47.どこへたって
夢主名前設定
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「さ、斎藤さんから預かり物を……していませんか……」
「来ると思ったぜ」
「じゃぁ土方さんがお持ちなんですね!」
土方は思った通りの話にふぅと短く息を吐いた。
「さっき斎藤が取りに来たぜ。お前が余りにも怒っていたから困ったってよ。処分するしかねぇなぁってぼやいてたぜ」
「ぇえっ!!処分って!!酷いじゃないですか!!」
「あぁ、だから……」
「もぅ!土方さんも止めてくださいよ!!大事な物なんですよ!!」
「いや、おい」
土方に対して怒鳴る夢主、土方も面食らって思わず目をしばたいた。
夢主は土方の言葉を最後まで聞かずに飛び出してしまった。
「やれやれ、あいつ相当怒ってるな……斎藤のやつ、知らねぇぞ」
土方は走り去る夢主を見ながら、半ば他人事のように呟いて部屋の中へ戻っていった。
「もぅ、斎藤さんてば!!酷い!!」
いくらなんでも処分するなんて!!夢主は心の中で怒鳴り、部屋へ急いだ。
「斎藤さん!!」
勢いよく障子を開き、勢いあまってパンと高い音が鳴り響いた。
「おいおい、壊れるぞ」
部屋の中で冷静な面持ちの斎藤とその落ち着いた物言いに、夢主は理不尽に怒りを募らせた。
「壊れたって構いません!!私の服返してください!!処分するとかあんまりです!!」
「そう喚くな、中に入れ。みんなに聞こえるぞ」
「聞こえたって構いません!!」
「俺は困る」
「そんなの知りません!私は今困ってます!!」
話を聞かない夢主に斎藤もぴくりと眉を動かした。
「お前がそんなだから置いておくのが嫌なんだ。そこまで感情的になりこだわって。そうまで思っていると、また同じ事をしかねん」
「そんな……だからって処分しちゃうなんて……」
急に勢いをひそめると夢主は下を向き、泣きそうな声で呟いた。
「おい、夢主……」
「っ、斎藤さんなら分かってくれてると思ったのに!!」
斎藤に向かって叫ぶと、顔も見ずに夢主は廊下を走り出した。
「おい、待て」
驚きながらも冷静に止める斎藤だが、夢主は聞く耳持たず真っ直ぐ走って行ってしまった。
「おいおい、何だって言うんだ」
さすがに参った斎藤は、重い腰を上げて後を追いかけた。
途中、異変に気付いた土方に出くわし、冷たい視線を投げ掛けられた。
「誤解ですよ」
「そうかぁ?早く追いかけねぇと外に出ちまうぞ」
「……行く場所なんて無いでしょうよ」
「……まぁ、そうだな」
静かなやり取りだが、口にした言葉に斎藤も土方も表情を曇らせた。
そう、例え飛び出していったところで夢主に行く当ては無いのだ。
「来ると思ったぜ」
「じゃぁ土方さんがお持ちなんですね!」
土方は思った通りの話にふぅと短く息を吐いた。
「さっき斎藤が取りに来たぜ。お前が余りにも怒っていたから困ったってよ。処分するしかねぇなぁってぼやいてたぜ」
「ぇえっ!!処分って!!酷いじゃないですか!!」
「あぁ、だから……」
「もぅ!土方さんも止めてくださいよ!!大事な物なんですよ!!」
「いや、おい」
土方に対して怒鳴る夢主、土方も面食らって思わず目をしばたいた。
夢主は土方の言葉を最後まで聞かずに飛び出してしまった。
「やれやれ、あいつ相当怒ってるな……斎藤のやつ、知らねぇぞ」
土方は走り去る夢主を見ながら、半ば他人事のように呟いて部屋の中へ戻っていった。
「もぅ、斎藤さんてば!!酷い!!」
いくらなんでも処分するなんて!!夢主は心の中で怒鳴り、部屋へ急いだ。
「斎藤さん!!」
勢いよく障子を開き、勢いあまってパンと高い音が鳴り響いた。
「おいおい、壊れるぞ」
部屋の中で冷静な面持ちの斎藤とその落ち着いた物言いに、夢主は理不尽に怒りを募らせた。
「壊れたって構いません!!私の服返してください!!処分するとかあんまりです!!」
「そう喚くな、中に入れ。みんなに聞こえるぞ」
「聞こえたって構いません!!」
「俺は困る」
「そんなの知りません!私は今困ってます!!」
話を聞かない夢主に斎藤もぴくりと眉を動かした。
「お前がそんなだから置いておくのが嫌なんだ。そこまで感情的になりこだわって。そうまで思っていると、また同じ事をしかねん」
「そんな……だからって処分しちゃうなんて……」
急に勢いをひそめると夢主は下を向き、泣きそうな声で呟いた。
「おい、夢主……」
「っ、斎藤さんなら分かってくれてると思ったのに!!」
斎藤に向かって叫ぶと、顔も見ずに夢主は廊下を走り出した。
「おい、待て」
驚きながらも冷静に止める斎藤だが、夢主は聞く耳持たず真っ直ぐ走って行ってしまった。
「おいおい、何だって言うんだ」
さすがに参った斎藤は、重い腰を上げて後を追いかけた。
途中、異変に気付いた土方に出くわし、冷たい視線を投げ掛けられた。
「誤解ですよ」
「そうかぁ?早く追いかけねぇと外に出ちまうぞ」
「……行く場所なんて無いでしょうよ」
「……まぁ、そうだな」
静かなやり取りだが、口にした言葉に斎藤も土方も表情を曇らせた。
そう、例え飛び出していったところで夢主に行く当ては無いのだ。