50.褒賞
夢主名前設定
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朝を迎えた屯所では沖田と夢主がほぼ同じ頃に目を覚ましていた。
「んーーーっ!!よく寝れました!!おはよう、夢主ちゃん」
「おはようございます、沖田さん」
衝立から覗いて挨拶をする夢主を見て沖田が笑った。
「あはははっ、夢主ちゃん、寝癖ねぐせっ!!」
沖田は撥ねている髪を教えるように自分の髪をいじった。
「えぇっ」
夢主は慌てて櫛を取り出し髪を整えた。恥ずかしさでほのかに紅潮している。
斎藤に貰った櫛を戻す時、沖田がくれた紅が目に留まった。
一晩感じた優しさを想うと、どうしてだか沖田がくれた紅に触れたくなる。
夢主はきゅっと手を引っ込めて、衝立から顔を覗かせた。
「な、直りましたか……」
「うん、直りましたよ。可愛くなりましたね。あっ、寝癖も可愛かったですけどね!」
「もぉっ、朝から揶揄わないで下さいっ!」
「あははははっ」
爽やかな日差しの入り込む部屋に、楽しげに二人の笑い声が響いた。
「とっても静かですね……みなさん出ていらっしゃるんでしょうか……」
「そうだねぇ……」
何と答えて良いか分からず沖田は頭を掻いた。
夢主は頬を少し膨らませて、拗ねるように続けた。
「みんなお酒と女の人以外にお金の使い道を知らないんでしょうか」
「あははははっ!夢主ちゃん、それは厳しいねっ!!はははははっ」
「そんなに笑わないで下さいよぉ……そんなに珍しいですか?お金、貯めておかないんですか……」
「うーん、人によると思うけど……」
「沖田さんは女の方に使わないなら、どうされるんですか」
話しているうちに、夢主は剣客の沖田が何にお金を掛けるのか興味が湧いてきた。
花街に出向けば一晩で何十両も使い切る。ならばその他はどうなのか。
「僕、本当はお金を貯めていい刀を買おうと思っていたんですよ」
「刀……ですか」
夢主は納得がいったとばかりに頷いた。
「はい。でも有難い事に武勲を立てた褒美じゃー!って立派な刀を頂きましてね。ははっ。恐れ多くて普段は佩刀していませんが」
夢主は、照れ臭そうにしながらも、誇らしげに話す沖田が可愛らしく見えた。
「そうなんですか……良かったですね、とても立派な刀なんですね!」
「えぇ。だから他に使い道を考えても特に思い浮かばなかったんですけど、この前っ!僕、欲しいもの思いついたんですよ!」
一段と目を輝かせて話す沖田を夢主はクスクスと笑った。
「沖田さんの欲しい物って何ですか」
「ふふっ、それはですねー……夢主ちゃんにも秘密ですっ」
「えぇー!」
「あははっ、いつか実現する時が来たら、いの一番にお見せしますからっ」
「実現……」
物と言いつつ出てきた不自然な言葉が引っ掛かるが、沖田があまりに嬉しそうに話すので夢主はそのまま聞き流した。
「それじゃぁ僕は一旦部屋に戻りますね、また斎藤さんがいない日は僕が来ちゃいますから、教えて下さいよ」
「ふふっ、はい」
無邪気な笑顔の誘いに夢主は素直に応じた。
「んーーーっ!!よく寝れました!!おはよう、夢主ちゃん」
「おはようございます、沖田さん」
衝立から覗いて挨拶をする夢主を見て沖田が笑った。
「あはははっ、夢主ちゃん、寝癖ねぐせっ!!」
沖田は撥ねている髪を教えるように自分の髪をいじった。
「えぇっ」
夢主は慌てて櫛を取り出し髪を整えた。恥ずかしさでほのかに紅潮している。
斎藤に貰った櫛を戻す時、沖田がくれた紅が目に留まった。
一晩感じた優しさを想うと、どうしてだか沖田がくれた紅に触れたくなる。
夢主はきゅっと手を引っ込めて、衝立から顔を覗かせた。
「な、直りましたか……」
「うん、直りましたよ。可愛くなりましたね。あっ、寝癖も可愛かったですけどね!」
「もぉっ、朝から揶揄わないで下さいっ!」
「あははははっ」
爽やかな日差しの入り込む部屋に、楽しげに二人の笑い声が響いた。
「とっても静かですね……みなさん出ていらっしゃるんでしょうか……」
「そうだねぇ……」
何と答えて良いか分からず沖田は頭を掻いた。
夢主は頬を少し膨らませて、拗ねるように続けた。
「みんなお酒と女の人以外にお金の使い道を知らないんでしょうか」
「あははははっ!夢主ちゃん、それは厳しいねっ!!はははははっ」
「そんなに笑わないで下さいよぉ……そんなに珍しいですか?お金、貯めておかないんですか……」
「うーん、人によると思うけど……」
「沖田さんは女の方に使わないなら、どうされるんですか」
話しているうちに、夢主は剣客の沖田が何にお金を掛けるのか興味が湧いてきた。
花街に出向けば一晩で何十両も使い切る。ならばその他はどうなのか。
「僕、本当はお金を貯めていい刀を買おうと思っていたんですよ」
「刀……ですか」
夢主は納得がいったとばかりに頷いた。
「はい。でも有難い事に武勲を立てた褒美じゃー!って立派な刀を頂きましてね。ははっ。恐れ多くて普段は佩刀していませんが」
夢主は、照れ臭そうにしながらも、誇らしげに話す沖田が可愛らしく見えた。
「そうなんですか……良かったですね、とても立派な刀なんですね!」
「えぇ。だから他に使い道を考えても特に思い浮かばなかったんですけど、この前っ!僕、欲しいもの思いついたんですよ!」
一段と目を輝かせて話す沖田を夢主はクスクスと笑った。
「沖田さんの欲しい物って何ですか」
「ふふっ、それはですねー……夢主ちゃんにも秘密ですっ」
「えぇー!」
「あははっ、いつか実現する時が来たら、いの一番にお見せしますからっ」
「実現……」
物と言いつつ出てきた不自然な言葉が引っ掛かるが、沖田があまりに嬉しそうに話すので夢主はそのまま聞き流した。
「それじゃぁ僕は一旦部屋に戻りますね、また斎藤さんがいない日は僕が来ちゃいますから、教えて下さいよ」
「ふふっ、はい」
無邪気な笑顔の誘いに夢主は素直に応じた。