54.謹慎の最中
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「えぇっ、斎藤さん!貴方に言われたくはありませんよ!むっつり助平な貴方にはねっ」
斎藤がうるさい口を黙らせようと発した一言に噛み付いた沖田、夢主には顔を向け直してにこりと微笑んだ。
「じゃぁ僕は向こうで斎藤さんを見張りながら寝ますね!」
「あのっ……あは……」
「フンッ、君もあやしく見えてきたぜ」
立ち上がって己の布団に寄って来た沖田に斎藤は言い捨てた。
夢主はそんな二人に苦笑いを見せ、おやすみの挨拶をした。
「では、あの……遅くなっちゃいましたねっ。斎藤さん沖田さんっ、おやすみなさい」
「あぁ、ゆっくり眠れ」
「おやすみなさいっ!夢主ちゃん」
夢主は互いに視線をぶつける二人を宥めるように挨拶を済ませ、布団に身を横たえた。
夜も遅く疲れていた夢主は間もなく寝息を立て始めた。
斎藤と沖田、二人の存在に心も休まっている。
「ははっ、夢主ちゃんは寝付くのも早いですよね……可愛いなぁ。斎藤さんがいつもこの寝顔を独り占めしているかと思うと……やはりこれからは僕がここに来るという事で、良かったですね」
「おいおい、女の寝顔をそんなに覗くもんじゃあないぜ、フッ」
嬉しそうに目を細めて衝立の向こうを眺める沖田を、斎藤は笑ってたしなめた。
「斎藤さんだって覗いているんでしょう、無いといったら嘘ですよね」
「確かにあるが、そんなじろじろと見たりはせんよ。夜番帰りは避けているが……寝顔を確認すると落ち着く気がしてな。つい」
「そうでしょうね……安らかだなぁ……」
沖田は幸せそうに微笑んで、暫く寝顔から目を離さなかった。
「消すぞ」
「えぇ……」
斎藤が行灯の火を消すと、沖田の視界から夢主の寝顔も消えた。
ただ静かな寝息が聞こえていた。
誰に起こされるでもない謹慎の日。
三人は外がしっかり明るくなるまで眠っていた。久しぶりに満足な睡眠を得た。
「ぅうん……暑い……」
すっかり日が昇り、部屋に熱が差し込み始めると、沖田が唸りながら目を覚ました。
道場では朝稽古も終わろうとしている。
斎藤も深い眠りに落ちていたのか、敢えて無視していたのか、聞こえてくる稽古の声にも体を起こさなかった。
沖田が体を起こして初めて斎藤も起き上がった。
「夢主、起きているか」
斎藤が声を掛けると、夢主は這うように動いて眠たげな顔を衝立から覗かせた。
「眠たぃです……は……朝稽古……いぃんですか……」
寝ぼけた声で二人を気に掛けたが、斎藤も沖田も動く気は全く無かった。
斎藤がうるさい口を黙らせようと発した一言に噛み付いた沖田、夢主には顔を向け直してにこりと微笑んだ。
「じゃぁ僕は向こうで斎藤さんを見張りながら寝ますね!」
「あのっ……あは……」
「フンッ、君もあやしく見えてきたぜ」
立ち上がって己の布団に寄って来た沖田に斎藤は言い捨てた。
夢主はそんな二人に苦笑いを見せ、おやすみの挨拶をした。
「では、あの……遅くなっちゃいましたねっ。斎藤さん沖田さんっ、おやすみなさい」
「あぁ、ゆっくり眠れ」
「おやすみなさいっ!夢主ちゃん」
夢主は互いに視線をぶつける二人を宥めるように挨拶を済ませ、布団に身を横たえた。
夜も遅く疲れていた夢主は間もなく寝息を立て始めた。
斎藤と沖田、二人の存在に心も休まっている。
「ははっ、夢主ちゃんは寝付くのも早いですよね……可愛いなぁ。斎藤さんがいつもこの寝顔を独り占めしているかと思うと……やはりこれからは僕がここに来るという事で、良かったですね」
「おいおい、女の寝顔をそんなに覗くもんじゃあないぜ、フッ」
嬉しそうに目を細めて衝立の向こうを眺める沖田を、斎藤は笑ってたしなめた。
「斎藤さんだって覗いているんでしょう、無いといったら嘘ですよね」
「確かにあるが、そんなじろじろと見たりはせんよ。夜番帰りは避けているが……寝顔を確認すると落ち着く気がしてな。つい」
「そうでしょうね……安らかだなぁ……」
沖田は幸せそうに微笑んで、暫く寝顔から目を離さなかった。
「消すぞ」
「えぇ……」
斎藤が行灯の火を消すと、沖田の視界から夢主の寝顔も消えた。
ただ静かな寝息が聞こえていた。
誰に起こされるでもない謹慎の日。
三人は外がしっかり明るくなるまで眠っていた。久しぶりに満足な睡眠を得た。
「ぅうん……暑い……」
すっかり日が昇り、部屋に熱が差し込み始めると、沖田が唸りながら目を覚ました。
道場では朝稽古も終わろうとしている。
斎藤も深い眠りに落ちていたのか、敢えて無視していたのか、聞こえてくる稽古の声にも体を起こさなかった。
沖田が体を起こして初めて斎藤も起き上がった。
「夢主、起きているか」
斎藤が声を掛けると、夢主は這うように動いて眠たげな顔を衝立から覗かせた。
「眠たぃです……は……朝稽古……いぃんですか……」
寝ぼけた声で二人を気に掛けたが、斎藤も沖田も動く気は全く無かった。