42.夢の続き
夢主名前設定
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「じゃぁ、僕まだ食事が済んでいないので……片付けられちゃう前に戻りますね!あははっ」
「えぇっ、そうだったんですか、お食事続けてくださいねっ!」
沖田は途中で抜け出してきた自分を笑い、手を振って戻って行った。
「びっくりした……でも、良かった……」
いつもの沖田に戻ってくれた気がして、夢主はほっとした。
自分も行こうと勢いよく体を反転させて小走りに角を曲がり、勢いそのままに角にいた斎藤にぶつかってしまった。
斎藤はこうなると考え敢えて避けずに立っていたのだが。
「きゃっ!ご、ごめんなさぃ……」
斎藤はやれやれ予想通りだなと言わんばかりの落ち着いた様子だ。
「斎藤さんっ!い、いつから……も、もしかして……沖田さんの……」
「あぁ聞こえていたな」
聞こえたのは全部か、一部が聞こえただけなのか。
男と女として沖田と向き合った時間を斎藤が見ていたのか、はっきり訊ねたいが、知るのが怖くて訊けない。
「よ、用は終わったのですか……」
「あぁ。今から飯だ。お前今朝はやけに早かったな」
「は……はぃ……」
このまま斎藤と沖田が顔を合わせると思うと、気まずく感じてしまう。
自分も一緒に行くべきか、しかし一緒に行く理由が見つからない。
「ほら」
「ひゃ……ぁ、あの……」
斎藤は夢主の頭に手を置き、ぐいぐいと動かした。
何をしているのだろうと、夢主の頭に疑問符が浮かぶ。
「ぁあ?よしよしだろうが」
夢主が沖田に話していた「辛い時はよしよししてあげる」を聞いていたのだ。
こんな事をしていても、斎藤は眉間に皺を寄せていた。
今の夢主の状況が困った状況に当てはまる。
斎藤は先程の話を半分冗談で、半分は本気で元気付けようと夢主の頭をわざと荒っぽく撫でたのだ。
夢主は冗談でもまさか斎藤がこんな事をと顔を火照らせた。
「ぁあの、だ、大丈夫です、ありがとうござぃます……」
どう反応して良いかわからず、とりあえず礼を言って斎藤の手を避けてみた。
もっとオロオロする夢主を期待した斎藤は少し残念そうだ。
「何だ、もういいのか」
「さ、斎藤さん、これは冗談ですか……」
「フン、半分な」
真面目な顔で答えると夢主から離した手を自分の胸の前に持っていき、腕組みをした。
視線は沖田が戻った座敷に向く。
「やれやれ、沖田君にも困ったもんだな」
「はぁ……」
それでも夢主は責められないと言葉を濁した。
「だが許してやれよ。彼ほどお前を気に掛けてくれている男はいないだろうよ。気持ちに間違いはなかったんだ」
「は……はぃ……」
まさか斎藤が沖田を庇うとは思わず、夢主は気の抜けた返事をした。
斎藤に庇ったつもりはなかった。だが信頼できる男だと思っている。
度が過ぎれば平手打ちでも何でもしてやればいい。だかそこまでの事をしでかす男ではない。
それはお前も知っているだろう、そんな目で夢主を見つめている。
「斎藤さん……お優しいんですね……」
沖田の真っ直ぐな気持ちを汲んで言葉を掛けた斎藤。
温かい気持ちに包まれた夢主は目がにこやかに細くなった。
「フン」
照れ隠しなのか斎藤は鼻で笑うと夢主を置いて座敷へ向かった。
夢主は大人しく斎藤の部屋へ戻る事にした。
きっといつも通り仲良く言い合いをしながら食事を済ませるだろう。必ず丸く収まる。二人を信じてみよう。
あの二人にしか無い、命を懸けた繋がりがあるのだから。
夢主は二人の繋がりを少し羨ましく思いながら、その場を立ち去った。
「えぇっ、そうだったんですか、お食事続けてくださいねっ!」
沖田は途中で抜け出してきた自分を笑い、手を振って戻って行った。
「びっくりした……でも、良かった……」
いつもの沖田に戻ってくれた気がして、夢主はほっとした。
自分も行こうと勢いよく体を反転させて小走りに角を曲がり、勢いそのままに角にいた斎藤にぶつかってしまった。
斎藤はこうなると考え敢えて避けずに立っていたのだが。
「きゃっ!ご、ごめんなさぃ……」
斎藤はやれやれ予想通りだなと言わんばかりの落ち着いた様子だ。
「斎藤さんっ!い、いつから……も、もしかして……沖田さんの……」
「あぁ聞こえていたな」
聞こえたのは全部か、一部が聞こえただけなのか。
男と女として沖田と向き合った時間を斎藤が見ていたのか、はっきり訊ねたいが、知るのが怖くて訊けない。
「よ、用は終わったのですか……」
「あぁ。今から飯だ。お前今朝はやけに早かったな」
「は……はぃ……」
このまま斎藤と沖田が顔を合わせると思うと、気まずく感じてしまう。
自分も一緒に行くべきか、しかし一緒に行く理由が見つからない。
「ほら」
「ひゃ……ぁ、あの……」
斎藤は夢主の頭に手を置き、ぐいぐいと動かした。
何をしているのだろうと、夢主の頭に疑問符が浮かぶ。
「ぁあ?よしよしだろうが」
夢主が沖田に話していた「辛い時はよしよししてあげる」を聞いていたのだ。
こんな事をしていても、斎藤は眉間に皺を寄せていた。
今の夢主の状況が困った状況に当てはまる。
斎藤は先程の話を半分冗談で、半分は本気で元気付けようと夢主の頭をわざと荒っぽく撫でたのだ。
夢主は冗談でもまさか斎藤がこんな事をと顔を火照らせた。
「ぁあの、だ、大丈夫です、ありがとうござぃます……」
どう反応して良いかわからず、とりあえず礼を言って斎藤の手を避けてみた。
もっとオロオロする夢主を期待した斎藤は少し残念そうだ。
「何だ、もういいのか」
「さ、斎藤さん、これは冗談ですか……」
「フン、半分な」
真面目な顔で答えると夢主から離した手を自分の胸の前に持っていき、腕組みをした。
視線は沖田が戻った座敷に向く。
「やれやれ、沖田君にも困ったもんだな」
「はぁ……」
それでも夢主は責められないと言葉を濁した。
「だが許してやれよ。彼ほどお前を気に掛けてくれている男はいないだろうよ。気持ちに間違いはなかったんだ」
「は……はぃ……」
まさか斎藤が沖田を庇うとは思わず、夢主は気の抜けた返事をした。
斎藤に庇ったつもりはなかった。だが信頼できる男だと思っている。
度が過ぎれば平手打ちでも何でもしてやればいい。だかそこまでの事をしでかす男ではない。
それはお前も知っているだろう、そんな目で夢主を見つめている。
「斎藤さん……お優しいんですね……」
沖田の真っ直ぐな気持ちを汲んで言葉を掛けた斎藤。
温かい気持ちに包まれた夢主は目がにこやかに細くなった。
「フン」
照れ隠しなのか斎藤は鼻で笑うと夢主を置いて座敷へ向かった。
夢主は大人しく斎藤の部屋へ戻る事にした。
きっといつも通り仲良く言い合いをしながら食事を済ませるだろう。必ず丸く収まる。二人を信じてみよう。
あの二人にしか無い、命を懸けた繋がりがあるのだから。
夢主は二人の繋がりを少し羨ましく思いながら、その場を立ち去った。