58.休息の時
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「沖田さん静かに来てくれるかな」
いつも元気いっぱい、夢主の名を呼びながらやって来る。
その前に今日は止めなければと、部屋の外を覗いた。
すると予想通り姿を見せた沖田、夢主を見つけると、にこにこ手を振って小走りでやって来た。
今にも叫びそうだ。
まだ距離があるうちに、夢主は指を立てて「しーっ」と微笑みかけた。
「どうしたんですか」
夢主に従い小声で訊ねる沖田に、ふふっと笑いながら、部屋の中を見せた。
「えっ?!斎藤さんがっ」
「気持ちよさそうに寝てますね……だから、しーっ……ですっ、ふふっ」
にこりと首を傾げる夢主、沖田も足音を忍ばせて、そぉっと部屋に入った。
「どうしてこんなに寝入ってるんですか……狸寝入りじゃありませんよね、斎藤さん得意なんですよ、狸寝入り」
そう言って顔を覗こうとする沖田を夢主は袖を引っ張って止めた。
「すみませんっ、でも駄目ですよっ、起きちゃいます」
ひそひそ話す二人の声でも起きてしまうのではと、夢主は気を揉んだ。
「不思議だなぁ、斎藤さんが人が来ても起きないなんて」
「よっぽど疲れてたのかな……」
横を見ると、沖田の瞼も重そうだ。
「ふふっ、沖田さんのお布団も広げてあげますっ」
「あ、悪いですね……ありがとう」
ゆるゆると礼を言う沖田。夢主は布団を敷き終えると、斎藤と同じように労わってあげようと試みた。
「ずっと走り回って大変でしたね……体の様子も大丈夫ですか?」
「えぇ大丈夫ですよ、途中眩暈がした時もありましたけどね、暑かったですから。休んで水を飲んだら治まりましたよ」
沖田は心配ないと笑顔で話すが、夢主の小さな溜め息を誘った。
「もぉっ、ご自愛くださいねっ。……あの、失礼を承知で……腕、いいですか、沖田さん。体の疲れを少しでもお取りしますね」
「えっ」
夢主の言葉の意味が理解できず、沖田は頬を染めた。
「へっ、変なことじゃありませんよ、ふふっ。私のいた時代に流行ってた方法なんです。沖田さんの体に触れるの正直気が引けちゃって……でも長い戦いで体も参ってると思ったら」
自分に好意を寄せてくれる男の体に触れるのは、我慢を強いるようで抵抗がある。
しかし斎藤と同じく、疲れ切っている沖田を心から労わってあげたかった。
「変な気起こさないで下さいねっ」
「ははっ、夢主ちゃんきついこと言うなぁ。大丈夫、斎藤さんの前で何もしようがありませんよ」
夢主の冗談に沖田は静かに笑って応えた。
そっと腕を取り、斎藤と同様に施術していく。
「わぁ……凄く……安らぎますね……」
沖田もまた気持ち良さそうに目を閉じて身を任せると、やがて眠りに落ちていった。
いつも元気いっぱい、夢主の名を呼びながらやって来る。
その前に今日は止めなければと、部屋の外を覗いた。
すると予想通り姿を見せた沖田、夢主を見つけると、にこにこ手を振って小走りでやって来た。
今にも叫びそうだ。
まだ距離があるうちに、夢主は指を立てて「しーっ」と微笑みかけた。
「どうしたんですか」
夢主に従い小声で訊ねる沖田に、ふふっと笑いながら、部屋の中を見せた。
「えっ?!斎藤さんがっ」
「気持ちよさそうに寝てますね……だから、しーっ……ですっ、ふふっ」
にこりと首を傾げる夢主、沖田も足音を忍ばせて、そぉっと部屋に入った。
「どうしてこんなに寝入ってるんですか……狸寝入りじゃありませんよね、斎藤さん得意なんですよ、狸寝入り」
そう言って顔を覗こうとする沖田を夢主は袖を引っ張って止めた。
「すみませんっ、でも駄目ですよっ、起きちゃいます」
ひそひそ話す二人の声でも起きてしまうのではと、夢主は気を揉んだ。
「不思議だなぁ、斎藤さんが人が来ても起きないなんて」
「よっぽど疲れてたのかな……」
横を見ると、沖田の瞼も重そうだ。
「ふふっ、沖田さんのお布団も広げてあげますっ」
「あ、悪いですね……ありがとう」
ゆるゆると礼を言う沖田。夢主は布団を敷き終えると、斎藤と同じように労わってあげようと試みた。
「ずっと走り回って大変でしたね……体の様子も大丈夫ですか?」
「えぇ大丈夫ですよ、途中眩暈がした時もありましたけどね、暑かったですから。休んで水を飲んだら治まりましたよ」
沖田は心配ないと笑顔で話すが、夢主の小さな溜め息を誘った。
「もぉっ、ご自愛くださいねっ。……あの、失礼を承知で……腕、いいですか、沖田さん。体の疲れを少しでもお取りしますね」
「えっ」
夢主の言葉の意味が理解できず、沖田は頬を染めた。
「へっ、変なことじゃありませんよ、ふふっ。私のいた時代に流行ってた方法なんです。沖田さんの体に触れるの正直気が引けちゃって……でも長い戦いで体も参ってると思ったら」
自分に好意を寄せてくれる男の体に触れるのは、我慢を強いるようで抵抗がある。
しかし斎藤と同じく、疲れ切っている沖田を心から労わってあげたかった。
「変な気起こさないで下さいねっ」
「ははっ、夢主ちゃんきついこと言うなぁ。大丈夫、斎藤さんの前で何もしようがありませんよ」
夢主の冗談に沖田は静かに笑って応えた。
そっと腕を取り、斎藤と同様に施術していく。
「わぁ……凄く……安らぎますね……」
沖田もまた気持ち良さそうに目を閉じて身を任せると、やがて眠りに落ちていった。