52.仕置きと罰
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「お前なぁ、お前が一人で行って中に入れると思ったのか」
「なんとか……なると思って……」
「中に入れたとして、揚げ代は」
「新選組の……つけに……」
「知らねぇ顔が新選組につけろって、通じると思ったのか!!」
「屯所に、確認をしてもらえればって……」
「そんなに甘かぁねぇんだよ!!そもそも隊士達もつけ禁止なんだぞ、ったくよぉ…………おい、山崎!!」
「えっ?」
土方の一声で潜んでいた山崎が姿を現した。
先程からずっと控えていたのだ。蒼紫の動きに注視し、いつでも土方と夢主の前に飛び出せるよう待機していた。
静かに土方の前に現れた山崎は、黙って伝令を受けている。
「いいか、捜し回ってる連中に夢主は見つかったと伝えろ。それから、沖田斎藤の両名は夢主に対する責任を果たせなかった!よって!……俺が戻るまで部屋で謹慎せよ、処分は追って伝える。夢主は仕置きを施してから連れ帰る。二人にそう伝えておけ」
「はっ」
「それから……」
土方は山崎に顔を寄せ声を潜ませ伝言を続けた。
「分かったな、行けっ」
「はっ」
伝言を聞き終えると短い返事を残して山崎はすぐさま屯所へ向かった。
夢主には蒼紫のように山崎も瞬間的に消えたように見えた。
しかしその驚きより、土方の指示に戸惑ってた。
「そんなっ、斎藤さんと沖田さん……」
「あぁ、お前のせいで処罰だな」
「そんな、ごめんなさい土方さん!もうしませんから、お願いします、斎藤さん達を……」
こんな事態になるとは思わなかった夢主は、土方の着物を掴んで懇願した。
「フン、まぁお前が大人しく仕置きを受け入れるなら、宥免を考えないでもないぜ」
「分かり……ました……分かりましたからっ!」
土方の本心は分からないが、わざと卑しく顔を歪めて夢主を見ている。
夢主はどんな仕置きでも構わないからと返事をした。
「そうすればお二人は……」
「フッ、お前はあいつらが大好きだな。安心しろ、それより自分の身を案じたらどうだ」
夢主は二人を案ずるが、自分の事を心配しろと言われ、何を仕置きする気なのかと目を伏せてしまった。
「仕置きとは……鞭打ちですか」
土方の拷問を思い出して俯いた。
土方の事だ、女の自分に対しては力に訴える仕置きよりも……考え付くが自ら口にはしたくなかった。
すると土方は一歩近付き、夢主の顔を覗くように告げた。
「鞭打ち……そんな事お前にする気はねぇよ。そうだな、一晩一緒に過ごしてもらおうか」
「そぅ……ですか……」
近くに顔があるのを感じても目線を落としたまま、夢主は静かに受け入れる返事をした。土方の眉間に深い皺が寄る。
「おいおい、泣くとか怒るとか、もっと嫌がれよ」
「嫌ですよ……でも斎藤さん達に責任が行くくらいでしたら……」
大事な二人の身の上を案じ、自分ひとりで責任を抱えようとする夢主に、土方は深い溜息を吐いた。
「全く……ほら、ついて来い」
土方が急に歩き出し、夢主は正気を取り戻して顔を上げた。
このまま事に及ぶ場所に連れて行かれるのだろうか。
「どこに行くんですか」
「女の顔が見たいんだろ、ほら、ついて来い」
「えっ」
歩き出す気配の無い夢主を土方は手招いて促した。
「なんとか……なると思って……」
「中に入れたとして、揚げ代は」
「新選組の……つけに……」
「知らねぇ顔が新選組につけろって、通じると思ったのか!!」
「屯所に、確認をしてもらえればって……」
「そんなに甘かぁねぇんだよ!!そもそも隊士達もつけ禁止なんだぞ、ったくよぉ…………おい、山崎!!」
「えっ?」
土方の一声で潜んでいた山崎が姿を現した。
先程からずっと控えていたのだ。蒼紫の動きに注視し、いつでも土方と夢主の前に飛び出せるよう待機していた。
静かに土方の前に現れた山崎は、黙って伝令を受けている。
「いいか、捜し回ってる連中に夢主は見つかったと伝えろ。それから、沖田斎藤の両名は夢主に対する責任を果たせなかった!よって!……俺が戻るまで部屋で謹慎せよ、処分は追って伝える。夢主は仕置きを施してから連れ帰る。二人にそう伝えておけ」
「はっ」
「それから……」
土方は山崎に顔を寄せ声を潜ませ伝言を続けた。
「分かったな、行けっ」
「はっ」
伝言を聞き終えると短い返事を残して山崎はすぐさま屯所へ向かった。
夢主には蒼紫のように山崎も瞬間的に消えたように見えた。
しかしその驚きより、土方の指示に戸惑ってた。
「そんなっ、斎藤さんと沖田さん……」
「あぁ、お前のせいで処罰だな」
「そんな、ごめんなさい土方さん!もうしませんから、お願いします、斎藤さん達を……」
こんな事態になるとは思わなかった夢主は、土方の着物を掴んで懇願した。
「フン、まぁお前が大人しく仕置きを受け入れるなら、宥免を考えないでもないぜ」
「分かり……ました……分かりましたからっ!」
土方の本心は分からないが、わざと卑しく顔を歪めて夢主を見ている。
夢主はどんな仕置きでも構わないからと返事をした。
「そうすればお二人は……」
「フッ、お前はあいつらが大好きだな。安心しろ、それより自分の身を案じたらどうだ」
夢主は二人を案ずるが、自分の事を心配しろと言われ、何を仕置きする気なのかと目を伏せてしまった。
「仕置きとは……鞭打ちですか」
土方の拷問を思い出して俯いた。
土方の事だ、女の自分に対しては力に訴える仕置きよりも……考え付くが自ら口にはしたくなかった。
すると土方は一歩近付き、夢主の顔を覗くように告げた。
「鞭打ち……そんな事お前にする気はねぇよ。そうだな、一晩一緒に過ごしてもらおうか」
「そぅ……ですか……」
近くに顔があるのを感じても目線を落としたまま、夢主は静かに受け入れる返事をした。土方の眉間に深い皺が寄る。
「おいおい、泣くとか怒るとか、もっと嫌がれよ」
「嫌ですよ……でも斎藤さん達に責任が行くくらいでしたら……」
大事な二人の身の上を案じ、自分ひとりで責任を抱えようとする夢主に、土方は深い溜息を吐いた。
「全く……ほら、ついて来い」
土方が急に歩き出し、夢主は正気を取り戻して顔を上げた。
このまま事に及ぶ場所に連れて行かれるのだろうか。
「どこに行くんですか」
「女の顔が見たいんだろ、ほら、ついて来い」
「えっ」
歩き出す気配の無い夢主を土方は手招いて促した。