50.褒賞
夢主名前設定
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「斎藤さんのお布団広げますね」
「あぁっ、それはいいよっ」
夢主が沖田の寝床を用意しようと立ち上がると、沖田は笑って断り、部屋の隅に腰を下ろした。
「えっ、でも暖かいとは言えお布団が無いとお辛くありませんか……」
刀を脇に、座ったまま寝ようとしている沖田に夢主は心配そうに訊ねた。
「ははっ、このままで平気ですよ。それに斎藤さんの布団を使ったら後でうるさそうですからね!君の臭いが染み付いて不愉快だ!寝られん!とかなんとか。夢主ちゃんを置いて行っちゃう斎藤さんが悪いんですけどねーっ。あははっ」
からからと元気に笑う沖田は、ちくりと斎藤を戒めた。
ちょっとした優しさで夢主は笑顔を取り戻す。
「ふふっ、そうですね、斎藤さん色々と敏感ですから」
そう言って夢主は自分の荷物から半纏を取り出して手渡した。
「全部かぶると暑いかも知れませんけど……お腹冷えちゃうといけないですから、少しだけでも掛けてください」
夢主の半纏は沖田が肌掛け代わりに使うには丁度良い大きさだった。
腰から足元にかけて冷えるのを防いでくれる。
「いいの?」
「はい、斎藤さんの選んだものでお嫌かもしれませんが……ふふっ」
「あははっ、それは気にしませんよ大丈夫っ。夢主ちゃんの匂いがするから……心地良いな」
笑みをおさめると、ふっと目を細めて半纏を顔に近づけた。
「温かい……」
「あ、暑くありませんか?」
自分の匂いを嗅がれて恥ずかしいが、沖田は無邪気に顔をうずめている。
膝を曲げて体を小さくして綿入りの半纏を引き寄せ、半纏に包まれるように座っている。
夢主より大きい体は少しはみ出ているが沖田は満足だった。
目を閉じて半纏の温かさに身を委ね、夢主の香りを確認している。
「母親に抱かれるというのは……こんな感じなのでしょうかね…………温かくて、いい香りです……」
「沖田……さん」
この時、夢主は沖田が自分に対して母親を重ねているのではないかと気が付いた。
「あったかいなぁ……」
女として夢主を見ており、恋慕の情を抱いている事は確かだ。
しかし、それと共に失った母からの愛を重ねて求めているのではないか……
そう感じた夢主は、今までになかった慈しみに似た感情を沖田に抱いた。
「沖田さん、」
「んっ?」
「お休みなさい」
「うんっ、おやすみなさい」
半纏から僅かに目だけを覗かせて応える沖田に、夢主は優しくお休みを告げた。
「あぁっ、それはいいよっ」
夢主が沖田の寝床を用意しようと立ち上がると、沖田は笑って断り、部屋の隅に腰を下ろした。
「えっ、でも暖かいとは言えお布団が無いとお辛くありませんか……」
刀を脇に、座ったまま寝ようとしている沖田に夢主は心配そうに訊ねた。
「ははっ、このままで平気ですよ。それに斎藤さんの布団を使ったら後でうるさそうですからね!君の臭いが染み付いて不愉快だ!寝られん!とかなんとか。夢主ちゃんを置いて行っちゃう斎藤さんが悪いんですけどねーっ。あははっ」
からからと元気に笑う沖田は、ちくりと斎藤を戒めた。
ちょっとした優しさで夢主は笑顔を取り戻す。
「ふふっ、そうですね、斎藤さん色々と敏感ですから」
そう言って夢主は自分の荷物から半纏を取り出して手渡した。
「全部かぶると暑いかも知れませんけど……お腹冷えちゃうといけないですから、少しだけでも掛けてください」
夢主の半纏は沖田が肌掛け代わりに使うには丁度良い大きさだった。
腰から足元にかけて冷えるのを防いでくれる。
「いいの?」
「はい、斎藤さんの選んだものでお嫌かもしれませんが……ふふっ」
「あははっ、それは気にしませんよ大丈夫っ。夢主ちゃんの匂いがするから……心地良いな」
笑みをおさめると、ふっと目を細めて半纏を顔に近づけた。
「温かい……」
「あ、暑くありませんか?」
自分の匂いを嗅がれて恥ずかしいが、沖田は無邪気に顔をうずめている。
膝を曲げて体を小さくして綿入りの半纏を引き寄せ、半纏に包まれるように座っている。
夢主より大きい体は少しはみ出ているが沖田は満足だった。
目を閉じて半纏の温かさに身を委ね、夢主の香りを確認している。
「母親に抱かれるというのは……こんな感じなのでしょうかね…………温かくて、いい香りです……」
「沖田……さん」
この時、夢主は沖田が自分に対して母親を重ねているのではないかと気が付いた。
「あったかいなぁ……」
女として夢主を見ており、恋慕の情を抱いている事は確かだ。
しかし、それと共に失った母からの愛を重ねて求めているのではないか……
そう感じた夢主は、今までになかった慈しみに似た感情を沖田に抱いた。
「沖田さん、」
「んっ?」
「お休みなさい」
「うんっ、おやすみなさい」
半纏から僅かに目だけを覗かせて応える沖田に、夢主は優しくお休みを告げた。