57.花の主
夢主名前設定
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「それが例の葵屋の忍か。蒼い花……葵屋。なるほどな」
「同じ幕府側……まさかとは思いますが。僕らこちらの状況をも把握しているのでしょうか」
「無いとも限らんな。御庭番衆……情報収集能力は並ではないだろう。理由は分からんが夢主を気に掛けている奴がいるのか、それとも俺達に興味があるのか」
「敵で無いというのなら……」
斎藤と沖田は考えるように呟いた後、夢主を見つめて答えを求めた。
「大丈夫……だと思います。私はそう思います」
「そうか」
こういう時の夢主の判断は当てになる。
斎藤は知っていた。
「それで山崎さんとは別に、毎晩……きっと一日中……見守ってくれていたみたいで……だから怖くも淋しくも感じなかったんです」
夢主は真っ直ぐに斎藤を見つめて話すと、未だ心配そうな顔の沖田に視線を移した。
「顔を見たのは助けてもらったその時だけです。あとはお花で……存在を教えてくれました」
「そうか」
「もう一人の護衛……」
沖田はまた考えるように呟いた。
「理由は分かりませんが、ただ見守ってくださったのは確かです……忍の勉強の為みたいな話もしていましたけど……」
「なるほどな。御庭番衆の実践稽古と言ったところか。確かに敵方に侵入するよりは安全だ」
「男の子一人でしたから……」
夢主は蒼紫を敢えて男の子と伝えた。
二人が余計な気を回さないように気遣ったつもりだ。
斎藤はその一言で今回の忍と以前土方が姿を見失った例の忍が同一人物だと認識した。
自身の中で合点がいった。
今回の件より前、夢主を一度助けている。
接点があるなら興味を持ったのも、敵意が無いのも頷ける。
「ならば話は終いだな。どうする、戻って片付けを手伝うか」
「えー僕は嫌です。気まずいですし、もう少し時間を潰して帰りましょう~」
「ふふっ、いいんですか、怒られちゃいますよ」
「散々外で働いてきたんだ、細々した仕事は連中に任せればいいさ」
そう言うと二人ともいそいそと楽しみにしていた物を取り出した。
「もっ、またですかぁっ!」
「あはははっ、だってずっと呑んでなかったんですからいいでしょう?浪士の探索って結構大変なんですよーっ!」
「そうでしょうけど……」
「お前も好きにしろ。俺達はやるぜ」
にこにこと盃やらを持ち出した沖田と、酒の大瓶を取り出した斎藤。
さっそく酒を酌んだ斎藤は夢主を見遣り、にやりと笑った。
夢主は酒を始めた二人を呆れて眺めた。
「同じ幕府側……まさかとは思いますが。僕らこちらの状況をも把握しているのでしょうか」
「無いとも限らんな。御庭番衆……情報収集能力は並ではないだろう。理由は分からんが夢主を気に掛けている奴がいるのか、それとも俺達に興味があるのか」
「敵で無いというのなら……」
斎藤と沖田は考えるように呟いた後、夢主を見つめて答えを求めた。
「大丈夫……だと思います。私はそう思います」
「そうか」
こういう時の夢主の判断は当てになる。
斎藤は知っていた。
「それで山崎さんとは別に、毎晩……きっと一日中……見守ってくれていたみたいで……だから怖くも淋しくも感じなかったんです」
夢主は真っ直ぐに斎藤を見つめて話すと、未だ心配そうな顔の沖田に視線を移した。
「顔を見たのは助けてもらったその時だけです。あとはお花で……存在を教えてくれました」
「そうか」
「もう一人の護衛……」
沖田はまた考えるように呟いた。
「理由は分かりませんが、ただ見守ってくださったのは確かです……忍の勉強の為みたいな話もしていましたけど……」
「なるほどな。御庭番衆の実践稽古と言ったところか。確かに敵方に侵入するよりは安全だ」
「男の子一人でしたから……」
夢主は蒼紫を敢えて男の子と伝えた。
二人が余計な気を回さないように気遣ったつもりだ。
斎藤はその一言で今回の忍と以前土方が姿を見失った例の忍が同一人物だと認識した。
自身の中で合点がいった。
今回の件より前、夢主を一度助けている。
接点があるなら興味を持ったのも、敵意が無いのも頷ける。
「ならば話は終いだな。どうする、戻って片付けを手伝うか」
「えー僕は嫌です。気まずいですし、もう少し時間を潰して帰りましょう~」
「ふふっ、いいんですか、怒られちゃいますよ」
「散々外で働いてきたんだ、細々した仕事は連中に任せればいいさ」
そう言うと二人ともいそいそと楽しみにしていた物を取り出した。
「もっ、またですかぁっ!」
「あはははっ、だってずっと呑んでなかったんですからいいでしょう?浪士の探索って結構大変なんですよーっ!」
「そうでしょうけど……」
「お前も好きにしろ。俺達はやるぜ」
にこにこと盃やらを持ち出した沖田と、酒の大瓶を取り出した斎藤。
さっそく酒を酌んだ斎藤は夢主を見遣り、にやりと笑った。
夢主は酒を始めた二人を呆れて眺めた。