏見での戦い。
会津への転戦……出逢い……別れ……そして敗北と新時代。
斎藤はどんな思いで乗り越えていくのだろう。
夢主は全てを打ち明けたい気持ちで一杯だった。
「私は……夢主は斎藤さんの全てを……受け入れますから、どうか生きてください……」
それから沖田に視線を移す。
病が気に掛かる。やはり行く末を心配してしまった。
病が治まれば、沖田は一体どこまで戦うのだろう。
土方について箱館まで行ってしまうのか。近藤を守ろうと命を投げ出すのか。
沖田の未来を考えると、斎藤とは違う戸惑いが生まれる。
二人を見つめていた夢主は扇を取り出して、そっと扇ぎ始めた。
自分が眠るまで、優しい風を送り続けた。