55.守り人
夢主名前設定
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「お花見も楽しかったし、お酒を呑んだ夢主ちゃんは愛らしかったし、お風呂上りの夢主ちゃんは色っぽくて、寝巻姿の夢主ちゃんは……見ているだけで溜息が出ちゃいますね。紅を付けてくれた時なんて……」
目を伏せていた沖田が、ふっと夢主と目を合わせた。
「思い出すだけで……胸が苦しくなってしまいますよ」
沖田は想いに浸るように目を細め、ほんのり赤く染まった顔で夢主を見つめた。
「お、沖田さん……そんな……」
次々と誉められた夢主は頬を染めて戸惑った。
褒められたが、どれも恥ずかしい場面ばかりだ。
「あははっ、色んな夢主ちゃんの姿思い出していたら変な気分になってきちゃいましたね、ははっ!」
自嘲気味に笑って頭を掻き、沖田は立ち上がると部屋の外まで歩み出た。
「沖田さん?」
「……ちょっと失礼……厠へ行きがてら気分転換です、あははっ」
にこにこと締りがなくなった赤い顔の沖田、思い出した艶やかな夢主の姿にすっかり照れてしまった。
いそいそ歩いていく後ろ姿を覗いて、夢主は笑ってしまった。
「沖田さんおかしいっ、ふふっ」
「フッ、まぁ確かにお前のあの姿は艶やかだったな。良かったぞ」
「そっ、そうですかっ……ありがとぅ……ございます……」
斎藤に真っ直ぐに見据えられて誉められ、夢主の顔はますます赤く色づいた。
二人きりになり、斎藤から本音が漏れる。
「お前を守ってやりたいと……沖田君は言っていたな」
「はぃ」
「その気持ちで沖田君に劣るつもりは無いぞ」
「斎藤さん……」
思わぬ告白に夢主は嬉しさと驚きから目を見開いた。
斎藤の顔を見つめ返していると不意に目に涙が浮かんでくる。
「前に言ったな、女だから守ってやらねばと思ったと。今は違う。女だからでは無く、お前だから、お前を守りたいと……そう思っている」
「あ……ありがとぅ……ございますっ」
涙を零すまいと満面の笑みで斎藤に向かう夢主、斎藤も穏やかな顔で見つめていた。
「苦労掛けるが、懲りずに傍にいてくれるのか」
「はぃっ……もちろんです……」
「そうか」
斎藤はフッと嬉しそうに息を漏らすと、零れそうな夢主の目元を拭ってやった。
斎藤の言葉に深い意味は無いのかもしれない。同居人としての挨拶かもしれない。
だが、夢主はこの先もずっと共に歩んでいける気がしてならなかった。
時代の荒波に飲まれていく姿を見守るのは苦しいが、少しでも支えになれるのならば。
傍にいてもいいと許されるならば、夢主は傍で静かに見守りたかった。
一方、厠へ向かった沖田は土方に呼び止められていた。
先程の不逞な平隊士の処分についてだ。
素行が悪いと言われた彼等だが、もともと隠れてある計画を立てていた。
情報を掴んでいた土方に沖田は知らされた。
「それでいて今日の愚行だ……奴等の計画が今夜実行されないでどうなるよ」
「わかりました。任せてください」
土方から策を聞くと沖田は引き締まった顔で頷き、何事も無かったように斎藤の部屋へと戻った。
目を伏せていた沖田が、ふっと夢主と目を合わせた。
「思い出すだけで……胸が苦しくなってしまいますよ」
沖田は想いに浸るように目を細め、ほんのり赤く染まった顔で夢主を見つめた。
「お、沖田さん……そんな……」
次々と誉められた夢主は頬を染めて戸惑った。
褒められたが、どれも恥ずかしい場面ばかりだ。
「あははっ、色んな夢主ちゃんの姿思い出していたら変な気分になってきちゃいましたね、ははっ!」
自嘲気味に笑って頭を掻き、沖田は立ち上がると部屋の外まで歩み出た。
「沖田さん?」
「……ちょっと失礼……厠へ行きがてら気分転換です、あははっ」
にこにこと締りがなくなった赤い顔の沖田、思い出した艶やかな夢主の姿にすっかり照れてしまった。
いそいそ歩いていく後ろ姿を覗いて、夢主は笑ってしまった。
「沖田さんおかしいっ、ふふっ」
「フッ、まぁ確かにお前のあの姿は艶やかだったな。良かったぞ」
「そっ、そうですかっ……ありがとぅ……ございます……」
斎藤に真っ直ぐに見据えられて誉められ、夢主の顔はますます赤く色づいた。
二人きりになり、斎藤から本音が漏れる。
「お前を守ってやりたいと……沖田君は言っていたな」
「はぃ」
「その気持ちで沖田君に劣るつもりは無いぞ」
「斎藤さん……」
思わぬ告白に夢主は嬉しさと驚きから目を見開いた。
斎藤の顔を見つめ返していると不意に目に涙が浮かんでくる。
「前に言ったな、女だから守ってやらねばと思ったと。今は違う。女だからでは無く、お前だから、お前を守りたいと……そう思っている」
「あ……ありがとぅ……ございますっ」
涙を零すまいと満面の笑みで斎藤に向かう夢主、斎藤も穏やかな顔で見つめていた。
「苦労掛けるが、懲りずに傍にいてくれるのか」
「はぃっ……もちろんです……」
「そうか」
斎藤はフッと嬉しそうに息を漏らすと、零れそうな夢主の目元を拭ってやった。
斎藤の言葉に深い意味は無いのかもしれない。同居人としての挨拶かもしれない。
だが、夢主はこの先もずっと共に歩んでいける気がしてならなかった。
時代の荒波に飲まれていく姿を見守るのは苦しいが、少しでも支えになれるのならば。
傍にいてもいいと許されるならば、夢主は傍で静かに見守りたかった。
一方、厠へ向かった沖田は土方に呼び止められていた。
先程の不逞な平隊士の処分についてだ。
素行が悪いと言われた彼等だが、もともと隠れてある計画を立てていた。
情報を掴んでいた土方に沖田は知らされた。
「それでいて今日の愚行だ……奴等の計画が今夜実行されないでどうなるよ」
「わかりました。任せてください」
土方から策を聞くと沖田は引き締まった顔で頷き、何事も無かったように斎藤の部屋へと戻った。