55.守り人
夢主名前設定
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「こうのんびりしていると眠くなっちゃいますね……稽古でもしちゃおうかなぁ~……」
手枕で転がる沖田が呟いた。
いつも何かで動いている。何もせずに時間をやり過ごすことに慣れていない。
「大人しくしていろと言われているだろう」
斎藤も体が疼いてきたが、言い付けを守っていた。
夢主を巻き込むかもしれないのだ。今回はきっちり謹慎を受け入れるつもりだった。
「うぅん……じゃぁこの部屋で出来る何か……柔術とかっ!」
ハッと閃いて体を起こした沖田、斎藤が話に乗ってくるか期待の目で顔を覗く。
しかし斎藤はむすっと不愛想ないつもの顔で腕を組んでいるだけだった。
「この部屋で出来ることなど無い、大人しくしていたまえ」
「えーっ!……じゃあ、夢主ちゃん、教えてあげましょうか」
にこにこと手首を回して解し始める沖田に、夢主は急いで首を振った。
強引で澱みのない笑顔に嫌な予感がする。
「いえっ、結構ですっ!お部屋で暴れたら、あぁ危ないですよっ!障子や衝立が壊れちゃうし」
部屋を傷めれば部屋の主が黙っていない。
斎藤の横顔を見れば、予想通り「大人しくしていろ」と目で語っていた。
「じゃぁ何か面白い話でも……夢主ちゃん、何かありませんか、僕達の知らないお話っ」
「君は馬鹿か、屯所内でそんな話をさせるな」
「馬鹿とは失礼ですねー!さっきから斎藤さんやけに突っかかってきますね!」
「君が阿呆な事ばかり言うからだ。大人しくしてくれないか」
「なんですかその言い草はっ!」
「ゎ……あの……」
決して広くない部屋に閉じ込められ、暑さで不快感も増すのか、斎藤と沖田がいがみ合い始めた。
「せっかくの時間なんですから、ゆっくり過ごしませんか……」
宥める夢主を二人は揃って睨んだ。
罪の無い夢主は身を縮めて二人を見上げた。
「なんだ、せっかく揃って謹慎させてやってるのに殺伐としてやがんな」
「「「土方さんっ!!」」」
突然聞こえた声に振り返り、三人揃って声の主の名を呼んだ。
「なんでぃ……そんなに驚くなよ。ちょっと様子を見に来ただけだぜ」
「いえ、副長を待っていました。話があります」
土方を副長と呼ぶことで、幹部として話があると勘付かせた。
気付けば三人とも居住まいを正している。
「夢主、ちょっと……向こう入ってろ」
土方は夢主を自分の部屋に向かわせるか迷うが、三人に関わる話なのだろうと、衝立の奥で控えるよう伝えた。
手枕で転がる沖田が呟いた。
いつも何かで動いている。何もせずに時間をやり過ごすことに慣れていない。
「大人しくしていろと言われているだろう」
斎藤も体が疼いてきたが、言い付けを守っていた。
夢主を巻き込むかもしれないのだ。今回はきっちり謹慎を受け入れるつもりだった。
「うぅん……じゃぁこの部屋で出来る何か……柔術とかっ!」
ハッと閃いて体を起こした沖田、斎藤が話に乗ってくるか期待の目で顔を覗く。
しかし斎藤はむすっと不愛想ないつもの顔で腕を組んでいるだけだった。
「この部屋で出来ることなど無い、大人しくしていたまえ」
「えーっ!……じゃあ、夢主ちゃん、教えてあげましょうか」
にこにこと手首を回して解し始める沖田に、夢主は急いで首を振った。
強引で澱みのない笑顔に嫌な予感がする。
「いえっ、結構ですっ!お部屋で暴れたら、あぁ危ないですよっ!障子や衝立が壊れちゃうし」
部屋を傷めれば部屋の主が黙っていない。
斎藤の横顔を見れば、予想通り「大人しくしていろ」と目で語っていた。
「じゃぁ何か面白い話でも……夢主ちゃん、何かありませんか、僕達の知らないお話っ」
「君は馬鹿か、屯所内でそんな話をさせるな」
「馬鹿とは失礼ですねー!さっきから斎藤さんやけに突っかかってきますね!」
「君が阿呆な事ばかり言うからだ。大人しくしてくれないか」
「なんですかその言い草はっ!」
「ゎ……あの……」
決して広くない部屋に閉じ込められ、暑さで不快感も増すのか、斎藤と沖田がいがみ合い始めた。
「せっかくの時間なんですから、ゆっくり過ごしませんか……」
宥める夢主を二人は揃って睨んだ。
罪の無い夢主は身を縮めて二人を見上げた。
「なんだ、せっかく揃って謹慎させてやってるのに殺伐としてやがんな」
「「「土方さんっ!!」」」
突然聞こえた声に振り返り、三人揃って声の主の名を呼んだ。
「なんでぃ……そんなに驚くなよ。ちょっと様子を見に来ただけだぜ」
「いえ、副長を待っていました。話があります」
土方を副長と呼ぶことで、幹部として話があると勘付かせた。
気付けば三人とも居住まいを正している。
「夢主、ちょっと……向こう入ってろ」
土方は夢主を自分の部屋に向かわせるか迷うが、三人に関わる話なのだろうと、衝立の奥で控えるよう伝えた。