44.本気のお稽古
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「僕の打ち込みを受ける練習とか。この前みたいに!後に斎藤さんに立ってもらって、ひたすら僕が打ち込みましょうか」
「えぇっ!!あれですかっ……あれは……怖かったです……」
楽しそうに提案する沖田だが、あの瞬間に恐怖を感じた夢主は困惑した。
「そんなに怖かったですか……確かに目を瞑っちゃってましたよね、あははっ」
「すみません……」
そんなに自分が怖かったのかと申し訳なさそうな沖田に、夢主は自分こそ申し訳ないと小さくなって謝った。
沖田は普段から平隊士への稽古が厳しすぎると言われる。
あの時はそんな自分が少し出てしまったと反省していた。
「えぇ~と、じゃぁ……」
「先に夢主に打ち込ませたらどうだ」
何が良いか迷い始めた沖田に斎藤が提案した。
斎藤が率先して道場で隊士達の前に立つことは少ないが、人に指南する事には慣れている。
「えっ、夢主ちゃんに打ち込ませるんですか」
「あぁ。そして慣れた頃に君が打ち込む側になればいい。実際に自分が打ち込んで感覚を掴み、慣れてから受ける側に回ればやり易いだろう。どうだ」
「そうですね……いいかも知れません。やってみますか」
「はぃ、教えて下さい」
優しく覗き込んで確認する沖田に頷き、急いで自分の軽い木刀を取りに行った。
「じゃぁ……斎藤さんに打ち込むのは難しいでしょうから、ははっ、僕に向かって来て下さい」
木刀を持って戻った夢主にそう言い、沖田は少し離れて木刀を構えた。
沖田の構えが整うと、夢主は斎藤の顔を見た。
どう打ち込んだら良いか教えて欲しいのだ。
「手本を見せてやる。見てろ」
「お手本なんですから、見やすいようにゆっくり、軽くして下さいよー」
「フン、分かったよ」
斎藤が木刀を手に沖田に向かい構えた。稽古とは言え隙のない構えだ。
「いいか夢主、踏み込むのは大事だが、体を捨てに行くな。打ち込んだ直後に相手からも一撃返ってくるつもりで動け」
「は……はぃ……」
いきなりそんな指導を受けても夢主に飲み込めるはずがない。
とりあえず返事だけして、斎藤の動きに目を向けた。
「いくぞ」
一言発し沖田の要望通りゆっくりと、だが無駄の無い動きで真っ直ぐ打ち込んだ。
「わぁ……斎藤さん、綺麗です……」
「見えたか」
「は、はぃっ……ありがとうございます」
自分の為に手本を見せてくれた斎藤。
丁寧に打ち出された美しい一刀に目も心も奪われた。
……斎藤さんがこんな綺麗な剣を振るうなんて……思わなかった……
夢主は先程の沖田に負けない美しい動きに感動していた。
「えぇっ!!あれですかっ……あれは……怖かったです……」
楽しそうに提案する沖田だが、あの瞬間に恐怖を感じた夢主は困惑した。
「そんなに怖かったですか……確かに目を瞑っちゃってましたよね、あははっ」
「すみません……」
そんなに自分が怖かったのかと申し訳なさそうな沖田に、夢主は自分こそ申し訳ないと小さくなって謝った。
沖田は普段から平隊士への稽古が厳しすぎると言われる。
あの時はそんな自分が少し出てしまったと反省していた。
「えぇ~と、じゃぁ……」
「先に夢主に打ち込ませたらどうだ」
何が良いか迷い始めた沖田に斎藤が提案した。
斎藤が率先して道場で隊士達の前に立つことは少ないが、人に指南する事には慣れている。
「えっ、夢主ちゃんに打ち込ませるんですか」
「あぁ。そして慣れた頃に君が打ち込む側になればいい。実際に自分が打ち込んで感覚を掴み、慣れてから受ける側に回ればやり易いだろう。どうだ」
「そうですね……いいかも知れません。やってみますか」
「はぃ、教えて下さい」
優しく覗き込んで確認する沖田に頷き、急いで自分の軽い木刀を取りに行った。
「じゃぁ……斎藤さんに打ち込むのは難しいでしょうから、ははっ、僕に向かって来て下さい」
木刀を持って戻った夢主にそう言い、沖田は少し離れて木刀を構えた。
沖田の構えが整うと、夢主は斎藤の顔を見た。
どう打ち込んだら良いか教えて欲しいのだ。
「手本を見せてやる。見てろ」
「お手本なんですから、見やすいようにゆっくり、軽くして下さいよー」
「フン、分かったよ」
斎藤が木刀を手に沖田に向かい構えた。稽古とは言え隙のない構えだ。
「いいか夢主、踏み込むのは大事だが、体を捨てに行くな。打ち込んだ直後に相手からも一撃返ってくるつもりで動け」
「は……はぃ……」
いきなりそんな指導を受けても夢主に飲み込めるはずがない。
とりあえず返事だけして、斎藤の動きに目を向けた。
「いくぞ」
一言発し沖田の要望通りゆっくりと、だが無駄の無い動きで真っ直ぐ打ち込んだ。
「わぁ……斎藤さん、綺麗です……」
「見えたか」
「は、はぃっ……ありがとうございます」
自分の為に手本を見せてくれた斎藤。
丁寧に打ち出された美しい一刀に目も心も奪われた。
……斎藤さんがこんな綺麗な剣を振るうなんて……思わなかった……
夢主は先程の沖田に負けない美しい動きに感動していた。