54.謹慎の最中
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「どうせ謹慎だ、今日は一日何もせん。謹慎とはそういう事だろう」
半ばやけくそのような、言い訳のような一言。斎藤もまた目覚めきらない様子だ。
「ふふっ、斎藤さんが……眠そぅ……久しぶりに見ましたっそのお顔……」
「いっそ二度寝しちゃいましょう……しかし暑いなぁ……」
沖田は障子を少し開いて再び横になった。
ぬるい風が僅かに入るだけだが、閉め切っているよりはマシだ。
稽古の最後に気合を入れる声が先程より大きく響いた。
「いぃんですかお稽古……怒られちゃいませんか……」
「気にしないですよ~っっ」
そう言うと再び目をつぶってしまった。
夢主も沖田につられてもう一度目を閉じた。
ずるずる動いてきた夢主は上半身だけ斎藤の布団に乗せて横たわっている。
「やれやれだな……二人揃ってだらしない……」
ぼやく斎藤だが、する事もなく気だるい暑さの為、同じく横になり目を閉じた。
夢主の体を避け、それでも守るようそばに横たわったのは無意識だった。
「今日ぐらい構わんだろう……」
……きっと土方さんは休めと言っているんだ……
自分に言い訳をして眠りに戻っていった。
朝稽古を終えて、謹慎を言い渡された三人が大人しく部屋に籠もっているか、様子を見に来たのは原田と永倉だった。
風取りのため障子が開いている。
隙間からそっと中を覗き、見えたものに原田は笑った。
「ははっ、こいつぁいいな」
「なんでい左之、俺にも見せろよ」
顔を離した原田に変わり永倉が中を覗いた。
「ははっ、仲いいなぁ……こいつら」
いつの間にか夢主は体を全て斎藤の布団の上に乗せ、斎藤に寄り添って眠っている。
少し離れていた沖田もいつしか夢主のすぐそばへ転がっていた。
「まさに川の字で寝てやがるな。総司も無防備だ、こいつは面白れぇな、ははっ」
斎藤の寝姿には緊張感を感じる。だが視線を受けてもこちらを振り返らないなど、原田達には考えられなかった。
「なかなか見れねぇなこんな斎藤と総司は……夢主のやつ幸せそうだ」
安らかな寝顔に呟いて、原田と永倉は部屋から離れた。
「暫く寝かしておいてやろうぜ、ここんとこずっと気ぃ張ってたからな、あいつらも」
「あぁ、だなっ」
原田達が三人を覗く姿を気に掛けた隊士達が遠巻きに残っている。
去り際に原田は「ほらほら散れっ」と人払いし、屋の回りは再び静寂を取り戻した。
その様子を見かけた土方も、三人の二度寝を黙認して去っていった。
半ばやけくそのような、言い訳のような一言。斎藤もまた目覚めきらない様子だ。
「ふふっ、斎藤さんが……眠そぅ……久しぶりに見ましたっそのお顔……」
「いっそ二度寝しちゃいましょう……しかし暑いなぁ……」
沖田は障子を少し開いて再び横になった。
ぬるい風が僅かに入るだけだが、閉め切っているよりはマシだ。
稽古の最後に気合を入れる声が先程より大きく響いた。
「いぃんですかお稽古……怒られちゃいませんか……」
「気にしないですよ~っっ」
そう言うと再び目をつぶってしまった。
夢主も沖田につられてもう一度目を閉じた。
ずるずる動いてきた夢主は上半身だけ斎藤の布団に乗せて横たわっている。
「やれやれだな……二人揃ってだらしない……」
ぼやく斎藤だが、する事もなく気だるい暑さの為、同じく横になり目を閉じた。
夢主の体を避け、それでも守るようそばに横たわったのは無意識だった。
「今日ぐらい構わんだろう……」
……きっと土方さんは休めと言っているんだ……
自分に言い訳をして眠りに戻っていった。
朝稽古を終えて、謹慎を言い渡された三人が大人しく部屋に籠もっているか、様子を見に来たのは原田と永倉だった。
風取りのため障子が開いている。
隙間からそっと中を覗き、見えたものに原田は笑った。
「ははっ、こいつぁいいな」
「なんでい左之、俺にも見せろよ」
顔を離した原田に変わり永倉が中を覗いた。
「ははっ、仲いいなぁ……こいつら」
いつの間にか夢主は体を全て斎藤の布団の上に乗せ、斎藤に寄り添って眠っている。
少し離れていた沖田もいつしか夢主のすぐそばへ転がっていた。
「まさに川の字で寝てやがるな。総司も無防備だ、こいつは面白れぇな、ははっ」
斎藤の寝姿には緊張感を感じる。だが視線を受けてもこちらを振り返らないなど、原田達には考えられなかった。
「なかなか見れねぇなこんな斎藤と総司は……夢主のやつ幸せそうだ」
安らかな寝顔に呟いて、原田と永倉は部屋から離れた。
「暫く寝かしておいてやろうぜ、ここんとこずっと気ぃ張ってたからな、あいつらも」
「あぁ、だなっ」
原田達が三人を覗く姿を気に掛けた隊士達が遠巻きに残っている。
去り際に原田は「ほらほら散れっ」と人払いし、屋の回りは再び静寂を取り戻した。
その様子を見かけた土方も、三人の二度寝を黙認して去っていった。