48.花吹雪
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「しかし花より団子とは、まさにこの事だな」
斎藤は食べ終えた櫛を眺めて呟いた。そんな斎藤を覗き込んで沖田は笑った。
「ははっ、いいじゃないですか!ここのお団子はとっても美味しいんですから!」
「沖田さんとお花見行こうってお約束したのに、来てもらう形になってしまって……ごめんなさい」
夢主は櫛を包みに戻して頭を下げた。
ちゃんとした花見に出向くつもりだったのに、結局果たせず、何度か受けた誘いも名主の同席を理由に全て断ってしまった。
「ははっ、気にしていませんよ。土方さんに二人が壬生寺に行ったと聞いて、これはお団子を買っていこう!と一走りしたんです」
「そうだったんですね、ありがとうございます。お団子とっても美味しかったです」
「気に入ってもらえてよかった、ははっ」
「まぁ悪くは無いな。甘くない」
斎藤もいつもより落ち着いた味の団子を気に入ったようだ。
夢主は二人の楽しそうな顔を順に見て、それから桜に目を移した。
これだけ花びらが落ちても綺麗な花が視界を埋めている。
どこからこんなにも沢山の花びらが散るのか不思議なくらいだ。
「満開の桜もいいですけど、こうやって散っていく桜も綺麗ですね……」
「えぇ……僕が愛でたい花は夢主ちゃんだけ……なぁーんて思っていたんですけど!こうして見るとやっぱり素敵ですね」
「ぉっ、沖田さんっ!」
恥ずかしい一言に赤らむ夢主、沖田は悪びれもせず笑っていた。
「君は本当に歯の浮くような台詞を平気で言うな」
「ははっ、いいじゃないですか!本当に思ってるんですから!」
「本音と建前があるだろうよ」
「夢主ちゃんに建前は必要ありませーん!」
「ふふっ……」
開き直って笑う沖田と苦笑いの斎藤、そんな二人に夢主もつい笑ってしまう。
「こんな幸せが、ずっと続いて欲しいです……」
「……そうですね……」
「そうだな」
現実を思い、口を閉じてしまった三人。
暫く静かに散り行く桜を目に焼き付けた。
斎藤は食べ終えた櫛を眺めて呟いた。そんな斎藤を覗き込んで沖田は笑った。
「ははっ、いいじゃないですか!ここのお団子はとっても美味しいんですから!」
「沖田さんとお花見行こうってお約束したのに、来てもらう形になってしまって……ごめんなさい」
夢主は櫛を包みに戻して頭を下げた。
ちゃんとした花見に出向くつもりだったのに、結局果たせず、何度か受けた誘いも名主の同席を理由に全て断ってしまった。
「ははっ、気にしていませんよ。土方さんに二人が壬生寺に行ったと聞いて、これはお団子を買っていこう!と一走りしたんです」
「そうだったんですね、ありがとうございます。お団子とっても美味しかったです」
「気に入ってもらえてよかった、ははっ」
「まぁ悪くは無いな。甘くない」
斎藤もいつもより落ち着いた味の団子を気に入ったようだ。
夢主は二人の楽しそうな顔を順に見て、それから桜に目を移した。
これだけ花びらが落ちても綺麗な花が視界を埋めている。
どこからこんなにも沢山の花びらが散るのか不思議なくらいだ。
「満開の桜もいいですけど、こうやって散っていく桜も綺麗ですね……」
「えぇ……僕が愛でたい花は夢主ちゃんだけ……なぁーんて思っていたんですけど!こうして見るとやっぱり素敵ですね」
「ぉっ、沖田さんっ!」
恥ずかしい一言に赤らむ夢主、沖田は悪びれもせず笑っていた。
「君は本当に歯の浮くような台詞を平気で言うな」
「ははっ、いいじゃないですか!本当に思ってるんですから!」
「本音と建前があるだろうよ」
「夢主ちゃんに建前は必要ありませーん!」
「ふふっ……」
開き直って笑う沖田と苦笑いの斎藤、そんな二人に夢主もつい笑ってしまう。
「こんな幸せが、ずっと続いて欲しいです……」
「……そうですね……」
「そうだな」
現実を思い、口を閉じてしまった三人。
暫く静かに散り行く桜を目に焼き付けた。