48.花吹雪
夢主名前設定
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「僕の体……すこぶる調子がいいんです。こんな所で話すのもなんですが」
沖田は桜吹雪から夢主に目を移すと微笑んだ。
「良かったです……きっとこのまま……大丈夫です」
不安は残るが咳も無く顔色もよい沖田に夢主も微笑み返した。
「ふふっ、ありがとう。僕達はどうなって行くのかな」
舞い散る桜に目を戻し、本音を漏らした。
「私にも……分かりません……」
歴史の行く末は変わらないだろうが、沖田の未来は夢主にも未知数だ。
きっと明るい未来が待っているはず……夢主は沖田の横顔を眺めた。
「ま、なるようになるさ。お前も暫くは俺達に付き合うことになるだろうよ」
「ふふっ、はい。喜んで……」
斎藤の呟きに夢主は頷いて応えた。
傍で見守れるなんて本望です。喜び以外の何物でもありませんと。
「そろそろ……戻りましょうか。僕達には夜の仕事も残っていますし」
「そうだな」
「はぃ……あの、お二人とも、ありがとうございました」
自分の望みを聞き入れてくれた斎藤に、団子を持って走ってくれた沖田に、夢主はにこやかな笑みで礼を述べた。
小さな頭が下がるのを見た二人は大きく頷き、「さぁ」と促して屯所へ歩み出した。
夜、巡察の前に幹部達が土方に集められた。
長閑な昼間の時間を忘れる程、張り詰めた空気が漂っている。
幹部達が集められたのは、隊務に於いて土方のある考えを皆で共有する為だ。
「いいかお前等。不貞浪士を見つけたら生け捕りにしろ」
皆を前に土方は真面目な顔で、普段より低い声で諭すように伝えた。
「えーーそんなの面倒臭いじゃないですかぁ」
すぐさま反発の声を上げたのは沖田。
他の幹部達も大きく頷き、賛同の声を上げた。
「そうだそうだ!面倒くせぇのは無しだぜ!」
「おぅよ、ぶった斬ったほうが確実だ!」
確かに生け捕る目的で向かっていくより、殺してしまった方が対応は楽である。
だが、皆の反応に大人しかった土方も声を荒げていつもの調子に戻ってしまった。
「ちっ、お前ぇら毎回揃いも揃って殺してんじゃねぇよ!知ってるか、死人に口無しって言葉をよぉ!」
痛いところを突かれた男達は目を逸らしたり顔を伏せて土方の視線から逃れる。
「連中の仲間が喜んでるぜ、殺されて良かったなってな!」
土方の言葉にむっと不快感を表す者もいる。
斎藤も頭では分かるが殺してしまった方が手っ取り早く、自分の性分にも合っていると考えていた。
「生け捕りってどういう意味か知ってるか?!生かして、捕まえるんだよ!殺すな!情報を取るんだよ!!」
「はぁ~~い」
沖田が皆を代表するように渋々応えると、他の幹部も仕方なく土方の正当な申し出を受け入れた。
「よしっ、頼んだぜ!ほら、じゃぁもう散会だ!宜しく頼むぜっ!」
土方に促され、男達は不満を浮かべた顔で部屋を後にした。
沖田は桜吹雪から夢主に目を移すと微笑んだ。
「良かったです……きっとこのまま……大丈夫です」
不安は残るが咳も無く顔色もよい沖田に夢主も微笑み返した。
「ふふっ、ありがとう。僕達はどうなって行くのかな」
舞い散る桜に目を戻し、本音を漏らした。
「私にも……分かりません……」
歴史の行く末は変わらないだろうが、沖田の未来は夢主にも未知数だ。
きっと明るい未来が待っているはず……夢主は沖田の横顔を眺めた。
「ま、なるようになるさ。お前も暫くは俺達に付き合うことになるだろうよ」
「ふふっ、はい。喜んで……」
斎藤の呟きに夢主は頷いて応えた。
傍で見守れるなんて本望です。喜び以外の何物でもありませんと。
「そろそろ……戻りましょうか。僕達には夜の仕事も残っていますし」
「そうだな」
「はぃ……あの、お二人とも、ありがとうございました」
自分の望みを聞き入れてくれた斎藤に、団子を持って走ってくれた沖田に、夢主はにこやかな笑みで礼を述べた。
小さな頭が下がるのを見た二人は大きく頷き、「さぁ」と促して屯所へ歩み出した。
夜、巡察の前に幹部達が土方に集められた。
長閑な昼間の時間を忘れる程、張り詰めた空気が漂っている。
幹部達が集められたのは、隊務に於いて土方のある考えを皆で共有する為だ。
「いいかお前等。不貞浪士を見つけたら生け捕りにしろ」
皆を前に土方は真面目な顔で、普段より低い声で諭すように伝えた。
「えーーそんなの面倒臭いじゃないですかぁ」
すぐさま反発の声を上げたのは沖田。
他の幹部達も大きく頷き、賛同の声を上げた。
「そうだそうだ!面倒くせぇのは無しだぜ!」
「おぅよ、ぶった斬ったほうが確実だ!」
確かに生け捕る目的で向かっていくより、殺してしまった方が対応は楽である。
だが、皆の反応に大人しかった土方も声を荒げていつもの調子に戻ってしまった。
「ちっ、お前ぇら毎回揃いも揃って殺してんじゃねぇよ!知ってるか、死人に口無しって言葉をよぉ!」
痛いところを突かれた男達は目を逸らしたり顔を伏せて土方の視線から逃れる。
「連中の仲間が喜んでるぜ、殺されて良かったなってな!」
土方の言葉にむっと不快感を表す者もいる。
斎藤も頭では分かるが殺してしまった方が手っ取り早く、自分の性分にも合っていると考えていた。
「生け捕りってどういう意味か知ってるか?!生かして、捕まえるんだよ!殺すな!情報を取るんだよ!!」
「はぁ~~い」
沖田が皆を代表するように渋々応えると、他の幹部も仕方なく土方の正当な申し出を受け入れた。
「よしっ、頼んだぜ!ほら、じゃぁもう散会だ!宜しく頼むぜっ!」
土方に促され、男達は不満を浮かべた顔で部屋を後にした。