50.褒賞
夢主名前設定
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沖田が刀を片手に自室に戻って行くと、帰ってきた斎藤に出くわした。
「お帰りなさい、斎藤さん!」
「あぁ」
簡単な挨拶を済ませ、沖田は斎藤の顔を覗き込んだ。
「ふーーん……」
「なんだ」
「いえ、女の方と過ごしてきたんでしょう、なのに大坂の時と違っていい顔をしてるから……おかしいなぁ~~って思っただけですよ」
「ちっ」
斎藤が面倒臭そうに舌打ちをすると、沖田の表情から穏やかさが消えた。
「なんだか嫌だなぁ」
沖田はそう言い、柄に手を掛けはしないものの、斎藤に鋭い剣気をぶつけた。
斎藤もその態度に対抗して視線をぶつけて剣気を返した。
「何がだ」
「いえー別にぃ~~っ!昨夜は僕が夢主ちゃんを見守りましたからねっ!!」
「そうか……すまんな」
すぐいつもの調子に戻った沖田に斎藤も素直に礼を述べた。
「いいですよ、楽しかったですから。これからも幾らでも引き受けますよ、斎藤さんはこれから忙しくなりそうですもんね」
「ちっ……」
沖田の厭味を、斎藤は眉間に皺を寄せて睨みつけ去っていった。
正直、斎藤は痛い所を突かれていた。
大坂の夜と違い、この夜はとても楽しい一時だった。清々しい気持ちで帰ってきたのだ。
だからその関係は暫く続くんでしょう……沖田の心の声が痛かった。
「戻ったぞ」
「おかえりなさぃ……」
部屋に戻った斎藤を迎えた夢主、夕べの斎藤を思い出し、どんな顔をしているのかと心配したが、普段通りの落ち着いた様子だ。ほっとして、優しい笑みを斎藤に向けることが出来た。
ただ、女と過ごした事は夢主であっても漂う匂いで分かってしまう。
白粉特有の香りと、もう一つ感じる匂いがある。
「た、楽しかったですか」
何と声を掛けて良いか分からず、つい言葉にしてしまった。
「フンッ、女が朝帰りの男にそういう事を訊くもんじゃない」
「すみません……」
落ち込む夢主だが、出て行く時の鋭い怖さは消え、何も無かったようにいつも通り冗談じみた口調で話してくれる事が嬉しかった。
「あの、斎藤さん」
「何だ」
明るさを取り戻した夢主の声に斎藤は耳を傾けた。
「私にも守るものが見つかったんですよ」
「ほぉ。守るものだと。何だ」
突然の告白に、心当たりの無い斎藤は興味を持って夢主を見た。
「ふふっ、内緒です」
「ちっ、だったらはなから言うなこの阿呆」
「じゃぁ斎藤さん、教えて下さい……」
「何だ」
「女の方と、過ごしてきたのですか」
「っ!」
真っ直ぐ質問されると思わなかった斎藤は言葉に詰まってしまった。
普段と変わらぬ声色でにこにこする夢主、自分の事を教える代わりに斎藤に少し悪戯な質問をしてみようと思ったのだ。やきもちと小さな怒りをそれで済ませようと思った。
だが一瞬戸惑いを見せた斎藤は、覚悟を決めたように夢主を見つめ返して堂々と答えた。
「そうだ。久しぶりに馴染みの女を抱いてきた」
「お帰りなさい、斎藤さん!」
「あぁ」
簡単な挨拶を済ませ、沖田は斎藤の顔を覗き込んだ。
「ふーーん……」
「なんだ」
「いえ、女の方と過ごしてきたんでしょう、なのに大坂の時と違っていい顔をしてるから……おかしいなぁ~~って思っただけですよ」
「ちっ」
斎藤が面倒臭そうに舌打ちをすると、沖田の表情から穏やかさが消えた。
「なんだか嫌だなぁ」
沖田はそう言い、柄に手を掛けはしないものの、斎藤に鋭い剣気をぶつけた。
斎藤もその態度に対抗して視線をぶつけて剣気を返した。
「何がだ」
「いえー別にぃ~~っ!昨夜は僕が夢主ちゃんを見守りましたからねっ!!」
「そうか……すまんな」
すぐいつもの調子に戻った沖田に斎藤も素直に礼を述べた。
「いいですよ、楽しかったですから。これからも幾らでも引き受けますよ、斎藤さんはこれから忙しくなりそうですもんね」
「ちっ……」
沖田の厭味を、斎藤は眉間に皺を寄せて睨みつけ去っていった。
正直、斎藤は痛い所を突かれていた。
大坂の夜と違い、この夜はとても楽しい一時だった。清々しい気持ちで帰ってきたのだ。
だからその関係は暫く続くんでしょう……沖田の心の声が痛かった。
「戻ったぞ」
「おかえりなさぃ……」
部屋に戻った斎藤を迎えた夢主、夕べの斎藤を思い出し、どんな顔をしているのかと心配したが、普段通りの落ち着いた様子だ。ほっとして、優しい笑みを斎藤に向けることが出来た。
ただ、女と過ごした事は夢主であっても漂う匂いで分かってしまう。
白粉特有の香りと、もう一つ感じる匂いがある。
「た、楽しかったですか」
何と声を掛けて良いか分からず、つい言葉にしてしまった。
「フンッ、女が朝帰りの男にそういう事を訊くもんじゃない」
「すみません……」
落ち込む夢主だが、出て行く時の鋭い怖さは消え、何も無かったようにいつも通り冗談じみた口調で話してくれる事が嬉しかった。
「あの、斎藤さん」
「何だ」
明るさを取り戻した夢主の声に斎藤は耳を傾けた。
「私にも守るものが見つかったんですよ」
「ほぉ。守るものだと。何だ」
突然の告白に、心当たりの無い斎藤は興味を持って夢主を見た。
「ふふっ、内緒です」
「ちっ、だったらはなから言うなこの阿呆」
「じゃぁ斎藤さん、教えて下さい……」
「何だ」
「女の方と、過ごしてきたのですか」
「っ!」
真っ直ぐ質問されると思わなかった斎藤は言葉に詰まってしまった。
普段と変わらぬ声色でにこにこする夢主、自分の事を教える代わりに斎藤に少し悪戯な質問をしてみようと思ったのだ。やきもちと小さな怒りをそれで済ませようと思った。
だが一瞬戸惑いを見せた斎藤は、覚悟を決めたように夢主を見つめ返して堂々と答えた。
「そうだ。久しぶりに馴染みの女を抱いてきた」