44.本気のお稽古
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「もしかして一緒に稽古してたのか?」
「はぃ。でもちょっと出ていたらこんな事に……これじゃ……戻れませんね」
二人して中を覗き、小声で話した。
中の二人は周りへの意識を全て放棄しているのか、全く反応がない。
「うーーん……じゃあさ、俺と散歩でも行こうぜ。どうせこれじゃぁ稽古続けられないでしょ」
「えぇっ、でも勝手に外には出られません」
「そぅ?」
いきなりの誘いを夢主は戸惑って断った。
藤堂は悪気の無い顔で見ている。
「しっかし、二人とも熱くなってるなー。何か訳ありか、賭けでもしてるんじゃない」
藤堂はにやにやと中を見ている。
本音を言えば見ているだけではウズウズするので、この激しさの中に混ざりたいのだ。
「賭けなんて……」
二人で賭け……勝負好きの二人ならあるかもしれない。
だが賭けるものが何も思い浮かばない夢主は首をひねった。
「う~~ん……賭けなんてしてなくても、お二人はよくぶつかりますから……」
「ははっ、よく分かってるね!」
「ぁはっ……」
覗き見する二人に未だ気付かないのか、斎藤達は止まる気配が無い。
「大丈夫でしょうか……」
「ははっ、大丈夫だよ!だってほら、二人とも道場を壊さないように気を付けてるだろ。正気を保ってるって事だよ」
心配そうに見つめる夢主に、藤堂は笑って答えた。
斎藤は床に届くほどの勢いで振り下ろしても、床板を叩き割らぬよう木刀を止めて今度は振り上げる。
沖田も斎藤も床や壁に木刀が当たらないよう立ち回っていた。
大きな音を立てて交わり、押し合う二人の木刀。
足技などは使わないで、木刀だけで勝負していた。
稽古という体面上、道場を壊さない、互いに無意味は怪我をしないと気を使っていた。
下手をすれば喧嘩かと土方に問い詰められかねない。切腹や意思に反しての脱走は御免だった。
「っく、しぶといですね……斎藤さんっ!」
「ちっ、こっちの台詞だっ!」
ギリギリと木刀を震わせて力いっぱい押し合う二人。
このまま押し合っても力では斎藤に分があると、沖田は体を回して木刀を流すように交わした。
沖田はそのまま突こうと木刀を突き出すが、体を流された斎藤も体勢を崩した状態で横薙ぎに木刀を振り上げ、沖田の突きを弾いた。
弾かれた沖田も体勢を崩す。
二人揃って体勢を立て直して、改めて向かい合った。
両者とも僅かに息が上がっている。
外から覗く藤堂もなかなかつかない勝負に気を揉んでいた。
「面白いこと思い付いたぞ……」
「えっ?」
藤堂はふと頭の上の手を解き、夢主を見てにこりと笑った。
無邪気で含みのある笑みに夢主の思考が停止した。
「はぃ。でもちょっと出ていたらこんな事に……これじゃ……戻れませんね」
二人して中を覗き、小声で話した。
中の二人は周りへの意識を全て放棄しているのか、全く反応がない。
「うーーん……じゃあさ、俺と散歩でも行こうぜ。どうせこれじゃぁ稽古続けられないでしょ」
「えぇっ、でも勝手に外には出られません」
「そぅ?」
いきなりの誘いを夢主は戸惑って断った。
藤堂は悪気の無い顔で見ている。
「しっかし、二人とも熱くなってるなー。何か訳ありか、賭けでもしてるんじゃない」
藤堂はにやにやと中を見ている。
本音を言えば見ているだけではウズウズするので、この激しさの中に混ざりたいのだ。
「賭けなんて……」
二人で賭け……勝負好きの二人ならあるかもしれない。
だが賭けるものが何も思い浮かばない夢主は首をひねった。
「う~~ん……賭けなんてしてなくても、お二人はよくぶつかりますから……」
「ははっ、よく分かってるね!」
「ぁはっ……」
覗き見する二人に未だ気付かないのか、斎藤達は止まる気配が無い。
「大丈夫でしょうか……」
「ははっ、大丈夫だよ!だってほら、二人とも道場を壊さないように気を付けてるだろ。正気を保ってるって事だよ」
心配そうに見つめる夢主に、藤堂は笑って答えた。
斎藤は床に届くほどの勢いで振り下ろしても、床板を叩き割らぬよう木刀を止めて今度は振り上げる。
沖田も斎藤も床や壁に木刀が当たらないよう立ち回っていた。
大きな音を立てて交わり、押し合う二人の木刀。
足技などは使わないで、木刀だけで勝負していた。
稽古という体面上、道場を壊さない、互いに無意味は怪我をしないと気を使っていた。
下手をすれば喧嘩かと土方に問い詰められかねない。切腹や意思に反しての脱走は御免だった。
「っく、しぶといですね……斎藤さんっ!」
「ちっ、こっちの台詞だっ!」
ギリギリと木刀を震わせて力いっぱい押し合う二人。
このまま押し合っても力では斎藤に分があると、沖田は体を回して木刀を流すように交わした。
沖田はそのまま突こうと木刀を突き出すが、体を流された斎藤も体勢を崩した状態で横薙ぎに木刀を振り上げ、沖田の突きを弾いた。
弾かれた沖田も体勢を崩す。
二人揃って体勢を立て直して、改めて向かい合った。
両者とも僅かに息が上がっている。
外から覗く藤堂もなかなかつかない勝負に気を揉んでいた。
「面白いこと思い付いたぞ……」
「えっ?」
藤堂はふと頭の上の手を解き、夢主を見てにこりと笑った。
無邪気で含みのある笑みに夢主の思考が停止した。