43.いけない事
夢主名前設定
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とぼとぼ夢主が戻ると斎藤と沖田が部屋に戻らず待っていた。
先程の元気が失せており、二人はどうしたと顔を見合わせた。
「どうした」
「元気ありませんね……何か言われちゃいましたか」
「はぃ……でもよく分かりませんでした……あの、斎藤さん」
博識な斎藤なら分かるだろうか。
土方に言われた言葉がどういう意味なのか。
「土方さんが、梅は花も実もあって……私みたいと仰ったのですが……斎藤さん、どういう意味か分かりますか」
自分を見上げる夢主に、斎藤は片眉を上げて反応した。
「ほぉ、土方さんがそんな事をな。まぁ言葉の通りだろう。見た目美しく、花が終われば実がなり、様々形を変えて食す事が出来る」
夢主はそれで……と続く言葉を待った。
沖田も続きを聞きたがっている。
「器量好しで性格も人柄も好いって事だろう。誉めてくれたんだろうよ」
「そぅ……ですか……」
意味深な言われ方だったので、夢主はもっと違う意味があるのではと気になっていたが、斎藤が言うならそうだろうと安心した。
だが「もうするな」と言われた意味は分からなかった。
一方、斎藤はもう少し違う意味合いで土方の言葉を受け取っていた。
言葉のまま、梅は花も美しくて出来る実も中身も素晴らしい……だが土方の事だ、艶っぽい冗談も含めていたのだろう。
……見た目の美しさは言うまでもなく、実を食べても……つまりは見て愛でるだけではなく抱いても格別、そんな所だろう……
思いつくまま夢主に言えるわけもなく、斎藤はそつなく説明して話を終わらせた。
「うん、僕もそう思いますよっ」
擦れた思いの無い沖田は斎藤の説明に満足そうに頷いた。
それから数日が経った頃、再び湯屋へ赴いた。
先日と同じ温かな昼下がりだ。
帰り道、夢主はまた綺麗な梅の花が落ちているのを見つけた。
「あっ……」
この日も思わず拾い上げるが、今日は何やら考え込んだ。
先日土方に届けた梅の花はそろそろしおれている頃。
あんなに安らいだ顔で梅の花を愛でていたのだ、本当に梅が大好きなのだ。
小枝を持ったまま黙っている夢主を、何やら様子がおかしいと心配そうに覗き込んで沖田が訊いた。
「どうしたんですか?今日も土方さんに持って行きますか?」
「はぃ……あのっ、沖田さんこれっ……」
ずいっと沖田に向け小枝を差し出す夢主。
「えっ?僕に?」
「いえっ、その……沖田さんから土方さんに渡して頂けますか……やっぱり、私には出来ません……」
「どうしたの」
沖田は不思議に思いながらも、力強く差し出された梅を断りきれず受け取り、首を傾げながら斎藤を見た。
斎藤も同じく首をひねり眉を上げて「さて?」と言った顔をしている。
先程の元気が失せており、二人はどうしたと顔を見合わせた。
「どうした」
「元気ありませんね……何か言われちゃいましたか」
「はぃ……でもよく分かりませんでした……あの、斎藤さん」
博識な斎藤なら分かるだろうか。
土方に言われた言葉がどういう意味なのか。
「土方さんが、梅は花も実もあって……私みたいと仰ったのですが……斎藤さん、どういう意味か分かりますか」
自分を見上げる夢主に、斎藤は片眉を上げて反応した。
「ほぉ、土方さんがそんな事をな。まぁ言葉の通りだろう。見た目美しく、花が終われば実がなり、様々形を変えて食す事が出来る」
夢主はそれで……と続く言葉を待った。
沖田も続きを聞きたがっている。
「器量好しで性格も人柄も好いって事だろう。誉めてくれたんだろうよ」
「そぅ……ですか……」
意味深な言われ方だったので、夢主はもっと違う意味があるのではと気になっていたが、斎藤が言うならそうだろうと安心した。
だが「もうするな」と言われた意味は分からなかった。
一方、斎藤はもう少し違う意味合いで土方の言葉を受け取っていた。
言葉のまま、梅は花も美しくて出来る実も中身も素晴らしい……だが土方の事だ、艶っぽい冗談も含めていたのだろう。
……見た目の美しさは言うまでもなく、実を食べても……つまりは見て愛でるだけではなく抱いても格別、そんな所だろう……
思いつくまま夢主に言えるわけもなく、斎藤はそつなく説明して話を終わらせた。
「うん、僕もそう思いますよっ」
擦れた思いの無い沖田は斎藤の説明に満足そうに頷いた。
それから数日が経った頃、再び湯屋へ赴いた。
先日と同じ温かな昼下がりだ。
帰り道、夢主はまた綺麗な梅の花が落ちているのを見つけた。
「あっ……」
この日も思わず拾い上げるが、今日は何やら考え込んだ。
先日土方に届けた梅の花はそろそろしおれている頃。
あんなに安らいだ顔で梅の花を愛でていたのだ、本当に梅が大好きなのだ。
小枝を持ったまま黙っている夢主を、何やら様子がおかしいと心配そうに覗き込んで沖田が訊いた。
「どうしたんですか?今日も土方さんに持って行きますか?」
「はぃ……あのっ、沖田さんこれっ……」
ずいっと沖田に向け小枝を差し出す夢主。
「えっ?僕に?」
「いえっ、その……沖田さんから土方さんに渡して頂けますか……やっぱり、私には出来ません……」
「どうしたの」
沖田は不思議に思いながらも、力強く差し出された梅を断りきれず受け取り、首を傾げながら斎藤を見た。
斎藤も同じく首をひねり眉を上げて「さて?」と言った顔をしている。