44.本気のお稽古
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夢主が道場に着くと、既に沖田が一人稽古を始めていた。
沖田の型稽古はいつも魅入ってしまう美しさがある。
緩急をつけた見事な動きは周りの空気を操り、まるで何かの舞を見ているようだ。
目の前の空間を斬るように音を立てて木刀を振り下ろし、こちらを見た沖田が夢主の姿を見つけた。
「夢主ちゃん、来たね」
「はっ、はい」
惚れ惚れと見ていたのを隠して、夢主は入り口から走り寄った。
「斎藤さんと一緒に来るかと思ったのに。斎藤さん忙しいって?」
約束を覚えていた沖田が何の気なしに訊ねたが、夢主は困ったように眉を寄せた。
「いぇ、そぅいう訳ではないのですが……落ち着いて考えたら、恥ずかしいなぁって……」
「あははっ、お稽古見られるの恥ずかしいの?ちっとも恥ずかしくないよ、夢主ちゃんの型、とても綺麗だもの。隊士の皆より美しいですよ」
決してお世辞ではなかった。
実際に手合わせをすれば敵いはしないだろうが、その動きの美しさはきっと生まれ持った気質のせい、沖田はそう感じていた。
「ぁは……ありがとうございます。……でも……最初は沖田さんと向かい合うのも恥ずかしかったんですよ」
「あははっ、そうなんですか。今はもう平気でしょ、堂々としてるよ。きっとすぐ慣れると思うけどね。二人いたら色々出来ていいと思うんだけどな……ほらっ」
話の途中で沖田が道場の入り口に目を移し、夢主もつられて首を動かした。
「わっ!斎藤さんっ!!」
文句あるか……そんな顔付きで斎藤が入ってきた。
もちろん道着姿である。
「全く、最初は慣れなくて当然だろう。下手くそでも構うか、期待なんかしてないさ」
「はっ……はぃ……」
ビシバシ鍛えられるのも嫌だが、期待していないと言われるのも哀しい。
近付く斎藤から目を伏せた。
「そもそも……まぁいい」
斎藤は何か言い掛けたが、夢主が落ち込んだのを見て言うのを止めた。
「まぁとにかく今日は三人でやりましょうよ!折角だから二人じゃ出来ないお稽古がいいですねぇ」
「どんなお稽古ですか」
「んー」
何が始まるのか不安げな夢主をよそに、沖田は何がいいかなーと楽しそうに考えている。
沖田の型稽古はいつも魅入ってしまう美しさがある。
緩急をつけた見事な動きは周りの空気を操り、まるで何かの舞を見ているようだ。
目の前の空間を斬るように音を立てて木刀を振り下ろし、こちらを見た沖田が夢主の姿を見つけた。
「夢主ちゃん、来たね」
「はっ、はい」
惚れ惚れと見ていたのを隠して、夢主は入り口から走り寄った。
「斎藤さんと一緒に来るかと思ったのに。斎藤さん忙しいって?」
約束を覚えていた沖田が何の気なしに訊ねたが、夢主は困ったように眉を寄せた。
「いぇ、そぅいう訳ではないのですが……落ち着いて考えたら、恥ずかしいなぁって……」
「あははっ、お稽古見られるの恥ずかしいの?ちっとも恥ずかしくないよ、夢主ちゃんの型、とても綺麗だもの。隊士の皆より美しいですよ」
決してお世辞ではなかった。
実際に手合わせをすれば敵いはしないだろうが、その動きの美しさはきっと生まれ持った気質のせい、沖田はそう感じていた。
「ぁは……ありがとうございます。……でも……最初は沖田さんと向かい合うのも恥ずかしかったんですよ」
「あははっ、そうなんですか。今はもう平気でしょ、堂々としてるよ。きっとすぐ慣れると思うけどね。二人いたら色々出来ていいと思うんだけどな……ほらっ」
話の途中で沖田が道場の入り口に目を移し、夢主もつられて首を動かした。
「わっ!斎藤さんっ!!」
文句あるか……そんな顔付きで斎藤が入ってきた。
もちろん道着姿である。
「全く、最初は慣れなくて当然だろう。下手くそでも構うか、期待なんかしてないさ」
「はっ……はぃ……」
ビシバシ鍛えられるのも嫌だが、期待していないと言われるのも哀しい。
近付く斎藤から目を伏せた。
「そもそも……まぁいい」
斎藤は何か言い掛けたが、夢主が落ち込んだのを見て言うのを止めた。
「まぁとにかく今日は三人でやりましょうよ!折角だから二人じゃ出来ないお稽古がいいですねぇ」
「どんなお稽古ですか」
「んー」
何が始まるのか不安げな夢主をよそに、沖田は何がいいかなーと楽しそうに考えている。