54.謹慎の最中
夢主名前設定
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「しかしあまり良い行ないとは言えんな。こんな日の高いうちに人目につく所で」
斎藤が外を覗くと、姿は見えないが人が動く気配を感じる。
この部屋を見張れる場所だ。斎藤は眉間に深い皺を寄せて夢主を見た。
夢主は衆道と知って納得したのか、気を緩めている。
「男の人同士って……沖田さんっ、気をつけて下さいねっ!」
「えっ、僕ですか」
「はい!だってみなさんより小柄で……綺麗なお顔されてるし……」
夢主は沖田が力自慢の不逞な隊士に狙われてしまうのではと心配した。
「ははっ、いくらなんでも僕を襲う命知らずはいませんよ、僕に手を出そうとすれば、まず手首が無くなりますね。次は……どこがいいかな」
からりとした笑顔で刀を手にして言う沖田は本気に見える。
その姿を見てフッと息を漏らすと、斎藤も付け加えた。
「沖田君に手を出そうものなら土方さんと近藤さんが黙っちゃいないさ。首が飛んで終わりだな。それよりも真に気をつけるべきはお前だろう」
そう言って再び外に目をやった。未だうごめく気配がある。
「あれは沖田君ではなくお前を狙っているのかも知れん。お前に見せたかったのではないか」
「そっ、そんなっ……」
「衆道に走っているからと言って、女に興味がない訳ではない。本音では女が欲しいはずだ」
確かに人目を忍ぶ行ないにしては堂々としていた。物音と声がまるで誘うように夢主の耳に届いた。
途端に怖くなってきた夢主、顔の赤みが引いていった。
「目障りですね、僕ちょっと斬って来ます」
「えっ、それは」
「まぁ待て、俺が追い払ってくる」
本当に首を刎ねてしまいそうな沖田を制して、斎藤が刀を手に立ち上がった。
「あの……手荒な事は……」
「分かっている。任せろ」
不安げな表情を見せる夢主に告げ、斎藤は気配の方へ歩んでいった。
その姿を目で追う沖田。夢主を励まそうとした。
「安心してください、夢主ちゃんを傷付けようとする輩は僕が放っておきませんから」
「はぃ……」
沖田の言葉に元気付けられると共に、先走りそうな正義感に不安も感じた。
沖田は刀を手にしたままだった。
物陰に潜み淫行に励む隊士を二人、斎藤は確認した。
先程男二人が絡み合っていたのは、夢主とそうしたいとの誘いだった。
無論通じないが、色惚けと暑さにやられているのか、理性を欠いた行ないに走ったのだ。
斎藤は気配を消して背後から近寄った。
二人が斎藤の部屋に気を向けたまま、己自身を掴んだ手を懸命に動かして、猥談に耽っているのが窺えた。
「夢主さん来るかな……」
「部屋に戻ったよな……先生は一緒なのか……次に出てきたら……」
「随分と熱心だな」
すぐ後ろに近づくも声を掛けるまで気付かない隊士二人に、斎藤は刀を抜きながら声を掛けた。
「ひぃぃっ、さっ、斎藤先生っ!!」
強い日差しを受けて眩しく光る斎藤の刀に、隊士達は己の愚行を自覚した。
斎藤のさじ加減ひとつで自分達の行く末が決まる状況を理解した。
斎藤が外を覗くと、姿は見えないが人が動く気配を感じる。
この部屋を見張れる場所だ。斎藤は眉間に深い皺を寄せて夢主を見た。
夢主は衆道と知って納得したのか、気を緩めている。
「男の人同士って……沖田さんっ、気をつけて下さいねっ!」
「えっ、僕ですか」
「はい!だってみなさんより小柄で……綺麗なお顔されてるし……」
夢主は沖田が力自慢の不逞な隊士に狙われてしまうのではと心配した。
「ははっ、いくらなんでも僕を襲う命知らずはいませんよ、僕に手を出そうとすれば、まず手首が無くなりますね。次は……どこがいいかな」
からりとした笑顔で刀を手にして言う沖田は本気に見える。
その姿を見てフッと息を漏らすと、斎藤も付け加えた。
「沖田君に手を出そうものなら土方さんと近藤さんが黙っちゃいないさ。首が飛んで終わりだな。それよりも真に気をつけるべきはお前だろう」
そう言って再び外に目をやった。未だうごめく気配がある。
「あれは沖田君ではなくお前を狙っているのかも知れん。お前に見せたかったのではないか」
「そっ、そんなっ……」
「衆道に走っているからと言って、女に興味がない訳ではない。本音では女が欲しいはずだ」
確かに人目を忍ぶ行ないにしては堂々としていた。物音と声がまるで誘うように夢主の耳に届いた。
途端に怖くなってきた夢主、顔の赤みが引いていった。
「目障りですね、僕ちょっと斬って来ます」
「えっ、それは」
「まぁ待て、俺が追い払ってくる」
本当に首を刎ねてしまいそうな沖田を制して、斎藤が刀を手に立ち上がった。
「あの……手荒な事は……」
「分かっている。任せろ」
不安げな表情を見せる夢主に告げ、斎藤は気配の方へ歩んでいった。
その姿を目で追う沖田。夢主を励まそうとした。
「安心してください、夢主ちゃんを傷付けようとする輩は僕が放っておきませんから」
「はぃ……」
沖田の言葉に元気付けられると共に、先走りそうな正義感に不安も感じた。
沖田は刀を手にしたままだった。
物陰に潜み淫行に励む隊士を二人、斎藤は確認した。
先程男二人が絡み合っていたのは、夢主とそうしたいとの誘いだった。
無論通じないが、色惚けと暑さにやられているのか、理性を欠いた行ないに走ったのだ。
斎藤は気配を消して背後から近寄った。
二人が斎藤の部屋に気を向けたまま、己自身を掴んだ手を懸命に動かして、猥談に耽っているのが窺えた。
「夢主さん来るかな……」
「部屋に戻ったよな……先生は一緒なのか……次に出てきたら……」
「随分と熱心だな」
すぐ後ろに近づくも声を掛けるまで気付かない隊士二人に、斎藤は刀を抜きながら声を掛けた。
「ひぃぃっ、さっ、斎藤先生っ!!」
強い日差しを受けて眩しく光る斎藤の刀に、隊士達は己の愚行を自覚した。
斎藤のさじ加減ひとつで自分達の行く末が決まる状況を理解した。