57.花の主
夢主名前設定
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「嫌か」
「嫌ですよっ、こんな勢い任せな……」
「皆はこうしろと望んでいるようだな」
違うか、と首を傾げる斎藤を夢主はむすっと膨れて見上げた。
「さ、斎藤さんが人の期待に応えるなんて。お嫌じゃないんですか」
「フン、仕事では期待以上の働きを常にしているつもりだが」
フッと口角を上げる斎藤は少し得意げだ。
剣の腕はもちろん、仕事に対して相当な自信があるらしい。
「でもっ、こう……人に動かされるのは……嫌なんじゃ……」
「時には必要な場合もある。誰かに動かされるのも一興だ」
斎藤は時折表情を変えるだけで、ぴくりとも体を動かさず夢主を押さえていた。
力で抵抗しても無駄だと知る夢主は、正直に困惑を表して声を荒げた。
「もぉっ!冗談なんですよね、いい加減にしてください!」
「ほぉ、怖くないのか」
「め、目の色が正気ですっ。この前は……怖かったですけど……今は、全然怖くありませんっ!その気が無いなら、どいてくださいっ」
「その言い方は……やめた方がいいぜ」
……その気……だと……
緩めかけた手にまた力が籠る。
一瞬目を鋭く細めた斎藤だが、やれやれと息を吐き夢主を離そうかと体を起こしかけた瞬間、
ぶんっ――
飛び込んでくる物があった。
刹那に躱して目の前で止まったそれは、沖田が突き出した刀だった。
「何をしているんですか、斎藤さん!!」
「殺す気かっ」
さすがの斎藤も冷や汗を掻いた。
完全に油断しており、自分に向かってくるまで沖田にも刀にも気付かなかった。
「貴方なら避けられるでしょう」
「フンッ」
沖田は斎藤が体を起こしても、向けた刀は下ろさない。
「夢主ちゃん、あの時の話は……夢主ちゃんの決意は今も変わりませんか」
「はっ、はい……」
斎藤がいつの日か運命の人と出会うまで、斎藤が本当に選ぶ日が来るまでは……
そう沖田に告げた夢主の決意。
あの決意は今も変わらない。
「想いは、変わりません」
「わかりました。ならばその想い、僕がお守りします。例え相手が斎藤さんであろうと、夢主ちゃんの操は僕がお守りします」
「みさっ……」
「君は言ってて恥ずかしくないのか」
思わず顔を赤らめる夢主を見てから、斎藤は沖田に目を移して渋い顔をした。
「はっ、恥ずかしくありませんよっ!僕は本気なんですからっ」
自らも頬を染めて言い、沖田はようやく刀を鞘に納めた。
「嫌ですよっ、こんな勢い任せな……」
「皆はこうしろと望んでいるようだな」
違うか、と首を傾げる斎藤を夢主はむすっと膨れて見上げた。
「さ、斎藤さんが人の期待に応えるなんて。お嫌じゃないんですか」
「フン、仕事では期待以上の働きを常にしているつもりだが」
フッと口角を上げる斎藤は少し得意げだ。
剣の腕はもちろん、仕事に対して相当な自信があるらしい。
「でもっ、こう……人に動かされるのは……嫌なんじゃ……」
「時には必要な場合もある。誰かに動かされるのも一興だ」
斎藤は時折表情を変えるだけで、ぴくりとも体を動かさず夢主を押さえていた。
力で抵抗しても無駄だと知る夢主は、正直に困惑を表して声を荒げた。
「もぉっ!冗談なんですよね、いい加減にしてください!」
「ほぉ、怖くないのか」
「め、目の色が正気ですっ。この前は……怖かったですけど……今は、全然怖くありませんっ!その気が無いなら、どいてくださいっ」
「その言い方は……やめた方がいいぜ」
……その気……だと……
緩めかけた手にまた力が籠る。
一瞬目を鋭く細めた斎藤だが、やれやれと息を吐き夢主を離そうかと体を起こしかけた瞬間、
ぶんっ――
飛び込んでくる物があった。
刹那に躱して目の前で止まったそれは、沖田が突き出した刀だった。
「何をしているんですか、斎藤さん!!」
「殺す気かっ」
さすがの斎藤も冷や汗を掻いた。
完全に油断しており、自分に向かってくるまで沖田にも刀にも気付かなかった。
「貴方なら避けられるでしょう」
「フンッ」
沖田は斎藤が体を起こしても、向けた刀は下ろさない。
「夢主ちゃん、あの時の話は……夢主ちゃんの決意は今も変わりませんか」
「はっ、はい……」
斎藤がいつの日か運命の人と出会うまで、斎藤が本当に選ぶ日が来るまでは……
そう沖田に告げた夢主の決意。
あの決意は今も変わらない。
「想いは、変わりません」
「わかりました。ならばその想い、僕がお守りします。例え相手が斎藤さんであろうと、夢主ちゃんの操は僕がお守りします」
「みさっ……」
「君は言ってて恥ずかしくないのか」
思わず顔を赤らめる夢主を見てから、斎藤は沖田に目を移して渋い顔をした。
「はっ、恥ずかしくありませんよっ!僕は本気なんですからっ」
自らも頬を染めて言い、沖田はようやく刀を鞘に納めた。