44.本気のお稽古
夢主名前設定
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道場の二人は息を整えながら、ゆらりと木刀を持ち上げた。
「そろそろ決めましょうよ」
「あぁ、願っても無い」
そう言うと二人揃って突きの構えを取った。
斎藤も沖田も突きには自信がある。
疾さと力、勢いの対決だ。
「行くぞ」
「行きますよっ」
雄叫びを上げて相手に突進していく二人、その時、わざと時機を探っていた藤堂が大きな声を上げた。
「さぁあーー夢主、一緒に行こうぜぇ~~!!」
気付くと藤堂が自分の胸の前に夢主を抱えあげていた。
「ひゃぁ、えっ?!藤堂さんっ!!あのっ!えっ……きゃぁああっ」
突然抱き上げられて、あわあわと狼狽する夢主の甲高い声が道場に響き渡る。
藤堂がわざと顔を近づけて夢主を紅潮させていた。
何もしないから……
ニコニコ微笑む藤堂だが、こうなった理由が分からない夢主はただ慌てていた。
「っ……夢主ちゃんっ!!?」
突進しながら咄嗟に夢主を確認した沖田、気付いた時には斎藤の一撃で木刀を叩き落されていた。
「あぁぁっ!!!!」
「隙あり、だな。沖田君」
斎藤はにやりと嬉しそうに目を細めた。
悲鳴が気にならないと言えば嘘になるが、相手が藤堂ならただの悪戯だ。
勝負に集中した斎藤は手を緩めなかった。
「あぁっ悔しいっ!!ちょっと藤堂さん、何してるんですか!!」
「あぁ?だって全然勝負決まらないからさー」
「そんな事、放っておいて下さいよ!!斎藤さん、今のはっ」
「無しだと言いたいか、夢主のせいにするか」
「うっ……」
思わずもう一度と言いそうになった沖田だが、決まってしまった勝負は仕方が無い。
悔しさを飲み込んで首を振った。
「斎藤さん貴方の勝ちです……今日の所は」
「フフッ、今日の賭けは俺が貰っておく。忘れるなよ。まぁ、いつでも手合わせの相手はするぜ」
ニッと笑って言う斎藤。手合わせすればおおよそ互角。
その日その日の、ほんの僅かな事がきっかけで勝負が決まる。
今日は藤堂が仕掛けた夢主への悪戯がきっかけになってしまった。
狙っていた藤堂はどちらが引っかかるかと楽しみに仕掛けたのだが。
「君の弱点が露呈したな。優しさだ。あいつへの優しさで剣が揺らいだ。冷静さを失っちまったな」
「言い訳はしません……」
悔しそうに言いながら木刀を拾い、刀掛けへ片付けた。
「そろそろ決めましょうよ」
「あぁ、願っても無い」
そう言うと二人揃って突きの構えを取った。
斎藤も沖田も突きには自信がある。
疾さと力、勢いの対決だ。
「行くぞ」
「行きますよっ」
雄叫びを上げて相手に突進していく二人、その時、わざと時機を探っていた藤堂が大きな声を上げた。
「さぁあーー夢主、一緒に行こうぜぇ~~!!」
気付くと藤堂が自分の胸の前に夢主を抱えあげていた。
「ひゃぁ、えっ?!藤堂さんっ!!あのっ!えっ……きゃぁああっ」
突然抱き上げられて、あわあわと狼狽する夢主の甲高い声が道場に響き渡る。
藤堂がわざと顔を近づけて夢主を紅潮させていた。
何もしないから……
ニコニコ微笑む藤堂だが、こうなった理由が分からない夢主はただ慌てていた。
「っ……夢主ちゃんっ!!?」
突進しながら咄嗟に夢主を確認した沖田、気付いた時には斎藤の一撃で木刀を叩き落されていた。
「あぁぁっ!!!!」
「隙あり、だな。沖田君」
斎藤はにやりと嬉しそうに目を細めた。
悲鳴が気にならないと言えば嘘になるが、相手が藤堂ならただの悪戯だ。
勝負に集中した斎藤は手を緩めなかった。
「あぁっ悔しいっ!!ちょっと藤堂さん、何してるんですか!!」
「あぁ?だって全然勝負決まらないからさー」
「そんな事、放っておいて下さいよ!!斎藤さん、今のはっ」
「無しだと言いたいか、夢主のせいにするか」
「うっ……」
思わずもう一度と言いそうになった沖田だが、決まってしまった勝負は仕方が無い。
悔しさを飲み込んで首を振った。
「斎藤さん貴方の勝ちです……今日の所は」
「フフッ、今日の賭けは俺が貰っておく。忘れるなよ。まぁ、いつでも手合わせの相手はするぜ」
ニッと笑って言う斎藤。手合わせすればおおよそ互角。
その日その日の、ほんの僅かな事がきっかけで勝負が決まる。
今日は藤堂が仕掛けた夢主への悪戯がきっかけになってしまった。
狙っていた藤堂はどちらが引っかかるかと楽しみに仕掛けたのだが。
「君の弱点が露呈したな。優しさだ。あいつへの優しさで剣が揺らいだ。冷静さを失っちまったな」
「言い訳はしません……」
悔しそうに言いながら木刀を拾い、刀掛けへ片付けた。