44.本気のお稽古
夢主名前設定
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「ほら、ぼさっとしていないで、構えてみろ」
「はいっ」
見惚れていた夢主は慌てて木刀を構えた。
顔が少し熱く感じる。赤くなって二人にばれていないか。
夢主に合わせて沖田も再び構えた。
「い……いきますっ」
まずは力を入れず、斎藤や沖田のように綺麗に振り下ろすよう心掛けた。
木刀が交わる軽い音がカツンと響く。
「綺麗ですね。慣れたら強くしてみて下さい。僕はいくらでも大丈夫ですよ」
どれだけ強く打ち込まれてもしっかり受け止める自信がある沖田は、夢主が遠慮なく打てるよう言葉を掛けた。
「はいっ、お願いします」
それからひたすら沖田に受け止めてもらう練習を繰り返した。
ずっと振り下ろし続け、徐々に慣れて力強くなっていった。
「はぁっ……はぁっ……」
「ふふっ、続けて頑張ったね。少し休みますか、だいぶ腕にも来てるんじゃないですか」
同じ動きを続け、きっと腕に疲れが出る頃。
沖田は息が上がり始めた夢主を気遣い、夢主が休みやすいよう先に木刀を下ろした。
「僕、ちょっとお水飲んできますね。夢主ちゃんも一緒にどうですか」
「いいえ、大丈夫です」
沖田は喉の渇きを覚え、潤しに出て行った。
誘いに首を振った夢主は少し座って休みたかった。
腕だけではなく全身が疲労している。座っても良いものか斎藤の顔を見た。
「おい、ちょっと構えてみろ」
「えぇっ、……斎藤さんにですか」
突然の斎藤の要求に戸惑って木刀を握り締めた。
どうしても斎藤に向かい構えを取る気になれない。
「俺でも沖田君でも変わらんだろうが」
「ぅっ……」
少し休みたいのに……そんな思いも抱えて、渋々と斎藤に向かって構えてみた。
何故か沖田に対して構える時より体に力が入る。
「や、やっぱり斎藤さんに向かっては出来ないです……」
恥ずかしさを感じて面と向かって構えられない。
斎藤に正面から見据えられると体の力が抜けていく。それを振り払おうとすると、妙な力みが生まれてしまう。
「いいから、やってみろ」
「……」
どうしてもやらせたいのか、引く様子が無い。夢主は諦めて再び構えた。
「どうした、力が入りすぎだぞ。何が違う」
先程まで綺麗な構えだった夢主に、斎藤は力みすぎだと指摘した。
貴方にこんな真っ直ぐ見られていると恥ずかしいから……
そうは言えなかった。
「はいっ」
見惚れていた夢主は慌てて木刀を構えた。
顔が少し熱く感じる。赤くなって二人にばれていないか。
夢主に合わせて沖田も再び構えた。
「い……いきますっ」
まずは力を入れず、斎藤や沖田のように綺麗に振り下ろすよう心掛けた。
木刀が交わる軽い音がカツンと響く。
「綺麗ですね。慣れたら強くしてみて下さい。僕はいくらでも大丈夫ですよ」
どれだけ強く打ち込まれてもしっかり受け止める自信がある沖田は、夢主が遠慮なく打てるよう言葉を掛けた。
「はいっ、お願いします」
それからひたすら沖田に受け止めてもらう練習を繰り返した。
ずっと振り下ろし続け、徐々に慣れて力強くなっていった。
「はぁっ……はぁっ……」
「ふふっ、続けて頑張ったね。少し休みますか、だいぶ腕にも来てるんじゃないですか」
同じ動きを続け、きっと腕に疲れが出る頃。
沖田は息が上がり始めた夢主を気遣い、夢主が休みやすいよう先に木刀を下ろした。
「僕、ちょっとお水飲んできますね。夢主ちゃんも一緒にどうですか」
「いいえ、大丈夫です」
沖田は喉の渇きを覚え、潤しに出て行った。
誘いに首を振った夢主は少し座って休みたかった。
腕だけではなく全身が疲労している。座っても良いものか斎藤の顔を見た。
「おい、ちょっと構えてみろ」
「えぇっ、……斎藤さんにですか」
突然の斎藤の要求に戸惑って木刀を握り締めた。
どうしても斎藤に向かい構えを取る気になれない。
「俺でも沖田君でも変わらんだろうが」
「ぅっ……」
少し休みたいのに……そんな思いも抱えて、渋々と斎藤に向かって構えてみた。
何故か沖田に対して構える時より体に力が入る。
「や、やっぱり斎藤さんに向かっては出来ないです……」
恥ずかしさを感じて面と向かって構えられない。
斎藤に正面から見据えられると体の力が抜けていく。それを振り払おうとすると、妙な力みが生まれてしまう。
「いいから、やってみろ」
「……」
どうしてもやらせたいのか、引く様子が無い。夢主は諦めて再び構えた。
「どうした、力が入りすぎだぞ。何が違う」
先程まで綺麗な構えだった夢主に、斎藤は力みすぎだと指摘した。
貴方にこんな真っ直ぐ見られていると恥ずかしいから……
そうは言えなかった。