47.どこへたって
夢主名前設定
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屯所に戻ると斎藤は白い包みを返してくれた。
「心配させてしまってすまなかったな。ほら」
「あっ!ありがとうございます……」
包みを受け取り、ぎゅぅっと大切に胸の前で抱きしめた。
確かに戻ってきた、大切なもの。
「私の……証です……」
「そうだな」
斎藤は優しい眼差しでその姿を眺めていた。
「本当にすまなかったな、正直に話すべきだった。俺は戸惑っていたんだよ。またお前がそれを着てふざけたらと考えたらな」
「私こそ……ごめんなさい……酔っていたとは言えあんな……」
「お前、覚えているのか……どこまで」
斎藤は夢主の言葉に反応して顔色を変えた。
悪戯にあの恰好をした事だけではなく、自分の言葉を覚えているのかと、恐れを抱いた。
己を抑えられない弱い男を見せたくは無かった。
夢主は全て覚えていたが、斎藤に告げはしない。
ふふっと笑って小さく首を横に振った。
斎藤は安堵すると共に、何故笑ったのか心に引っ掛かったが、無意識に自分を納得させて頷いた。
「そうか……」
そして立ち上がると夢主に着替えを促した。
「着替えてその布にいっしょに包んでおけ。いいな」
部屋を出ようとした斎藤、ぐいと袖を掴まれ体が止まった。
「あ、あのっ……問題がひとつ……」
「なんだ」
思いきり眉をひそめて夢主を睨んだ。これ以上の何があると言うのだ。
「その……一晩着ていた訳でして……このまま……という訳には……」
申し訳なさそうに告げる夢主。下着を脱いだら軽くで良いから洗い。
その後、どこに干せばよいのか教えて欲しかった。
「こっ、この阿呆ぅ!!なぜさっさと脱がなかった!!」
照れながらも怒る斎藤に夢主は少し頬を膨らませた。
「仕方ないじゃありませんか……」
「っく……へ、部屋に干しておけ!!乾くまで俺は戻らんからなっ!!」
斎藤は赤い顔で叫ぶと、出て行ってしまった。
「ごめんなさい……ふふっ」
斎藤の狼狽ぶりが可愛らしく、怒られたのに思わず笑ってしまった。
夢主はこっそり下着を洗い、水気をしっかり切って、手拭いで挟んで更に水気を切った。
それから暫く、白く愛らしい未来の下着が衝立に掛けられて乾かされるのだった。
外に出た斎藤は、休息所から戻ってきた沖田に散々責められた。
約束の桜舞い散る日も直ぐにやってくるだろう。
斎藤は沖田の尋問を無視して、屯所から僅かに見える外の桜に目をやっていた。
「心配させてしまってすまなかったな。ほら」
「あっ!ありがとうございます……」
包みを受け取り、ぎゅぅっと大切に胸の前で抱きしめた。
確かに戻ってきた、大切なもの。
「私の……証です……」
「そうだな」
斎藤は優しい眼差しでその姿を眺めていた。
「本当にすまなかったな、正直に話すべきだった。俺は戸惑っていたんだよ。またお前がそれを着てふざけたらと考えたらな」
「私こそ……ごめんなさい……酔っていたとは言えあんな……」
「お前、覚えているのか……どこまで」
斎藤は夢主の言葉に反応して顔色を変えた。
悪戯にあの恰好をした事だけではなく、自分の言葉を覚えているのかと、恐れを抱いた。
己を抑えられない弱い男を見せたくは無かった。
夢主は全て覚えていたが、斎藤に告げはしない。
ふふっと笑って小さく首を横に振った。
斎藤は安堵すると共に、何故笑ったのか心に引っ掛かったが、無意識に自分を納得させて頷いた。
「そうか……」
そして立ち上がると夢主に着替えを促した。
「着替えてその布にいっしょに包んでおけ。いいな」
部屋を出ようとした斎藤、ぐいと袖を掴まれ体が止まった。
「あ、あのっ……問題がひとつ……」
「なんだ」
思いきり眉をひそめて夢主を睨んだ。これ以上の何があると言うのだ。
「その……一晩着ていた訳でして……このまま……という訳には……」
申し訳なさそうに告げる夢主。下着を脱いだら軽くで良いから洗い。
その後、どこに干せばよいのか教えて欲しかった。
「こっ、この阿呆ぅ!!なぜさっさと脱がなかった!!」
照れながらも怒る斎藤に夢主は少し頬を膨らませた。
「仕方ないじゃありませんか……」
「っく……へ、部屋に干しておけ!!乾くまで俺は戻らんからなっ!!」
斎藤は赤い顔で叫ぶと、出て行ってしまった。
「ごめんなさい……ふふっ」
斎藤の狼狽ぶりが可愛らしく、怒られたのに思わず笑ってしまった。
夢主はこっそり下着を洗い、水気をしっかり切って、手拭いで挟んで更に水気を切った。
それから暫く、白く愛らしい未来の下着が衝立に掛けられて乾かされるのだった。
外に出た斎藤は、休息所から戻ってきた沖田に散々責められた。
約束の桜舞い散る日も直ぐにやってくるだろう。
斎藤は沖田の尋問を無視して、屯所から僅かに見える外の桜に目をやっていた。