6.副長助勤方
夢主名前設定
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目が覚めると誰もいないのは三日目だ。
また皆揃って朝稽古なのだろうか。
今朝は思ったほど体が痛まない。
たった二度目で体が慣れてしまったのか、永倉が余程夢主の体を気遣ってしてくれたのか。
すぐに考えるのをやめた。
そして部屋に置いてあった形の綺麗なおにぎりを何も考えず口に運んだ。
放心したまま布団を片付け、着替えを済ませ、盆を片付けに部屋を出た。
道場は相変わらず賑やかだ。
……少し疲れてるのかな……
昨夜は一昨日に比べればそれほど嫌な気持ちでは無かったが、何か浮かない気分だ。
「当たり前の気分かな……」
ぼそりと漏らし歩いて行くと目の前に急に影が現れ、対応しきれずに顔からぶつかってしまった。
ゆっくり歩いていたので全く痛みは無いが、ほぼ無反応だったので、ぶつかられた相手の方が夢主の身を案じた。
「大丈夫か」
顔を上げると、斎藤だった。
「どうした、と訊くのは愚問か」
夢主は斎藤を見上げたまま首をふるふると動かした。
「ごめんなさい……」
そう言うと、ぶつかったのと同じようにまた額を斎藤の胸元に近付けた。
力ない瞳と声で呟く。
「ごめんなさい……」
斎藤は少し驚いたが、そのまま様子を窺った。
自らに遠慮がちに額だけを預けるさまは痛々しく、消えてしまいそうに朧げで。
「しばらく……このままで……いたいです」
「……ぁあ」
斎藤は短く応えると、頭を撫でるでもなく手を添えるでもなく、己の胸に頭を寄せる夢主をただ見つめていた。
また皆揃って朝稽古なのだろうか。
今朝は思ったほど体が痛まない。
たった二度目で体が慣れてしまったのか、永倉が余程夢主の体を気遣ってしてくれたのか。
すぐに考えるのをやめた。
そして部屋に置いてあった形の綺麗なおにぎりを何も考えず口に運んだ。
放心したまま布団を片付け、着替えを済ませ、盆を片付けに部屋を出た。
道場は相変わらず賑やかだ。
……少し疲れてるのかな……
昨夜は一昨日に比べればそれほど嫌な気持ちでは無かったが、何か浮かない気分だ。
「当たり前の気分かな……」
ぼそりと漏らし歩いて行くと目の前に急に影が現れ、対応しきれずに顔からぶつかってしまった。
ゆっくり歩いていたので全く痛みは無いが、ほぼ無反応だったので、ぶつかられた相手の方が夢主の身を案じた。
「大丈夫か」
顔を上げると、斎藤だった。
「どうした、と訊くのは愚問か」
夢主は斎藤を見上げたまま首をふるふると動かした。
「ごめんなさい……」
そう言うと、ぶつかったのと同じようにまた額を斎藤の胸元に近付けた。
力ない瞳と声で呟く。
「ごめんなさい……」
斎藤は少し驚いたが、そのまま様子を窺った。
自らに遠慮がちに額だけを預けるさまは痛々しく、消えてしまいそうに朧げで。
「しばらく……このままで……いたいです」
「……ぁあ」
斎藤は短く応えると、頭を撫でるでもなく手を添えるでもなく、己の胸に頭を寄せる夢主をただ見つめていた。