55.守り人
夢主名前設定
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斎藤を中心に、先程夢主が目撃した平隊士の愚行について報告が行われ、夢主についての噂の憶測も伝えられた。
「どいつだその馬鹿は」
土方が問うと所属の隊と隊士の名前が土方に告げられた。
その情報に土方の整った顔が歪む。
「どうしますか、土方さん」
「あいつらか。入隊して数ヶ月……素行も問題ありと監察方から報告が上がってる。早い気もするが、頃合いか。潮時なのかも知れねぇな」
「潮時……見せしめですか」
「あぁ。決めたとなりゃあ、後は俺に任せろ」
「分かりました」
ひそひそ話す声は、傍で控える夢主には途切れ途切れながらも伝わってきた。
粛清されてしまうのか……
自分の身に危険が及んだにも関わらず、夢主はおかしな行為に励んだ隊士達の身を案じた。
「噂話はどうなりますかね……夢主ちゃんまた怖い目に合いませんか……」
沖田は心配するが、見せしめを行えばやがて噂も消えるだろうと土方は諭した。
「まぁそれか、あれだな斎藤。責任とってお前が一芝居打つかだな」
「芝居」
斎藤は思いきり顔をしかめて土方を睨みつけた。
「隊士達の前でお前が夢主と芝居すりゃぁすっかり黙るだろうよ、っくっく」
土方は斎藤を横目に見て、真に受けるなよとばかりに歯を見せて笑う。
沖田は正直に腹を抱えて笑った。
「あはははっ、僕も見たいですねーそれ面白そうです!斎藤さんの役者っぷり、ぜひ見たいなぁーっ」
斎藤は不機嫌にしているが、夢主は少し興味が湧いていた。
芝居をする斎藤。想像出来ないだけに見てみたく、笑いが込み上げてくる。
「『もとより命投げだしての恋、この斎藤一を哀れとは思うて、夢主よお前を捨て置いた夜を許してたもれぇえ』とかよぉ、傑作だろうぜ、ははははっ!!『この思い今叶えん』ぶちゅぅとしちまうとかなぁ」
「ちっ、ふざけないで下さい、誰がするかっ下らんっ」
斎藤は呆れて呟き、険しい顔のまま土方から目を逸らし、乱暴な溜息を吐いた。
「馬鹿馬鹿しい。見せしめで充分でしょう」
「はははっ、そうですねっ、僕が夢主ちゃんとお芝居しても構いませんけどっ、ふふふっ」
笑いのおさまらない沖田は涙目で斎藤を見ている。
「阿呆臭いっ。平隊士の前にあいつを引きずり出す意味が無い。冗談はここまでだ」
そう言って衝立の向こうで笑いを堪えていた夢主を呼んだ。
「笑っていないでこっちへ来い、夢主」
「はっ、はいっ……ふふふっ……」
平隊士への心配もどこヘやら、斎藤の芝居姿を想像して笑いを堪えきれず、笑っていませんよと口元を隠す手が震えていた。
「ちっ……」
斎藤は照れを隠すように舌打ちをして姿勢を崩し、胡坐を掻いた。
「真面目な話に戻るとだな、心配することはない、夢主。後は俺達に任せればいい」
「はぃ」
「折角の一日だ、仲良く過ごせよ」
部屋の中の三人を順に見て言うと、笑いを噛み殺したまま土方は立ち去った。
「どいつだその馬鹿は」
土方が問うと所属の隊と隊士の名前が土方に告げられた。
その情報に土方の整った顔が歪む。
「どうしますか、土方さん」
「あいつらか。入隊して数ヶ月……素行も問題ありと監察方から報告が上がってる。早い気もするが、頃合いか。潮時なのかも知れねぇな」
「潮時……見せしめですか」
「あぁ。決めたとなりゃあ、後は俺に任せろ」
「分かりました」
ひそひそ話す声は、傍で控える夢主には途切れ途切れながらも伝わってきた。
粛清されてしまうのか……
自分の身に危険が及んだにも関わらず、夢主はおかしな行為に励んだ隊士達の身を案じた。
「噂話はどうなりますかね……夢主ちゃんまた怖い目に合いませんか……」
沖田は心配するが、見せしめを行えばやがて噂も消えるだろうと土方は諭した。
「まぁそれか、あれだな斎藤。責任とってお前が一芝居打つかだな」
「芝居」
斎藤は思いきり顔をしかめて土方を睨みつけた。
「隊士達の前でお前が夢主と芝居すりゃぁすっかり黙るだろうよ、っくっく」
土方は斎藤を横目に見て、真に受けるなよとばかりに歯を見せて笑う。
沖田は正直に腹を抱えて笑った。
「あはははっ、僕も見たいですねーそれ面白そうです!斎藤さんの役者っぷり、ぜひ見たいなぁーっ」
斎藤は不機嫌にしているが、夢主は少し興味が湧いていた。
芝居をする斎藤。想像出来ないだけに見てみたく、笑いが込み上げてくる。
「『もとより命投げだしての恋、この斎藤一を哀れとは思うて、夢主よお前を捨て置いた夜を許してたもれぇえ』とかよぉ、傑作だろうぜ、ははははっ!!『この思い今叶えん』ぶちゅぅとしちまうとかなぁ」
「ちっ、ふざけないで下さい、誰がするかっ下らんっ」
斎藤は呆れて呟き、険しい顔のまま土方から目を逸らし、乱暴な溜息を吐いた。
「馬鹿馬鹿しい。見せしめで充分でしょう」
「はははっ、そうですねっ、僕が夢主ちゃんとお芝居しても構いませんけどっ、ふふふっ」
笑いのおさまらない沖田は涙目で斎藤を見ている。
「阿呆臭いっ。平隊士の前にあいつを引きずり出す意味が無い。冗談はここまでだ」
そう言って衝立の向こうで笑いを堪えていた夢主を呼んだ。
「笑っていないでこっちへ来い、夢主」
「はっ、はいっ……ふふふっ……」
平隊士への心配もどこヘやら、斎藤の芝居姿を想像して笑いを堪えきれず、笑っていませんよと口元を隠す手が震えていた。
「ちっ……」
斎藤は照れを隠すように舌打ちをして姿勢を崩し、胡坐を掻いた。
「真面目な話に戻るとだな、心配することはない、夢主。後は俺達に任せればいい」
「はぃ」
「折角の一日だ、仲良く過ごせよ」
部屋の中の三人を順に見て言うと、笑いを噛み殺したまま土方は立ち去った。