55.守り人
夢主名前設定
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「夢主ちゃんはこれまでで、何が印象深かったですか」
今度は夢主の話が聞きたいと顔を覗き込んできた。
夢主の記憶にある自分はどんな姿なのか、ここに来て実際に感じたものは、沖田の興味は尽きない。
「私ですか……そぅですね……何かって考えると、色々ありすぎて……」
思い出す毎日は全てが新鮮で刺激的、時に恐怖だった。
「楽しい事もあれば怖い思いも……か。夢主」
「はぃ」
にこやかな顔に曇りが見え、斎藤が変わりに言葉を紡いだ。
「でも斎藤さんと沖田さんにたくさん助けていただいて……嬉しかったです」
静かな笑顔はそのままに、少し俯いて語る夢主。ふと沖田を見上げた。
「一番最初にお話した時も、沖田さんが助け舟を……最初の……夜も、凄く辛かったけど沖田さんがお話聞いてくれて……心が救われたんです」
「夢主ちゃん……」
「沖田さんに甘えて、あんなにたくさん泣いちゃったのは今思い出しても恥ずかしいですけど……ふふっ。土方さんの事、もう怒ってないけど……あの時は……怖かったです……」
切なさの見える笑顔で語る夢主。
楽しい思い出話をと考えた沖田の顔も、悲しげに変わった。
あの事態を防げなかった自分にも、夢主が味わった辛さの責任の一端がある。沖田は拳を握り締めた。
話の流れから、斎藤はばつの悪い思いを顔に表した。
あの夜が始まる前、土方の命で夢主に行った仕打ちを改めて思い出した。
斎藤も夢主も気持ちに整理をつけ、普段は忘れて過ごしている。
「斎藤さんも、困った時いつも助けて下さってありがとうございます。元気付けてくださったり……叱っていただいたり……斎藤さんがいなかったらきっと私もっと困った事になっていたと思いますっ。お気遣いもたくさん、いつも……感謝しています」
気まずそうな斎藤に、気にしませんと笑顔で感謝の気持ちを伝える夢主。
頬が赤いのは、夢主もその出来事を思い出していたから。
体の中に起こった熱を逃がそうと、夢主が無意識に姿勢を変えて座り直す仕草に斎藤は気付いてしまった。
思い出した刺激に激しく興奮するでもなく、斎藤はただ申し訳なさを抱いた。
「すまなかったな、お前には辛い思いも沢山させている。つい先日もだ。礼を言われる程、お前の力になれているのか」
「斎藤さんがそんな弱気なことを言うなんて、っふふ……感謝してもしきれないくらい、お力になって頂いてますよ……」
頬を染めたまま斎藤の顔をゆっくり見上げた。
救いを与えられたような気がして、斎藤は僅かにはにかんだ。
「困った事があればいつでも頼って来い」
「はぃ」
「僕もっ、いつでも胸で泣いて下さいねっ。絶対に夢主ちゃんを守ってみせます」
「ふふふっ、ありがとうございます」
照れくさそうな斎藤と、任せてとばかりに自分の胸をポンと叩く沖田に、夢主はクスクス笑いながら小さく頭を下げた。
「まぁ斎藤さんより僕の方が頼りになりますよ!歳だって上ですからっ」
「フン、歳など関係あるまい」
「あれっ……沖田さん私と同じって……」
「ははっ、そうですよ、夢主ちゃんと同じです!でも斎藤さんよりは上のままです、ふふん」
「……沖田さん?それって……」
「話にならんな」
「いいじゃないですか、歳なんて新選組 の皆は気にしていないでしょう、だったら僕は夢主ちゃんとは一緒で斎藤さんよりは上!完璧ですね!」
「沖田さん……流石に無理がありますよ……あっ、私は斎藤さんと一緒じゃなきゃ嫌ですからねっ」
沖田の呆れた言い草に夢主がつい漏らした本音を、斎藤本人はフッと小さく笑った。
「そうですか?僕は……まぁ夢主ちゃんの傍にいられれば、なんでも」
そう言いながら沖田は夢主に淋しい目で微笑みかけた。
何かを思い出したのか、淋しい目でもう一度庭を見る。
今度は夢主の話が聞きたいと顔を覗き込んできた。
夢主の記憶にある自分はどんな姿なのか、ここに来て実際に感じたものは、沖田の興味は尽きない。
「私ですか……そぅですね……何かって考えると、色々ありすぎて……」
思い出す毎日は全てが新鮮で刺激的、時に恐怖だった。
「楽しい事もあれば怖い思いも……か。夢主」
「はぃ」
にこやかな顔に曇りが見え、斎藤が変わりに言葉を紡いだ。
「でも斎藤さんと沖田さんにたくさん助けていただいて……嬉しかったです」
静かな笑顔はそのままに、少し俯いて語る夢主。ふと沖田を見上げた。
「一番最初にお話した時も、沖田さんが助け舟を……最初の……夜も、凄く辛かったけど沖田さんがお話聞いてくれて……心が救われたんです」
「夢主ちゃん……」
「沖田さんに甘えて、あんなにたくさん泣いちゃったのは今思い出しても恥ずかしいですけど……ふふっ。土方さんの事、もう怒ってないけど……あの時は……怖かったです……」
切なさの見える笑顔で語る夢主。
楽しい思い出話をと考えた沖田の顔も、悲しげに変わった。
あの事態を防げなかった自分にも、夢主が味わった辛さの責任の一端がある。沖田は拳を握り締めた。
話の流れから、斎藤はばつの悪い思いを顔に表した。
あの夜が始まる前、土方の命で夢主に行った仕打ちを改めて思い出した。
斎藤も夢主も気持ちに整理をつけ、普段は忘れて過ごしている。
「斎藤さんも、困った時いつも助けて下さってありがとうございます。元気付けてくださったり……叱っていただいたり……斎藤さんがいなかったらきっと私もっと困った事になっていたと思いますっ。お気遣いもたくさん、いつも……感謝しています」
気まずそうな斎藤に、気にしませんと笑顔で感謝の気持ちを伝える夢主。
頬が赤いのは、夢主もその出来事を思い出していたから。
体の中に起こった熱を逃がそうと、夢主が無意識に姿勢を変えて座り直す仕草に斎藤は気付いてしまった。
思い出した刺激に激しく興奮するでもなく、斎藤はただ申し訳なさを抱いた。
「すまなかったな、お前には辛い思いも沢山させている。つい先日もだ。礼を言われる程、お前の力になれているのか」
「斎藤さんがそんな弱気なことを言うなんて、っふふ……感謝してもしきれないくらい、お力になって頂いてますよ……」
頬を染めたまま斎藤の顔をゆっくり見上げた。
救いを与えられたような気がして、斎藤は僅かにはにかんだ。
「困った事があればいつでも頼って来い」
「はぃ」
「僕もっ、いつでも胸で泣いて下さいねっ。絶対に夢主ちゃんを守ってみせます」
「ふふふっ、ありがとうございます」
照れくさそうな斎藤と、任せてとばかりに自分の胸をポンと叩く沖田に、夢主はクスクス笑いながら小さく頭を下げた。
「まぁ斎藤さんより僕の方が頼りになりますよ!歳だって上ですからっ」
「フン、歳など関係あるまい」
「あれっ……沖田さん私と同じって……」
「ははっ、そうですよ、夢主ちゃんと同じです!でも斎藤さんよりは上のままです、ふふん」
「……沖田さん?それって……」
「話にならんな」
「いいじゃないですか、歳なんて
「沖田さん……流石に無理がありますよ……あっ、私は斎藤さんと一緒じゃなきゃ嫌ですからねっ」
沖田の呆れた言い草に夢主がつい漏らした本音を、斎藤本人はフッと小さく笑った。
「そうですか?僕は……まぁ夢主ちゃんの傍にいられれば、なんでも」
そう言いながら沖田は夢主に淋しい目で微笑みかけた。
何かを思い出したのか、淋しい目でもう一度庭を見る。