43.いけない事
夢主名前設定
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「ふふっ、楽しかったみたいで良かったです」
夢主はクスリと笑って二人を眺めた。
斎藤はまたしても面白くないと舌打ちをしたが、沖田は陽気に笑っていた。
帰りは沖田の提案でいつもと違う道を行く事になった。
「今日は回り道してゆっくり帰りましょう」
いつもより暖かい空気の中、三人のんびり歩いて行く。
時間までもがゆっくり流れているような穏やかさ。
共に歩いているだけで心が満たされて感じるとは何て幸せなのだろう。
その時、ふと夢主がある垣根の向こうに何かを見つけた。
「あ、梅……」
「本当だ!」
夢主の言葉で見上げると、垣根の向こうから伸びる枝に幾つか咲いている梅の花が見えた。
「早いな……」
「暖かいから……咲いたのかな」
斎藤も沖田も心が和んだのか、見上げる顔が柔らかい。
夢主も嬉しくて暫くの間、眺めてしまった。
「あっ……」
歩き出そうと視線を下ろした足元に、花が付いたままの枝が落ちているのを見つけた。
「お花がついてる……」
小振りだが綺麗な梅の花が三つ、綺麗に咲いたまま付いている。
「これ……持って帰ってもいいでしょうか……」
大事そうに両手で拾い上げた夢主、意味も無く二人に同意を求めてしまった。
「好きにしろ」
「綺麗ですね」
二人の反応に喜び、にこりと首を傾げるともう一度梅を見た。
それから記憶を確かめるよう沖田に訊ねた。
「土方さん……梅の花がお好きですよね」
「あぁ……そうですね、土方さんはお好きだと思いますよ。持って行ってあげるんですか」
「はぃ」
まだ咲き始めたばかりの梅の花を、土方に見せてあげたいと思ったのだ。
きっと喜んで花を愛でるだろう。
夢主の優しい心遣いに、斎藤と沖田は顔を見合わせてフッと笑った。
屯所に戻ると夢主は自室へ向かう沖田を呼び止めた。
「あの……沖田さんから渡して頂けませんか」
「え、夢主ちゃん渡しに行かないの?土方さん喜ぶと思うよ」
すまなさそうに申し訳なさそうに頼む夢主に沖田は聞き返した。
「私が行ってもご迷惑じゃないでしょうか……土方さんいつも忙しいですし……」
「あははっ、大丈夫ですよっ。土方さんに怒られるかと思いました?」
「っ……それは……」
用事もないのに、忙しい新選組副長を訪ねることには抵抗があった。
隊士達の目もある。
「ふふっ、夢主ちゃん行っておいでよ」
沖田に促され夢主は小さく首を縦に動かし、土方の部屋へ足を向けた。
そばで見ていた斎藤も夢主が土方の部屋へ駆けて行くのを見守った。
夢主はクスリと笑って二人を眺めた。
斎藤はまたしても面白くないと舌打ちをしたが、沖田は陽気に笑っていた。
帰りは沖田の提案でいつもと違う道を行く事になった。
「今日は回り道してゆっくり帰りましょう」
いつもより暖かい空気の中、三人のんびり歩いて行く。
時間までもがゆっくり流れているような穏やかさ。
共に歩いているだけで心が満たされて感じるとは何て幸せなのだろう。
その時、ふと夢主がある垣根の向こうに何かを見つけた。
「あ、梅……」
「本当だ!」
夢主の言葉で見上げると、垣根の向こうから伸びる枝に幾つか咲いている梅の花が見えた。
「早いな……」
「暖かいから……咲いたのかな」
斎藤も沖田も心が和んだのか、見上げる顔が柔らかい。
夢主も嬉しくて暫くの間、眺めてしまった。
「あっ……」
歩き出そうと視線を下ろした足元に、花が付いたままの枝が落ちているのを見つけた。
「お花がついてる……」
小振りだが綺麗な梅の花が三つ、綺麗に咲いたまま付いている。
「これ……持って帰ってもいいでしょうか……」
大事そうに両手で拾い上げた夢主、意味も無く二人に同意を求めてしまった。
「好きにしろ」
「綺麗ですね」
二人の反応に喜び、にこりと首を傾げるともう一度梅を見た。
それから記憶を確かめるよう沖田に訊ねた。
「土方さん……梅の花がお好きですよね」
「あぁ……そうですね、土方さんはお好きだと思いますよ。持って行ってあげるんですか」
「はぃ」
まだ咲き始めたばかりの梅の花を、土方に見せてあげたいと思ったのだ。
きっと喜んで花を愛でるだろう。
夢主の優しい心遣いに、斎藤と沖田は顔を見合わせてフッと笑った。
屯所に戻ると夢主は自室へ向かう沖田を呼び止めた。
「あの……沖田さんから渡して頂けませんか」
「え、夢主ちゃん渡しに行かないの?土方さん喜ぶと思うよ」
すまなさそうに申し訳なさそうに頼む夢主に沖田は聞き返した。
「私が行ってもご迷惑じゃないでしょうか……土方さんいつも忙しいですし……」
「あははっ、大丈夫ですよっ。土方さんに怒られるかと思いました?」
「っ……それは……」
用事もないのに、忙しい新選組副長を訪ねることには抵抗があった。
隊士達の目もある。
「ふふっ、夢主ちゃん行っておいでよ」
沖田に促され夢主は小さく首を縦に動かし、土方の部屋へ足を向けた。
そばで見ていた斎藤も夢主が土方の部屋へ駆けて行くのを見守った。