48.花吹雪
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「風も止んだし折角だ、もう少し見て行くか」
「はい、お願いします」
夢主は乱れた髪を整えながら応えた。
斎藤が近くの石段に腰を下ろそうと歩き出したその時、遠くから二人を呼ぶ声がした。
「夢主ちゃぁあーーん、斎藤さぁ~~ん!!」
「あっ、沖田さん……」
声に振り向くと、大きく手を振りながら沖田が走り寄って来る。
周りの隊士に「どうもー」と、にこにこしながらやって来た。
「あーやっと来られました!!」
「どこかへお出かけしてたんですか」
ずっと走ってきたのか、小柄ながらも体力のある沖田が肩を揺らしている。
屯所から走って来たのではなさそうだ。
「はぁ……はぁ……ちょっと、走っちゃいましたね!お団子屋さんに行ってたんですよ!今日は物凄く混んでて大変でしたよ!ほらっ!」
沖田は言いながら懐から見覚えのある包みを取り出した。
沖田馴染みの団子屋の包みだ。
「お団子買ってきたんですよ、みんなで食べましょう!」
そう言って沖田は石段に腰掛けた。夢主と斎藤もその横に座る。自然といつもの並びで座っていた。
「お団子……」
「見てください、今だけの味だそうですよ、桜のお団子です」
「わぁ、可愛いピンク……」
「ぴ……?」
「あ、えっと桜色!桃色……?この色……」
「桜みたいな色ですね、可愛らしいと思って夢主ちゃんに食べて欲しかったんです」
沖田が開いた包みには以前食べたものと違い、桜色の団子が三本並んでいた。
「餡子が……」
「はぃ、いつものおばちゃんがね、夢主ちゃんと一緒に食べるのかいってたっぷり餡子をのせてくれたんですよ!これが夢主ちゃんので、これが僕の……斎藤さんも食べますか」
沖田は丁寧に夢主に餡子がのった桜色の団子を手渡し、一本は自分の物と取り分け、もう一本を斎藤に差し出した。
「団子屋のおばちゃん、あの人も一緒なのかいって。一本だけ餡子のせなかったんですよ。なかなか粋なおばちゃんでしょ、あははっ」
斎藤は差し出された何ものっていない桜色の団子を受け取った。
「お団子屋さんのおばちゃん、今度また会いに行きたいですっ」
「是非一緒に行きましょう、おばちゃんも夢主ちゃんの話を聞きたがっていましたよ」
にこにこと笑いながら団子を配った沖田。懐からもうひとつ何かを取り出した。
「ほら、お水も持ってきたんですよ」
「竹の水筒……可愛い!」
「可愛いですか?喉が詰まっても大丈夫!あははっ!しかも二本!」
そう言って二本目を取り出した。
「こっちが僕と夢主ちゃんで、こっちが斎藤さん……」
「沖田君」
「あははっ、冗談ですよ!仕方ないから斎藤さんと僕……口付けないで飲んで下さいよっ!」
「当たり前だ、ど阿呆ぅ。どうせならもう一本持ってくるんだな」
「酷いなぁ~~!三本もあったら邪魔でしょう!二本が限界です」
伏目で冷たく言う斎藤にも沖田は笑って返した。何だかんだ文句をつけても本気ではなく、言葉のやりとりで遊んでいる二人。
見守る夢主も目元が緩んでしまう。
楽しそうに笑い声を響かせながら、三人は団子を味わった。
「はい、お願いします」
夢主は乱れた髪を整えながら応えた。
斎藤が近くの石段に腰を下ろそうと歩き出したその時、遠くから二人を呼ぶ声がした。
「夢主ちゃぁあーーん、斎藤さぁ~~ん!!」
「あっ、沖田さん……」
声に振り向くと、大きく手を振りながら沖田が走り寄って来る。
周りの隊士に「どうもー」と、にこにこしながらやって来た。
「あーやっと来られました!!」
「どこかへお出かけしてたんですか」
ずっと走ってきたのか、小柄ながらも体力のある沖田が肩を揺らしている。
屯所から走って来たのではなさそうだ。
「はぁ……はぁ……ちょっと、走っちゃいましたね!お団子屋さんに行ってたんですよ!今日は物凄く混んでて大変でしたよ!ほらっ!」
沖田は言いながら懐から見覚えのある包みを取り出した。
沖田馴染みの団子屋の包みだ。
「お団子買ってきたんですよ、みんなで食べましょう!」
そう言って沖田は石段に腰掛けた。夢主と斎藤もその横に座る。自然といつもの並びで座っていた。
「お団子……」
「見てください、今だけの味だそうですよ、桜のお団子です」
「わぁ、可愛いピンク……」
「ぴ……?」
「あ、えっと桜色!桃色……?この色……」
「桜みたいな色ですね、可愛らしいと思って夢主ちゃんに食べて欲しかったんです」
沖田が開いた包みには以前食べたものと違い、桜色の団子が三本並んでいた。
「餡子が……」
「はぃ、いつものおばちゃんがね、夢主ちゃんと一緒に食べるのかいってたっぷり餡子をのせてくれたんですよ!これが夢主ちゃんので、これが僕の……斎藤さんも食べますか」
沖田は丁寧に夢主に餡子がのった桜色の団子を手渡し、一本は自分の物と取り分け、もう一本を斎藤に差し出した。
「団子屋のおばちゃん、あの人も一緒なのかいって。一本だけ餡子のせなかったんですよ。なかなか粋なおばちゃんでしょ、あははっ」
斎藤は差し出された何ものっていない桜色の団子を受け取った。
「お団子屋さんのおばちゃん、今度また会いに行きたいですっ」
「是非一緒に行きましょう、おばちゃんも夢主ちゃんの話を聞きたがっていましたよ」
にこにこと笑いながら団子を配った沖田。懐からもうひとつ何かを取り出した。
「ほら、お水も持ってきたんですよ」
「竹の水筒……可愛い!」
「可愛いですか?喉が詰まっても大丈夫!あははっ!しかも二本!」
そう言って二本目を取り出した。
「こっちが僕と夢主ちゃんで、こっちが斎藤さん……」
「沖田君」
「あははっ、冗談ですよ!仕方ないから斎藤さんと僕……口付けないで飲んで下さいよっ!」
「当たり前だ、ど阿呆ぅ。どうせならもう一本持ってくるんだな」
「酷いなぁ~~!三本もあったら邪魔でしょう!二本が限界です」
伏目で冷たく言う斎藤にも沖田は笑って返した。何だかんだ文句をつけても本気ではなく、言葉のやりとりで遊んでいる二人。
見守る夢主も目元が緩んでしまう。
楽しそうに笑い声を響かせながら、三人は団子を味わった。