47.どこへたって
夢主名前設定
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「何を探してるんですか」
「白い……白い包みです。白い布で包んであるんです。これくらいの……」
夢主は手で大きさを表現した。
重くはないが畳んで包めばそれなりに大きくなる。
「ふぅん……」
中身は教えてもらえないのかと不満げな沖田だが、夢主がそこまで大切に思っているものならば一緒に探すことに迷いはない。
「見つかったら中を見せてくださいよ、いいでしょう」
「えっ……それは……」
あの服が残っている事は隠していないが、斎藤以外は処分されたと思っているかもしれない。
敢えて教える必要は無いのだが……。
「分かりました……見つかったらお見せしますね。沖田さんにだけですよ」
「やったぁ!約束ですよ!」
少し迷って返事をしたが、沖田は声を出して喜び、嬉しそうに何度も頷いた。
「しかし斎藤さんが物を隠す場所なんて想像もつかないですね」
「はぃ……」
ふたりで手当たり次第、屯所の中を探して歩いた。
道場内、客間の中、勝手場に座敷、壺の中に木箱の中。
軒下や床下を覗いたり、挙句沖田は屋根裏まで覗き込んだ。
「うぅん、見つかりません!斎藤さんやりますね……」
沖田はむきになって探していた。斎藤と勝負をしている気になってきたのだ。
「もしかして休息所に隠したんじゃないでしょうか、ちょっと僕見てきます!」
これだけ屯所内を探して見つからないのならと、沖田は他に隠せる場所を探し始めた。
「お願いします、私はもう少しここを探してみます」
溜息を吐いて歩き出す夢主に手を振り、沖田は外に駆け出して行った。
「斎藤さんてば……なんで隠しちゃうんだろう……」
夢主は泣きべそをかいていた。
想えば昨夜、斎藤は怒ったり戸惑ったり、相当心乱れていた気がする。
そのせいでワンピースは隠されてしまったのだろうか。
「はぁ……」
また溜息を吐くと夢主は自分の胸に手を当てた。
「どこだろう……ぁ、もしかして……」
これだけ探して見つからないならば、探し方に問題があるのかもしれない。見逃している場所があるはずだ。
探していない場所、人がいない場所ではなくて、いる場所……
人がいるのに皆が近づけない……
あの服を知っている人間で受け入れる人と言えば……
「土方さん!」
夢主は土方の部屋に急ぎ、声を荒げて呼び掛けた。
「土方さん!入ります!」
「なんだ、どうしたよ」
珍しく土方が自ら障子を開けて夢主の姿を見つけた。
「お、お聞きしたい事が……」
「んん、なんでぃ」
泣きそうな夢主を見て、心当たりのある土方はやれやれといった顔で頭を掻いた。
「白い……白い包みです。白い布で包んであるんです。これくらいの……」
夢主は手で大きさを表現した。
重くはないが畳んで包めばそれなりに大きくなる。
「ふぅん……」
中身は教えてもらえないのかと不満げな沖田だが、夢主がそこまで大切に思っているものならば一緒に探すことに迷いはない。
「見つかったら中を見せてくださいよ、いいでしょう」
「えっ……それは……」
あの服が残っている事は隠していないが、斎藤以外は処分されたと思っているかもしれない。
敢えて教える必要は無いのだが……。
「分かりました……見つかったらお見せしますね。沖田さんにだけですよ」
「やったぁ!約束ですよ!」
少し迷って返事をしたが、沖田は声を出して喜び、嬉しそうに何度も頷いた。
「しかし斎藤さんが物を隠す場所なんて想像もつかないですね」
「はぃ……」
ふたりで手当たり次第、屯所の中を探して歩いた。
道場内、客間の中、勝手場に座敷、壺の中に木箱の中。
軒下や床下を覗いたり、挙句沖田は屋根裏まで覗き込んだ。
「うぅん、見つかりません!斎藤さんやりますね……」
沖田はむきになって探していた。斎藤と勝負をしている気になってきたのだ。
「もしかして休息所に隠したんじゃないでしょうか、ちょっと僕見てきます!」
これだけ屯所内を探して見つからないのならと、沖田は他に隠せる場所を探し始めた。
「お願いします、私はもう少しここを探してみます」
溜息を吐いて歩き出す夢主に手を振り、沖田は外に駆け出して行った。
「斎藤さんてば……なんで隠しちゃうんだろう……」
夢主は泣きべそをかいていた。
想えば昨夜、斎藤は怒ったり戸惑ったり、相当心乱れていた気がする。
そのせいでワンピースは隠されてしまったのだろうか。
「はぁ……」
また溜息を吐くと夢主は自分の胸に手を当てた。
「どこだろう……ぁ、もしかして……」
これだけ探して見つからないならば、探し方に問題があるのかもしれない。見逃している場所があるはずだ。
探していない場所、人がいない場所ではなくて、いる場所……
人がいるのに皆が近づけない……
あの服を知っている人間で受け入れる人と言えば……
「土方さん!」
夢主は土方の部屋に急ぎ、声を荒げて呼び掛けた。
「土方さん!入ります!」
「なんだ、どうしたよ」
珍しく土方が自ら障子を開けて夢主の姿を見つけた。
「お、お聞きしたい事が……」
「んん、なんでぃ」
泣きそうな夢主を見て、心当たりのある土方はやれやれといった顔で頭を掻いた。